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タグ:I LOVE BOOKS ( 14 ) タグの人気記事

I LOVE BOOKS (てらこや新聞164-167号 たけがわのコーナーより)

BOOK89伊藤 まさこ
「美術館へ行こう ときどきおやつ」
(新潮社)

今回ご紹介するのは、北海道から鹿児島まで全国にある小さな美術館を紹介する美術館案内書です。人気スタイリストである伊藤まさこさんが全国各地で訪れたお気に入りの小さな美術館と、美術館に併設されたカフェやその近辺で食べられるおやつやおいしいものについて紹介してくれています。

町に馴染んだ小さな美術館で過ごす居心地の良い時間と、鑑賞後のスイーツのお楽しみ・・・それだけで少し日常を離れて贅沢な時間を味わえそうです。美術館で芸術鑑賞と言うと、静かに鑑賞する場で、とかく堅苦しそうな印象を抱きがちですが、ちょっと気分転換に、ちょっとくつろぎに・・・と気軽に出かけていっても良い場所ではないかと思えました。

行ったことのある美術館と行ってみたい美術館が掲載されていたので購入した本ですが、それぞれの美術館の外観や内装、展示物などを紹介する写真がふんだんに使われていて、それを見ているだけで少し豊かな気持ちになれた気がします。知らなかった美術館にも、いつか足を運べたらいいなぁと空想の翼を広げさせながら、じっくり楽しんだ一冊でした。     (K.T.)


*てらこや新聞164-167号は平成31年3月15日に発行されたものです。ブログへの掲載が抜けていたものです。

by terakoya21 | 2019-05-26 08:30 | 新聞164-167号

I Love Books! (てらこや新聞 159-163号 秋・冬号 たけがわのコーナーより)

BOOK8788伊集院 静
「琥珀の夢 
小説 鳥井信治郎 (上・下)」
(集英社)

今回も私の苦手な…上巻・下巻に分かれた物語です(^_^;)。両巻合わせて700ページほど…読み応えのある一作です。NHKの朝の連続テレビ小説「マッサン」で、堤真一さんが熱演されていた鳥井信治郎がとても印象に残っていて、もっと知りたいと思って読みました。

明治12年に大阪に生まれた鳥井信治郎は、 後に「サントリー」を創業した人物です。信治郎の生まれから、彼が丁稚奉公に出て洋酒に出会い、どのようにしてサントリーという会社ができたのかが語られていきます。明治という時代の、特に商いにおける社会の仕組みや文化などもわかりやすく語られていて、信治郎が厳しい生活の中でどのようなことに情熱を抱き、ひたむきに洋酒作りに励んだか、サントリーという会社に根付く精神を垣間見ることができます。

大胆だけれども繊細で、人に対してのやさしさをいつも忘れない信治郎はとても魅力的な人物でした。決して順風満帆とは言えない人生ですが、明治から大正・昭和と激動の時代を駆け抜けた情熱の人の物語、あっという間に読み終えました。

私は普段あまりお酒を嗜まないのですが、頂く機会には、この一滴にどれほどの情熱と苦労と歴史があったのか、ふと振り返って、ますます美味しく頂けそうな気がします。

お酒を飲む方も飲まない方も、ぜひご一読   下さい。      ( K.T.)




by terakoya21 | 2018-12-30 08:30 | I Love Books

I Love Books! (てらこや新聞147-149号 竹川のコーナーより)

BOOK83森谷明子

「春や春」(光文社文庫)

夏の甲子園というと思い浮かぶのは、高校球児たちの全国高校野球選手権大会でしょう。夏の風物詩の一つと言っても良いかもしれません。

全国の高校生が愛媛県・松山市で開かれる「甲子園」を目指す夏の大会があることを、私はこの本で知りました。それが俳句甲子園というもので、今年で20回目を迎えるそうです。
(詳しくは松山俳句甲子園ホームページへ→http://www.haikukoushien.com/

以前に著者・森谷さんの「れんげ野原のまんなかで」(創元推理文庫)を読んだことがあり、その文体が気に入って今回のこの文庫を手に取ったのですが、今回ご紹介する一冊は読後感の爽快さが際立つ一冊だと思います。

