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アメリカ研修日誌 (てらこや新聞100号 大学生のコーナーより)

No. 7 part 3

part 1

part 2

(part 1, part 2は上のリンクからどうぞ!004.gif

続いて、テキサス滞在中に考えたことの中からひとつ、4月号からの話題です。この回では、テキサスの子供たちが、自分たちの身近にあるものを遊びに取り入れていたことを書かせていただきました。リビングでのロデオ大会、思い出していただけましたか(^ ^)?わたしはあの場にいて、なんて素敵な子どもたちだろう!と感激したのですが、その後も彼ら、特にヤナチェック家の姉弟を見ている中で、自分を省みるきっかけをいただくことになりました。

一緒に過ごす中で、将来の夢に関わる話もちらほらと聞こえてくるようなことがあったのですが、彼らは将来自分がしたいことを語るときも、身近にあるものから出発していました。例えば、5月号に登場したチャッドなんてわかりやすいですよねー。お父さんの働く姿を見て、自分もああなりたいと思う。シャーロットは、歯の矯正をしてもらった経験から、(どんな理由かは確かではないのですが、「歯がきれいになったことをとても感謝しているから」もしくは「そのときのスタッフにとてもよくしてもらったから」のどちらかだったと思うのですが)歯科関係の仕事がしたいと話していました。

読者の方の中には、「家族が面倒を見てもらった看護婦さんが素敵だったから私も看護士になった口だし、よくある話じゃない?」というように思われる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、少なくとも私はそうではありませんでした。進路を考えるとき、周りにあるたくさんの情報に惑わされました。インターネットやテレビで得た文字や映像だけの情報やイメージから、これがしたいのではないか?あれがいいのではないか?なんて考えて、自身も周囲も振り回し、そういうことに疲れてしまいました。描く将来像は、どれも経験に裏打ち されたものではなく、どこか遠いところから引っ張り出してきたものだったので、ちょっとやりかけてみてもころころと考えが変わり、結局はとりあえずの行き先さえ、満足に選ぶことができませんでした。

チャッドやシャーロットのように、自分たちの身の回りで進行していることや自分の経験に基づいて考えることが普段からできていれば、たとえ進路に迷うことがあったとしても、地に足のついた考えに行きつくはずです。それができれば、余計に可能性を広げすぎないで済むから自分がそれだけ傷つかないでも済むし、周囲も余計に口を挟まないで済み、安心して見守ることができるに違いありません。

本来、自分の経験から考え判断するなんてことは、なんてこともない、おそらく生きていくための基本中の基本ですよね。誰もが小さい頃から、「こうすると危険なんだ」とか、「これくらいなら怒られないで見逃してもらえる」とか、経験して積み重ねていくことで判断できるようになっていく。毎日はそんなことの積み重ねで成り立っていて、意識することはなくても、私も実際そうやって日々判断と選択を繰り返して生きているのでしょう。でもそんな当たり前であるはずの、経験に基づいて考える、身近なものから考えるということが、私は大事な場面でできなかった。そして、現代社会を生きる、特に同世代の人たちの中には、同じような状況に陥ってしまう人も少なからずいるのではないかと思うのです。

私は幸いにも、亀井先生を始め、この塾の方々に巡り会うことができ、(皆さんには音を上げたくなることも幾度もあったと思いますが、それでも)長い間お付き合いいただいたことで、そうした状況や、そこに行きついてしまうような考え方から抜け出す糸口をいただくことができました。塾を離れた今となってようやくですが、先生方に頭を痛めて言っていただいていたことが実感としてわかるようになってきていて、周囲からもだいぶ落ち着いてきたと言われますし、自分としても安定した考え方になってきたと感じます。そのことによって、自身の安定が保たれているようにも感じます。

寺子屋かめいのみなさまには、少しでも成長を感じ取っていただけるようになってまたお目にかかれるよう、今もなお私なりの歩みを続けている最中ではありますが、この場を借りて、とりあえずのお礼を述べさせていただきます。私のために、時間をかけ、みなさまがしてくださった数々のことに、感謝しています。本当にありがとうございました。同じくらい、申し訳ありませんでした。でもやっぱりそれ以上に、ありがとうございました。

と、話が少し逸れてしまいましたが、これもまぁ100号記念号ならではといったところでお許しいただいて、話の続きに参ります。

つづく…

4月号 part 2
by terakoya21 | 2013-08-10 12:08 | アメリカ研修日誌

アメリカ研修日誌 (てらこや新聞100号 大学生のコーナーより)

No. 7 part 2

part 1 ←こちらのリンクからどうぞ!