藤が丘女子高校に通う俳句好きの女子高生・茜は、俳句に否定的な国語教師と授業で対立し、それをきっかけに図書館でトーコという友人ができます。茜とトーコは「俳句甲子園」を目指して俳句同好会を立ち上げますが、俳句甲子園出場にエントリーするためには、部員が最低5名は必要と分かり、部員集めに奔走します。書道有段者の真名、音感に鋭い感性を持つ理香、弁の立つ夏樹、情緒豊かな瑞穗が集まり、俳句作りが始まります。

5・7・5の17音の中に、季語を含め、どういう情景を、何をどう読むのかから始まり、表記も漢字で表すのか、ひらがなで表すのか、どういう語順で表すのかなど、俳句は短いからこそ悩みどころは満載なものだと思います。日本語の豊かさ、繊細さに敏感になれるものかもしれません。17音に全てを注ぐ女子高生たちの清々しい成長が、とてもまばゆく感じられました。

言葉を味わう楽しさを伝えてくれる一冊・・・おすすめです。

( K.T.)




by terakoya21 | 2017-10-29 08:30 | I Love Books

I LOVE BOOKS! (てらこや新聞140号 竹川のコーナーより)

BOOK78: tupera tupera
「パンダ銭湯」 (絵本館)
今回は久しぶりに絵本を紹介します。

パンダというと「可愛い」というイメージがありますが、この絵本の表紙のパンダを見ると…少し不思議な感覚に襲われるかもしれません(^_^;)。というのも、なんだか少し…コワイ感じがするからです。パンダにしてはなんだか不思議なような気がする…ちょっとコワモテのパンダなのです。

パンダだけが入れる銭湯「パンダ銭湯」というのがあって、パンダの家族(お父さんとお母さんと 子供パンダの三頭)が、そのパンダ銭湯にお風呂に入りに行く…という、お話自体はいたってシンプルなものなのですが…。

実は、パンダには大きな秘密がある?! という、面白いお話です。

とてもシュールなパンダたちの秘密…子供だけでなく大人にもおお受けすること請け合いです(^_^;)。

びっくりするパンダの 秘密、知りたくありませんか?

ぜひ手にとって、楽しんでみてほしい一冊です。
( K.T.)


by terakoya21 | 2017-01-02 08:00 | I Love Books

I LOVE BOOKS! (てらこや新聞138-139号 竹川のコーナーより)

BOOK75:西川美和
「永い言い訳」 (文春文庫)
単行本の時からずっと気になっていて、文庫化を待ち侘びていた一冊です。

主人公は人気作家の津村 啓こと衣笠幸夫。出版社を辞めて作家を志し、苦労の末タレント活動をするまでの人気作家になるのですが、芽が出るまでは美容師である妻に食べさせてもらっていました。けれども、その間、次第に妻に対する思いはねじ曲がり、二人の間には隙間風が吹いています。

そんな妻が、ある日親友と出かけたスキー旅行で不慮のバス事故に遭遇し、親友共々あっけなく亡くなってしまいます。二人の幼子を残して亡くなった親友の夫・陽一は、悲しみにくれると共に、妻亡き後の子供たちとの生活を思って呆然とするのですが、主人公・津村は妻の死に直面しても、「悲しい」という感情すら湧き起こらず、涙を見せることもなく、旅先で淡々と葬儀を済ませ、その一方で悲劇の主人公を装います。

その後、縁あって、幸夫が陽一の子供たちの 世話を見ることになり、それをきっかけに、幸夫に欠けていた他者を思いやる心を取り戻していくのですが…。

「永い」が「長い」でないのは、その言い訳が、相手が亡くなっていて、もう届くことがないということを意味しています。最後の章で幸夫が書く妻への手紙の中に「他者のないところに人生は成立しない。」という言葉があります。すべてが自分中心で他者の存在しない生活を送っていた幸夫が、「他者」の存在に気付く、その過程を描いた作品です。

愛すべき日々に愛することを怠った代償は小さくはなく、最後に幸夫がそれに気付き、亡くなった妻を思って涙を流す…妻がどう思っているのか、もう確認しようもない、妻に届かない涙で物語は締めくくられます。

失って初めて大切なものに気付く…とても切ないお話ですが、ぜひ手に取ってみてほしい一冊です。

10月14日、映画が公開予定です。   ( K.T.)
by terakoya21 | 2016-11-30 08:30 | I Love Books

I Love Books! (てらこや新聞118号 竹川のコーナーより)