サルサはご存知の方も多いと思います。日本でもサルサソースとか聞きますよね?サルサはいくつか意味があるらしいのですが、ここでいうサルサは、スペイン及びラテンアメリカで料理に使われる液状調味料の総称として使われています。いただく機会が多かったのは、サルサ・ロハ(salsa roja)と呼ばれる赤いソース。メキシコ料理やアメリカ南西部の料理でよく使われるソースで、トマトをベースに、唐辛子、コリアンダーなどから作られるようです。大抵はコーンチップスにつけていただきました。(1月号に書いたような感じです。)

056.gif1月号

また、サンアントニオという町のメキシカンレストランでは、大きな青い唐辛子を使った料理をいただいたりしました。名前がわからず記憶もあいまいなのできちんと紹介できませんが、辛くはなく、おいしかったという印象は残っています。

その他にも、メキシコ料理と意識しないで食べていた料理があるかもしれません。それほどにテキサスではメキシコ料理は身近な存在で、Tex-Mexとしてアレンジされたりしながら人々に愛されていました。

つづく…
by terakoya21 | 2013-08-09 19:42 | アメリカ研修日誌

アメリカ研修日誌 (てらこや新聞100号 大学生のコーナーより)

No. 7 part 1

今月は、てらこや新聞100号記念号ということで、これまでに「またの機会に」と言っていたものの一部をかたちにすることにしました。今回はテキサス滞在中に出会ったメキシコ料理と、滞在中に考えたことの中から一点について書かせていただこうと思います。

まずはわたしの連載第1号、2013年1月号からピックアップ!テキサスで出会ったメキシコ料理についてです。メキシコ料理はトウモロコシ、インゲン豆、多様なトウガラシ(チリchilies)を用いた辛味の効いた料理としてよく知られているそうなのですが、米国では例えばテキサスではテックスメックス料理(Tex-Mex)、カリフォルニアではカルメックス料理(Cal-Mex)というように、融合してアメリカナイズされたものがよく食べられているようです。わたしが滞在中にいただいたのは、エンチラーダ(enchilada)、ケサディーヤ(quesadilla)、サルサ(salsa)などです。

簡単に紹介すると、エンチラーダは、具材をトルティーヤ(すり潰したトウモロコシから作る薄焼きパン)で巻き、唐辛子のソースをかけた 料理。中に詰める具は、肉、チーズ、野菜、魚介など、様々な具材が使われるようです。テキサス州中南部では、チーズか牛肉を詰め、グレービーソースをかけたエンチラーダが人気だそうで、私が食べたものも具:牛肉、ソース:グレービーというものでした。

ケサディーヤはトルティーヤで具(主にチーズ)を包んだ料理で、メキシコ料理のファストフードだそうです。包む材料はアメリカとメキシコで大きく異なるそうですが、タコスやブリトーが調理済みの具材を詰めるのに対し、ケサディーヤは材料を詰めた後に調理するという点はどちらの国でも共通のようです。

私は、テキサス初夜にセシルさんたちと訪れたメキシカンレストランで、チーズとえびを包んだものをいただきました。変な時間に出される飛行機の機内食を残さず食べていたので、このときは先生と半分ずついただくのがやっとでしたが、生野菜や、クリームチーズ、アボカドソースが添えられていて、割とさっぱりいただける料理だったのだと、その後も何度かメキシカンレストランに連れて行ってもらう中で気づきました。

連れて行ってもらう度に、この料理を注文しようと思ったのですが、私はなぜかいつもエンチラーダを注文してしまい、味付けの濃いボリュームたっぷりのエンチラーダを、(今回も違うものが来てしまった…という意味で)仕方なく(いやもちろんありがたくですよ!)いただくのでした。私が食べたかったのは、ケサディーヤだったんですね。せっかくなのでこれを機に覚えます。ケサディーヤ、ケサディーヤ・・・よし!またの機会にはケサディーヤを注文します!

つづく…
by terakoya21 | 2013-08-08 10:24 | アメリカ研修日誌

アメリカ研修日誌 No. 6 part 2 (てらこや新聞99号 大学生のコーナーより)

6日目 part 2

part 1 ←part 1はこちらのリンクから\(^o^)/

家に帰りシャワーを浴びて部屋に戻ると、ハンバーガーパーティーが始まっていた。キッチンには、いくつもの皿やボールに、肉やチーズ、レタスやトマト、オニオンリングにチップスなどの具材、そして大きな容器に入った調味料が並ぶ。 皿にバンズを置き好きな具材を重ねながら、脇にオニオンリングやチップスも取って進む。クリームはマヨネーズのような色のものと白色のがあって、わたしは確か白いクリームのほうを選んだ。出来上がったばかりのずっしりと重たいハンバーガーは、おいしかった。ハンバーガーっておいしいんだなぁと思った。 それまで、ファストフード店のものしか食べたことがなく、それはそれでおいしいとは思っていた。だが、お手製のハンバーガーは、これまで食べたことのあるそれとは違う種類のおいしさだった。それぞれの素材の味がするというか。不健康な食べ物というイメージはそこにはなかった。

パーティーと言う割には人気が少ないなぁと思って外に出たら、玄関前にはプラスチックチェアが輪になって並び、大人達がくつろいでいる。子どもたちもちらほら交じっている。近所のおじさんや、かわいい子犬たちもいる。パーティーはみんなウェルカムなのだ。私もしばらくの間、その輪に入れてもらって会話を楽しんだ。相変わらず聞いているだけというのが大部分だったが、それでも楽しかった。子どもたちも自分達で遊んでいるばかりではなくて、ふらっと寄ってきて子犬と戯れたりしながら、大人達の話に耳を傾けている。大人達がハンバーガーやビールを片手に、こうやってゆっくり日暮れの時間を過ごしているというのはいいものだなぁと思った。そういうゆとりがあると、子どもたちも安心するというか、ほっとできるのではないかと思った。日本の大人達もここの大人達のようなゆとりを持てたら、子どもたちも変わってくるのかもしれない。

すっかり日も暮れて辺りが暗くなった頃、私はトランポリンの上にいた。ヤナチェック姉弟と、いとこの女の子たち(小中学生)と一緒にだ。トランポリンの上でのゲームを教えてもらい、見よう見まねで一緒に遊び、踊った。例えばトランポリンの真ん中にひとり(仮に鬼とする)が寝転んでごろごろ転がり、他のメンバーはその鬼を踏まないようにジャンプするというゲーム。また、鬼が目を閉じ四つん這いになっていて、他のメンバーが「スパイダーマンがなんたらこうたら~♪」という歌を歌いながらその周りを円を描くように動き、歌が終わるとぱっと止まって息を潜め、鬼は先ほどまでの声やトランポリンの動く感触を 頼りに這い回り、誰かにタッチしたら役を交代するというゲームなど。なかなかにスリリングで、ひょっとすれば、(ひょっとしなくてもか…)危険なゲームだった。それを楽しくやってのけてしまうのが子どもたちというものだ。「みんなはトランポリンに慣れている。一番注意が必要なのは自分自身だ!」と悟った私は、自分が落ちないように、誰かを踏んづけてしまわないように、ということに細心の注意を払ってゲームに臨んだ。

トランポリンってこんなものだったのかー、という感想を持つまでもなく、トランポリンの上に立っている(留まっている)ことにとにかく必死だった。子どもたちの動き回るのなんのって!飛び跳ねて、走り回って、じゃれ合って、寝転がって。地面の上ではない、足元が不安定だからこそ起こるミラクルもあり、それがまたおもしろいのもわかる。でも、「おーい、みんなー。ここにいるお姉さんのことにも少し気を使ってはくれない かい?」と言いたくなるほどに、トランポリンの上は過酷なところだった。だが、始まった当初は内心ひやひやだった私も、子どもたちと一緒になってやっているうちに、だんだん楽しさを感じるようになっていった。

赤ん坊の男の子が、先生からプレゼントされた甚平姿で登場したことで、ようやく トランポリンの上の激しさは収まった。足ががくがくになりかけていたわたしはほっとし、彼らの隣に腰をおろした。「わぁ」と思わぬところで声が出た。それまで足元ばかりに集中していて気付かなかったが、私達の頭上には、満天の星空が広がっていたのだ。こんなにきれいな星空を見たのは、いつぶりだろう。降ってくるような星空と いうのはこういう空のことをいうのだとわかった。逆に、こちらが吸い込まれてしまいそうな気もまたするから不思議だ。

このひとときが、この数日間が、幻みたいに思えた。と同時に、こんな夜空の下で、子どもたちと一緒に足を投げ出してトランポリンに座っている自分の姿を思うと、ふふふと笑いだしたくなるのだった。私はこんな素敵なところに来たのだなぁと思うのだった。
by terakoya21 | 2013-07-09 16:56 | アメリカ研修日誌

アメリカ研修日誌 No.6 part 1 (てらこや新聞99号 大学生のコーナーより)

6日目 part 1

この日はチャーリーンさんの妹さんのお宅にお邪魔して一泊させてもらうことになった。一泊分の荷物だけ持っていこうかと最初は思ったのだが、何があるかわからないし、先生もそうするというので、念のためスーツケースごと出かけることにした。シャーロットの部屋に居心地よさそうに収まっていた私物をケースにしまう。

チャーリーンさん一家の(6人きょうだいの内の、)4姉妹の末の娘さんであるシェリルさんは、シュレンバーグという町に住んでいる。それは、亀井先生が高校生の頃10カ月間を過ごし、私も数日前セシルさんとジョンさんに見せてもらった町だ。