BOOK54・55・56・57:吉永 南央

「萩を揺らす雨  紅雲町珈琲屋こよみ」
(文春文庫)
「その日まで  紅雲町珈琲屋こよみ」
(文春文庫)
「名もなき花の  紅雲町珈琲屋こよみ」
(文春文庫)
「糸切り  紅雲町珈琲屋こよみ」
(文藝春秋)

今回は一気に4冊、ご紹介します。

前から気になっていたものの、買おうか買うまいか、ずーっと悩んでいたシリーズ本です。悩みに悩んで、やはり読んでみたい、だから買っておこうと、4冊大人買い(?) しました。

昨年12月、一冊目を読み始め、ひと月のうちに一気に4冊、読破しました。何かと忙しない師走に一気に読み終えたということだけをとってみても、私がこのシリーズにどれだけ魅了されたかが伝わるかと思います。

主人公は、観音様が見下ろす街で、コーヒー豆と和食器を扱う「小蔵屋」を営むおばあさん、杉浦 草(そう)。お草さんと呼ばれています。とびきりのコーヒー豆を販売していて、そのコーヒーの試飲を無料で提供しています。和食器のコーナーも、季節ごとにアレンジを変え、なくても生活はしていけるけれど、あれば日々の暮らしに彩りを添えてくれる、そんな展示を見せ、思い入れのある和食器を扱っています。コーヒーにしても和食器にしても、ひとつひとつに、こまやかな気配りとていねいさが感じられて、ほっとします。

無料のコーヒー目当てで小蔵屋にやってくるお客をそっと見守りながら、お草さんは、それらのお客との会話をきっかけに、街で起こる小さな事件に気付いていく…というお話です。

事件を解決と聞いて思い浮かべるのは、シャキッとした頼りがいのあるおばあさんかもしれませんが、お草さんは、シャンと背筋は伸びているけれど、決して出しゃばらず、控え目で、心に傷も負っている、その傷から決して逃げない芯の強さも持ち合わせています。

扱われている事件は、家庭内暴力や幼馴染とのいざこざなど、決して大きなものではないけれど、日常的によく起こりうるようなもので、だからこそ、より身近に感じるものばかりです。

「事件」と言うほど大げさなものではないけれど、当事者にとっては大きな問題、それらを一つずつひも解いていくお草さんですが、すべてが幸福な解決を見るわけではなく、それがかえって、リアリティを持って、読む者の心に響く、そんなお話が詰まっています。

人生の悲哀と四季がうまく融合されていて、芳醇な香りにほろ苦さもあるコーヒーにつながるような気がします。 人生の苦みも知っているお草さんが語る言葉は、決して難解なものではないけれど、一つ一つに重みがあって、心に残ります。

しっとりとした味わいのあるシリーズです。

今春、NHKにて、富司純子さんがお草さん役として主演し、ドラマ化されるようです。ぜひ見てみたいと思っています。

(K.T.)
by terakoya21 | 2015-02-18 14:06 | I Love Books

I Love Books! (てらこや新聞113号 竹川のコーナーより)

BOOK49:
坂木 司 リクエスト!

「和菓子のアンソロジー」
(光文社文庫)

以前ご紹介したことのある「和菓子のアン」の作者・坂木 司さんが大好きな9人の作家たち (小川一水さん、木地雅映子さん、北村 薫さん、近藤史恵さん、柴田よしきさん、日明 恩さん、恒川光太郎さん、畠中 恵さん、牧野 修さん)に、「和菓子」をモチーフに短編を依頼し、それらが収まった一冊です。

「和菓子のアン」は、表紙の御饅頭が美味しそうで、それに惹かれてついつい買ってしまった一冊でしたが、なかなか面白い内容だったので、この本も思わず買ってしまいました。

全く知らない作家さんもいましたが、いろいろな作家さんの作風に触れられるこういうアンソロジーは、なかなか面白いなぁと思いました。

最初の一篇は、「和菓子のアン」の後日談のようなお話。主人公のアンちゃんや立花さんなど、「和菓子のアン」に登場した人物が今回も登場しています。

また、私の大好きな作家・北村 薫さんの「しりとり」も、北村さんらしい謎解きの妙がありました。

日常の謎、ミステリー、恋愛、怪談・・・と様々な味の作品がちりばめられています。

和菓子が前面に出ているわけではないのですが、様々な味わいを楽しめる一冊です。そして、 やはり・・・美味しい和菓子をいただきたくなるような気持ちになります(^_^;)。