午後3時頃、シェリルさん宅に到着。この家にもやっぱり、草原のような庭と動物たちの姿があった。子どもたちは、鶏舎だのなんだのどこでも裸足で駆け抜ける。わたしは靴をどろどろにしながら彼らの後をついて回った。

玄関から入るとすぐにリビングがあって、カウチに囲まれたその部屋は、今まで見てきた部屋からすると狭いという表現になってしまうが、私にとっては落ち着ける、丁度いい広さだった。リビングはキッチンへとつながっていて、ここで今晩、ハンバーガーパーティーなるものが開かれるらしい。

パーティーが始まるまでの間、「ご近所のプールで泳がせてもらいましょう」ということになった。まさか水着なんて持ってきていなかった私は、先生に貸してもらって泳がせてもらうことに。車で移動し、着いたところはまさに豪邸というにふさわしい立派な建物だった。日本とは違うスケールで見ても「でっかい!」と思った。わたしは外にあるゲストルームのようなところで、眼鏡をコンタクトレンズに変え、水着に着替えた。着替えて出て行くと、みんなはもうプールではしゃいでいる。大人達は水際のパラソルの下で、ビールやなんか飲み始めている。

わたしは出遅れたなーと思いつつも、でも誰もそんなこと気にしてないよなぁと感じながら、こそこそとプールにつかった。チェイスとシャーロット、そして彼らのいとこたちは、プールに潜ったり水の中で逆立ちをしたりして非常にアクティブに楽しんでいる。ゴーグルを貸してもらい、私もちょこっと 交ぜてもらったりしながら、しばらくプールを泳ぎまわった。このプール、だんだん深くなるようになっていて、途中から足がつかなくなる。25メートルプールみたいな長方形じゃなくて、ひょうたんのような形をしていて、家の建物と同じ ように洒落た感じだ。高校生3人と中学生2人、そしてチェイスと私の7人が入っても、みんなで遊んだりゆったり泳ぎまわるのに十分な広さだった。

プールから上がると、大きなクーラーボックスに浮かんだ缶ジュースを飲んだ。庭や動物たちを見学させてもらったあと、豪邸のご主人に(ゴルフ場の乗り物に似たもっと大きくてしっかりした四輪車で)送ってもらって、シェリルさん宅へ帰った。ご主人はシャーロットたちとも楽しそうに話していて、愉快なおじさんという印象を受けた。それにしても、あんな素敵なプライベートプールを近所の子どもたち(や私までも)に自由に使わせてくれるなんて、器が大きい。おじさんみたいな人が本物のお金持ちだなぁと思った。このときは周りのみんなと同じように普通に過ごしていて特に意識していなかったが、今振り返ってみると、なかなかにすごい経験をさせてもらったと思う。

part 2につづく…
by terakoya21 | 2013-07-08 12:34 | アメリカ研修日誌

アメリカ研修日誌 No.5 part 3 (てらこや新聞98号 大学生のコーナーより)

No. 5 5日目

part 1
part 2

(part 1, part 2は上のリンクをクリックしてください。)

カウボーイと言われてイメージするのは、頭にはつばの長い(?)カウボーイハットをかぶり、シャツにベストを着こなし、ギザギザした金具のついたウエスタンブーツをはいている男性。そして、輪っかになったロープをくるくる回して獲物をしとめ、「ヒーハー」というような掛け声をかけて馬を操る。広大な 赤土の大地、サボテン、列車、線路、酒場、保安官、決闘といったイメージも一緒になって浮かぶ。

これが、私の中のカウボーイだった。ザ・西部劇のヒーローといった感じだ。だからおじさんに聞かれたとき、「え、カウボーイって現代にいるの!?」とまず思った。でも聞いてくるってことはいるんだよな、と思い直すと、次に立ち 上がってきた疑問符は「じゃあ、一体どんな人をカウボーイと呼ぶんだ?」ということだった。カウボーイの定義がはっきりしていなかった私は、自分がそれを見たのか見ていないのかわからず、答えに困ってしまった。

おじさん曰く、私は今日3人のカウボーイを見たらしい。だから、「テキサスに来て何を見た?と聞かれたら、カウボーイズ!!って答えるんだぞ!」と、おじさんは嬉しそうに話す。3人のカウボーイ・・・。その日その畑で出会った、ご主人以外のヤナチェック兄弟のお二人(おじさん含む)とチャッドのことか?と私は推測し、とりあえずそういうことにしておいた。おじさんはカウボーイの定義らしきことは話してくれなかったので、「カウボーイとはどんな人たちか」ということはいつまでも疑問のままだったが、「テキサスにはカウボーイがたくさんいる」ということは、その後の滞在の間になんとなくわかっていった。(カウボーイについての私の考察にはまたの機会にお付き合いください。)

その後、トラクターの中で、「テキサスで何を見た?」と聞かれて 答える練習を、おじさんと繰り返した。何かの話の途中で聞いてくるから、一回目はとっさに答えられなかった。するとおじさんが「あれ だろう?あれあれ!」というように私に目配せしてニヤニヤ笑い、「あぁ、カウボーイズかー」と私も笑って言った。すぐまたおじさんが、「テキサスで何を見たんだ?」と聞いてくれて、今度はきちんと「カウボーイズ!!」と答えることができた。おじさんは「いいぞ、カウガール」と言って、豪快に笑った。

この日の体験は非常に貴重なものであり、とても有意義なものだった。テキサスに滞在した約一か月間の記憶のひとつひとつは、不本意ながら忘れていってしまうことは避けられないが、この日窓から見た光景と トラクターの振動、チャッドの隣に座っていたときやおじさんと話していたときの感情は、長い間私の中に残るような気がしている。

(H.F)
by terakoya21 | 2013-06-03 00:15 | アメリカ研修日誌

アメリカ研修日誌 No. 5 part 2 (てらこや新聞98号 大学生のコーナーより)

No.5 5日目

part 1 (←昨日掲載のpart1をお読みになりたい場合はここをクリックしてください)

part 2

その後亀井先生やセシルさんから聞いた話によると、農場で育った奥さんは、幼い頃から、朝4時に起きて家族の朝食の準備をしたり、家畜の世話を手伝ったりしてから学校へ行き、帰宅してからもまた家の手伝いをして、という生活を送っていた。働いて働いて寝てという暮らしをしていた一家だが、最終的に農場を手放さなければならなくなったという。そんな経験を通し、農家の大変さを身に染みてわかっている奥さんは、息子に同じような思いをさせたくないのだ。泥だらけで汗まみれになって働いても、農業だけで食べていくのは難しい。ヤナチェック家でも、ご主人は普段はエネルギーカンパニーにお勤めで、長期休暇の間だけ、コーン畑で働いているというのが現実だ。さらに加えて、奥さんは自身がそうであるから農家の嫁の大変さも知っている。チャッドがコーン畑で働くようになったら、お嫁さんが来てくれなくなるわ!と、気を揉むのも頷ける。

その後ヤナチェック家に滞在中、キッチンやリビングルームでの会話を何気なく聞いていると、チャッドの将来がらみの発言がたまに出てきて耳に留まった。大体、こんな感じだ。コーン畑での作業が大変だった日には、「だから、コーンなんてやめときなさい」というようなことを奥さんが口に出し、コーンがよく獲れるなど 景気のいいことがあった日には「ほーら、みろ!いいじゃんコーン!」という雰囲気がチャッドの表情や発言から漂ってくるのだった。

チャッドは、母親の気持ちを汲み取りながらも、自分のやりたいことを認めてもらおうとしている。だから、お母さんの前でおおっぴらに「将来コーン畑で働きたい」とは言わない。でも、お父さんの仕事には毎日ついていって、「今日はこんなことがあったんだ」と話をする。

「彼が最後まで自分の意思を変えなければ、きっと奥さんは彼のしたいことを認めるだろう。でもその決断の時が来るまで、彼女は反対し続けるのだろう。自分が歩かせたくない道を子供に歩かせないように。それが本当の親の務めなのだ」と亀井先生は言っていた。

それにしても、おじさんたちに交じってこんな大きなトラクターを自在に操り、一緒に作業できる13歳ってすごい。無線で連絡を取りながら、「了解」と、トラクターを赤いトラクターの隣につける。赤いトラクターから伸びた管から、収穫されたばかりの大量のコーンの粒が荷台に落ちてくる。ザーッという音とともに、空っぽだった荷台がみるみるコーンの粒で埋め尽くされていく。あっという間にコーンの山ができると、赤いトラクターと別れ、農道の大きなトラックのほうへ向かう。そこで今度は、トラクターの山盛りコーンをトラックの荷台に移す。

そこまでの作業を、運転席の隣で一通り見せてもらった。途中、「コーン見たい?」とチャッドが聞いてくれて、ふたりでトラクターから降り、収穫される前のコーンを手にとって見せてもらったりもした。この数十分で彼と仲良くなれたとは思わなかったが、一緒に過ごせたことがうれしかった。(その後、姉弟や両親と過ごす彼の姿を目にする機会が徐々に増え、違う一面も知ることになっていくが、とりあえずこの時点では、)「なんてしっかりした13歳なのだろう」というのが、チャッドの印象だった。(その後も好印象に変わりはないのでご心配なく!)