(K.T)

アンソロジー【anthology】
いろいろな詩人・作家の詩や文を、ある基準で選び集めた本。また、同一詩人・作家の選集。詞華集。佳句集。名文集。     (goo辞書より)
by terakoya21 | 2014-09-26 21:47 | I Love Books

I Love Books (てらこや新聞104号 たけがわのコーナーより)

BOOK40:中島京子 

「小さいおうち」

私がまず惹かれたのは、オレンジ色の背景に、窓辺で手を取り合う二人の女性の絵が描かれている表紙です。どこか懐かしい気持ちにさせてくれるモダンな表紙、モダンさは物語の中にも散りばめられています。第143回直木賞受賞作です。

東北出身の女中タキが晩年、昭和初期から 終戦間際まで務めた女中時代をふり返る形で物語が進んでいきます。東京の赤い屋根のモダンな家に女中奉公をするタキは、美しい奥様を心から慕っているのですが、だんだん戦争の影が迫ってきます。

戦争と言うと、何年に何が起こったと、歴史の一こまを羅列で知り、暗くて辛い時代だととらえてしまいます。市井に暮らす人々は淡々と日々の 暮らしを営んでいたのに、いつの間にか戦争の影に巻き込まれていった…時代 背景が戦争に向かう時代ではあったけれど、日々の暮らしという意味では今と変わらぬ暮らしが確かにそこにあったのだと 感じさせてくれる一冊です。

物語は大きな起伏もなく淡々と進んでいくのですが、時を経て、小さいおうちに封印された謎が解き明かされていきます。登場人物のだれもが、その時その一瞬をただただ一生懸命生きている、そのことがとても美しい余韻を残す作品です。

山田洋次監督による同名の映画が来年1月に公開されます。こちらも見てみたい作品です。
(K.T)
by terakoya21 | 2013-12-10 10:46 | I Love Books

I Love Books! (てらこや新聞103号 竹川のコーナーより)

BOOK40:多田ひろし 「だれかしら」

今回は絵本の紹介です。

息子が1歳6カ月検診を受けた時、絵本を三冊いただいたのですが、その中の一冊がこの絵本でした。三冊あった絵本のうち、この本には当初 まったく興味を示さず、ずっと棚のお飾りになっていたのですが、最近になって、この本が気に入ったらしく、読んでほしいとせがまれる一冊になっています。


「とん とん とん」と、だれかがドアをたたく音がして、窓から動物の顔や体の一部が見えています。男の子が「おともだち だれかしら」と次々迎え入れるというお話です。

「とん とん とん」というドアをたたく音のリズムが心地よく、やってきた動物たちを確認して、ニコッとほほ笑む息子の様子に私も楽しくページをめくっています。小さな子どもも大人も楽しめる一冊だと思います。

(K.T)
by terakoya21 | 2013-11-13 07:00 | I Love Books

I Love Books (てらこや新聞102号 竹川のコーナーより)

BOOK39:ベニシア・スタンリー・スミス
「ベニシアの京都里山暮らし 大原に安住の地を求めて」

この本の著者ベニシアさんは、イギリスの貴族社会を飛び出し、紆余曲折あって、京都・大原の古民家でコテージガーデンを作りながら自然に触れ生活しています。

ハーブを育て、自然に親しみ、環境問題や教育などについて、彼女が思うことをエッセイの形で書いています。24のメッセージは英文付きで紹介 されています。

「植えられた場所で、花を咲かせて。 Bloom where you are planted.」

「自分自身に誠実に。 Be true to yourself.」

以前テレビで彼女の番組を見たことがあり、その生き方や暮らしぶり、言葉に興味をひかれていました。この本でもその魅力はたっぷり伝わると思います。

古いものを大切にする自然との生活…便利な生活に慣れてしまった私たちには、なかなか大変で面倒だと思われるようなこともある生活ですが、毎日、ひとつひとつを丁寧に暮らしていくことの豊かさが伝わります。

今年9月には「ベニシアさんの四季の庭」というドキュメンタリー映画が公開されます。たぶん私は見に行くことはできないかなと思うのですが、この映画でもベニシアさんの人柄、生活の様子、魅力がわかるのではないかと思います。

(K.T)
by terakoya21 | 2013-10-08 21:43 | I Love Books

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