チャッドと別れて、今度は赤のトラクターに乗せてもらった。手を差し伸べられたのは、陽気なおじさんだ。何人かいるご主人のお兄さんのひとりらしい。緑のトラクターよりも広い運転席の隣に腰を下ろすと、さっそく話しかけられた。確か、「日本からここまでどれくらいかかったの?」というようなことを聞かれたはずだ。そんな初歩的な質問に対する受け答えの中で、「きみはヨシエ(亀井先生)のようには話せないんだね?」ということはあっという間に露呈した。(赤いトラクターには私の前に先生が同乗していたのです。)おじさんはその後、最初のトークよりも少しスピードを緩め、私にもわかるような単語を選んで話してくれていたように思う。明るくて優しくておもしろいおじさんだった。会話が進む(主におじさんがしゃべって私が聞いている、もしくはおじさんが質問してくれ私が答える)中で、「ここにきてから、カウボーイは見たかい?」と聞かれた。

つづく…
by terakoya21 | 2013-06-02 07:30 | アメリカ研修日誌

アメリカ研修日誌 No. 5 part 1 (てらこや新聞98号 大学生のコーナーより)

No. 5 5日目

part 1

お世話になっている一家のご主人と彼のお兄さんたちが働くコーン畑に連れていってもらうことになった。チェイスのお兄さんのチャッド(長男)も、そこでお父さんたちを手伝っているらしい。

ゴトゴト音を立てて土煙を上げながら、チャーリーンさんの車は幅の広い農道を進む。窓外の見渡す限り一面が、コーンの葉の濃い緑で覆われている。背の高い葉がびっしり並んでいるから、ここでかくれんぼをしたら鬼役は大変だろう。そんなことを考えながらしばらく車に揺られていると、ふっと視界が開けて、今度はでこぼこしたこげ茶の大地が広がる。刈取りのおわった土地なのだろうが、なんて広いのだろう。通り過ぎてきたような見渡す限り緑の畑もまだ残っているのに、全体で一体どれくらいの広さの畑なのだろう。

ご主人たちの作業現場に着いたらしく、チャーリーンさんの車が止まった。脇にはいつか目にしたような大きなトラックが数台並んでいる。畑を見やると、赤や緑の大きなトラクター(農業機械)が、緑の畑をぐんぐんこげ茶の大地に変えていっている。

私はまず、緑のトラクターに乗せてもらうことになった。タイヤの直径からして私の身長(164cm)を超えているような乗り物である。乗り込むだけでも一苦労だ。上からチャッドが手を差し伸べてくれて、なんとか運転席の隣に収まった。それにしても大きい。視界が高い。

トラクターが動き出す。車体の揺れからタイヤの下のでこぼこした地面が感じられる。乗り心地はいい。楽しい。とても楽しい。ただ、隣で運転しているチャッドのことが気になる。チャッドとはメキシカンレストランに向かう車中で遭遇してから、一言も言葉を交わしていない。そんな彼と、ふたりきりになってしまった。

(夕食時など、何度か一緒の空間にいたことはあったから)いまさら自己紹介ってのもなぁ。いやでも、きちんと顔を合わせたのはこれが初めてみたいなもんだし。「ハーイ、よろしく」ぐらい、言っておいたほうがいいかな。あれ?でも、よろしくってなんて言ったらいいんだ?・・・。こんなことを考えて、結局自己紹介をしたのかどうかは覚えていない。

覚えているのは、「頼むから何か話しかけてくれ~」と念じてみたが、チャッドはひたすら前を見つめハンドルを握っているだけだったこと。せっかくの仲良くなるチャンスを逃すまいと、必死になって彼に質問してみたこと。

「夏休みの間中ずっと、お父さんを手伝ってるって聞いたけど、あなたはお父さんみたいになりたい(農業がしたい)と思ってるの?」というようなことを、エンジン音に負けないように、なんとか聞いてみた。すると、「うん、なりたい。」という返事。感激して思わず、「ご両親はあなたを誇りに思うでしょうね!」と返すと、「うーん、まぁ父さんはそうかもしれないけど、母さんはなぁ・・・。」とチャッドは少し口ごもった。お母さんは反対こそすれ、いい顔はしないという。理由を尋ねると、この夏(2012年)のその地域の農業の状況を例にとって話してくれた。「ここ数年はコーンがほとんど獲れなくて、全然ダメだったんだ。でも、今年は豊作だよ。それに、ほかの地域が干ばつで獲れないから、値段が上がるんだ。だから今年は本当にラッキーだよ。でも、そんな風に不安定だからさぁ、この仕事は。がんばって働いても、全然お金にならないこともあるし。」と、こんな感じで。

つづく…
by terakoya21 | 2013-06-01 14:26 | アメリカ研修日誌

アメリカ研修日誌 No.4 part 3 (てらこや新聞97号 大学生のコーナーより)

4日目 part 3

ダーリーンさんのご主人が帰ってみえて、チャーリーンさんとダーリーンさんの一番上のお姉さんのご家族(ご主人と、高校生と中学生の娘さん)も揃って、ダーリーンさんお手製の昼食をわいわい囲んだ。大鍋で作られたミートソース スパゲッティーと、オーブンでこんがり焼かれたガーリックトースト、レタスやトマトなどのグリーンサラダがキッチンに並べられ、各自が好きなだけ取って 食べる。どれもとてもおいしかった。中でも、ガーリックトーストは最高だった!チャーリーンさんに作ってもらったものも「美味しい!!」と感動したから、お二人がお母さんから受け継いだレシピによって作られたのかもしれない。デザートのいちごムースも、甘さと酸っぱさがちょうどいい加減でおいしかった。

食後には持参したお菓子をみんなでつついた。亀井先生から「日本のお菓子は結構喜ばれるよ」と教えていただいていたので、お土産選びに苦戦した私はスーツケースをお菓子でいっぱいにして日本から持ってきていた。用意してもらった大皿数枚に、個包装されたお菓子をザーッと盛り、どうぞ、と机の真ん中に置いた。

「・・・。」 うわー、みんな困ってる?(^ ^;) おそらく、初めて見るジャパニーズスナックに「一体あれはなんだ?」「どんな味なのだろう?」と、みんな興味を持ってくれてはいるのだが、口に入れてみる勇気はないといったところだろうか。お皿に手は伸びてくるのだ。だが、伸びてきて帰っていってそのまままた戻ってくる。つまり、お菓子をつかんでパッケージを眺めては、また皿に戻すのだ。

うぅ、手には取ってくれても口に入れるのは厳しいのか(- -;)…と落ち着かない心地でみんなの様子を伺っていると、ひとりが封を切って口に入れ、「うん、悪くない」といった表情を見せた。すると、あちこちでプラスチックの袋をやぶる音が聞こえ、「うん、確かに」「意外といける」というふうに、次々に手が口にも伸び始めた。みんな最初に食べてみる勇気がなかっただけで、食べてはみたかったんだということが見てとれた。今振り返ってみると、「ありがとう!先陣を切ってくれて!」と、誰だか覚えていないその人に感謝したくなる。おそらく、シャーロットかチェイスだったろう。

特にフルーツ味のソフトキャンディーは大人気で、みんな次々と手にとっていた。中には「ぼくはミドリ色(のパッケージ)のが好きかな」というふうに、食べ比べてお気に入りの味を見つけた子もいた。

私から見てみんなの反応が意外だったお菓子は、①棒状のスナック菓子(コーンポタージュ味)、②小豆あんを薄くはさんだビスケット、③ねりあめ、の3品。①は、ポテトチップスやコーンチップス好きのアメリカの人たちには受け入れられやすいだろうと踏んでいたのだが、一口食べるとみんな一様に不思議そうな 顔をして、握ったスナックを見つめるのだった。中には「これはオートミール?」とぼそっとつぶやいた人もいて、「えっ!オートミールではないだろう!!」と、心の中で突っ込みを入れてしまった。

あんこは外国人には不人気だとテレビで見たことがあったので、②はだめだろうなぁと思っていた。日本食が恋しくなったら食べようと、半ば自分用にしようと思っていたくらいだ。ところが、一口食べて「これは無理」というような予想していた反応はなく、手に取った一枚を残さず食べ、もう一枚に手を伸ばす姿を目にすることになった。お母さん方に好評だったようだ。

そしてうれしかったのが③!!派手な色のお菓子が多いアメリカの子どもたちにはすんなり受け入れられるかもしれない、でも、ネチャネチャして気持ち悪がられるかなぁなどと、自分でも吉と出るか凶と出るか予想のつかなかった③。

一通りのお菓子を制覇した子どもたちが「これは何?」と③を手にまじまじと見つめ始めたので、袋から水あめの入ったチューブと割り箸を取り出し、実演してみせた。少し練ってから、「こんな感じで練って、白くなってきたら食べてね」と 手渡すと、彼はしばらく無言で手を動かしてから「もういい?」と私に聞き、それを口に運んだ。

あめを練るのに熱中する姿のあとに、あめを口に入れ 「うん、いける!」という表情をみせた彼の効果は絶大で、彼に続いて、子どもたちはみんな割り箸を手にすることになった。その彼とは、ご存じチェイスである。ねりあめをおもしろがる子どもたちの中でも、特に気に入った様子だった彼は、「今度は自分でやる」と、お母さんにチューブから水あめを出してもらって、二本目のあめを練っていた。真剣な眼差しは割り箸の先の一点に向けられ、箸をくるくると動かし、黙ってあめを練る姿からは、迫力さえ感じられた。彼は本当にかわいらしく、頼もしい男の子だ。

そういえば、ねりあめは割り箸を持ったままチューブから水あめを出さなければいけないので、隣近所で助け合いが起こっていた。みんなこのとき初めて触れることになった日本のお菓子を手にしながら、お互い勝手がわからないままに、隣の友達を手伝っていて、その光景はなんだか笑えた。途中、子どもたちみんなが割り箸に集中している瞬間が訪れて、ダイニングルームが「しーん」となることがあって、そんな子どもたちの姿が微笑ましく、私はとてもうれしくなった。

そんなこんなで無事におわったジャパニーズスナックお披露目会だったが、あとで亀井先生に「まさか駄菓子を持ってくるとは、予想外やったわ~。」と言われ、え!?・・・あ!!となった。実家が駄菓子を扱う商店のため、駄菓子を食べて育ってきた私にとっては、いつの間にか「お菓子=駄菓子」になっていたのだ。先生の勧めてくれたお菓子は、チョコレートやクッキーなどの正統派のお菓子(?)だったのに・・・。

「国が違えば文化は違い、家が違っても文化は違う」と、思わぬところでもカルチャーショックを受けた一日だった。

アメリカ研修日誌 4日目 part 1

アメリカ研修日誌 4日目 part 2
by terakoya21 | 2013-05-07 09:20 | アメリカ研修日誌

アメリカ研修日誌 No.4 part 2 (てらこや新聞97号 大学生のコーナーより)

4日目 part 2

彼らがリビングルームで遊んでいたときのことだ。チェイスが小さな亀の甲羅のようなもの(キルト製か?)に紐がついたのを、甲羅が背中にくるように胴体にくくり付け、床に両手と両膝をついて四つん這いの恰好になった。何が始まるのかと思ってみていると、背中の甲羅の部分にこの家の次男くんが乗っかった。そして長男くんが、弟の肩や背中を軽く支えて落ちないようにする。「準備できた?」という感じでチェイスが背中を見遣り、ゆっくりと前進し始めた。あぁ、あの遊びか!私も幼い頃に乗せてもらったり、馬役をやったことがあるある!と思うも束の間、チェイスが急に肩やお尻を突き上げるようにしてピョコピョコと跳ね始めた。

・・・。わたしの知っている馬乗り遊びでは、馬役が上に乗っている子を落とさないようにそーっと歩き回り、乗っている子が喜ぶと少し揺らしたりする程度だったはずだ。だが、今目の前で行われている馬乗り遊びは、馬が跳ねている・・・そうか、これはただの馬乗りではない!ロデオなんだ!!この発見は私にとってかなりの驚きだった。(この驚きについては、また後の回で詳しく書くことになると思います。)

ロデオは牛や馬を使った北アメリカ発祥の伝統的なスポーツで、有名な大会の開催地でもあるテキサスでは盛んに行われているらしい。だから、ここの子どもたちにとってロデオは身近なもので、今までに何度か見に行ったことが あるのだろう。彼らはそれを自分たちの遊びに取り入れていたのだ。

チェイスは4、5回次男くんを乗せて暴れまわったあと、「ちょっと休憩」と(甲羅に見えた)鞍をはずした。今度は長男くんが弟を乗せ、動き始める。弟くんは楽しそうに笑っている。落っこちそうになると周りの子どもたちが手を出し、馬役のお兄ちゃんも体勢を立て直し、またスタートする。

突然、威勢のいい声が響いてきた。声のするほうを見ると、リビングを見下ろせる階段の柵の間から、チェイスがまくし立てている。口元に近づけられた手は、マイクを持つように握られている。どうやらチェイスは、馬役から実況中継役に 転身したようだ。なるほどな、と思わず笑ってしまった。

ロデオを生で見たことのない私だったが、この時まさにロデオの会場にいるような気になっていた。リビングで遊ぶ彼らの姿が、いつかテレビで見たことのあるロデオ場の雰囲気を思い起こさせた。会場には暴れ馬や暴れ牛と、それらを乗りこなすカウボーイたちがいて、カウボーイハットをかぶったおじさんが、会場をよく見渡せるであろう高いところから、試合の状況を勢いよく伝えている。

子どもたちの観察眼(目の付け所)と、何でも遊びに変えてしまう能力に、「子どもってやっぱりすばらしい!!」と思わされた出来事だった。


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アメリカ研修日誌 No. 4 part 1
by terakoya21 | 2013-05-06 09:39 | アメリカ研修日誌

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