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カテゴリ:Bonjour( 133 )

Bonjour! (てらこや新聞164-167号 谷のコーナーより)

ふつおた

「ふつおた」とは、主にラジオ番組でリスナーから送られてくる、特定のコーナー宛てではない、「普通のお便り」のことを指すそうだ。パーソナリティーへの質問、最近起こった珍事や惨事、ふと思い出したり考えたりしたことなど、その内容は多様だ。中には、親しくない誰かにしかできない打ち明け話、面識のない誰かだからこそ聞いてほしい悩み事もある。そういった話が出てくるのは、顔もプロフィールも知られずにすむラジオならではだと思う。

ふつおたは、テーマがないことがテーマだ。それゆえに、どの番組でも比較的さらりと読まれることが多い。しかし、それを簡潔な文章にまとめるのは決して簡単ではない。ときには、ふつおたから話が思わぬ方向へ進んだり、大きな議論を巻き起こしたり、一つのコーナーが誕生してしまうこともある。相手の顔が見えても見えなくても、何気ない日常の題名のない話が盛り上がるかどうかは、話し手や聞き手の技量と資質によるところが大きい。そんなふうに構えてしまう私にとって、「ふつおた」はとても普通には送れそうにない。


by terakoya21 | 2019-05-06 08:30 | Bonjour

Bonjour! (てらこや新聞164-167号 谷のコーナーより)

By postcard

年賀状を出しそびれた方へ返信を出そう出そうと思いつつ、出せないまま今日を迎えている。できれば寒中見舞いとして近況報告を添えようと考えていたのに、すっかりタイミングを逃してしまった。

数年前から、雑貨店や文具店ではずいぶんと多種多様な付箋やメッセージカードを見かけるようになった。その一方で、便箋や絵はがきのバリエーションは減っている印象を受ける。手紙やはがきで通信しあう習慣が廃れつつある証拠といえるかもしれない。絵はがきのコーナーには、「アニメキャラクター」や「ネコ」や「桜」といった流行りや定番ものがコーナーの大部分を占めている。また、季節を問わないイラストや写真には祝いや励ましの言葉が添えられている。以前のように飾っておきたくなるものや久々に便りを出すような場面に適した絵はがきは、年々手に入れるのが難しくなっているようだ。

特にこの数週間は、ここなら……と淡い期待を抱いてお店に入っては、ため息をつきながらお店をあとにしている。自分が必要たど思うものと世間のそれとがずれているのに気づいたとき、時代に取り残されたような寂しい気分になる。しかし、嘆いていても仕方がない。これからは見つけられればラッキーだと思うことにして、探すこと自体を楽しんでいこう。


by terakoya21 | 2019-05-03 08:30 | Bonjour

Bonjour! (てらこや新聞164-167号 谷のコーナーより)

初期化

数か月前、スマホを初期化した。……いや、初期化せざるをえなくなった。幸い、いくらかバックアップがとってあり、知り合いの連絡先情報はほとんど失わずに済んだ。

スマホを使い始めて3年半が過ぎた。スマホを使うたびに、私自身の処理能力とは無関係にデータは溜まっていく。初期化と同時に、それまで蓄積されていたデータは消え、空き容量が増えた。中にはできれば残しておきたかった記録や画像もあった。しかし、これを機に、今までの使い方を見直すことにした。アプリはより使い勝手のよいものを選び、バックアップしているデータも整理した。

時の流れとともに、私自身の生活習慣も変化している。身の回りのさまざまなものについて、本当に要るのか、残しておくのか、基準を改めるときなのかもしれない。初期化はできなくても、スマホのように私の動作も少しは改善されることを期待して。


by terakoya21 | 2019-05-01 08:30 | Bonjour

Bonjour! (てらこや新聞164-167号 谷のコーナーより)

I love it!!!


月に3、4回、3歳の甥っ子と顔を合わす。習得したての言葉や行動に周りの大人は驚いたり笑ったり、我が家に明るい話題を提供してくれている。最近、叔母さんは優しくないとわかり始めたようだ。それでも、上機嫌のときは「おばちゃん、遊ぼう!」と笑顔でかけ寄ってくる。そして、その度に私は毎日続いていく育児の大変さを教えられている。


ある日、甥っ子が目についたおもちゃを次々と手に取って「ママ、これ大好き?」と母親である義姉を質問攻めしていた。このほほえましい光景を見ながら、好きなものについて考えた。好きな食べ物、好きな動物、好きな本……お気に入りならいくつもあるが、大がつくほど好きかと問われれば、そこまでではない気がする。私が大好きと躊躇なく言えるのは一体何だろう。


おそらく、甥っ子は「『好き』と『好きじゃない』」を「『大好き』と『好きじゃない』」と認識している。彼の大好きなものは会うたびに変わっていて、なかなか手放さなそうとしなかったおもちゃでも、数日後には見向きもしなくなることなど珍しくはないようだ。年々フットワークが重くなっている私には、その身軽さがときに羨ましく思う。そして、テンポよく相手をしてくれない 叔母さんが「これ大好き?」と尋ねられる心配はなさそうで少し安心している。






by terakoya21 | 2019-04-21 08:30 | Bonjour

Bonjour! (てらこや新聞159-163号 秋・冬号 谷のコーナーより)

Voice Recording

お盆休み、英会話スキットの音声録音に取り組んだ。日頃お世話になっている方から、自身の再勉強のためにとお願いされていたのだ。あまり深く考える間もなく、お引き受けし、その場で茶道を紹介する英会話集一冊とボイスレコーダーを託された。

後日あらためて会話集に目を通すと、茶道に関する言葉を英語でどのように言えばよいか、またどのように説明すればよいかが書かれていて、興味深い内容だった。しかし、その一方で日本語にも英語にも、言い慣れていない言葉や発音のわからない言葉がいくつも含まれていた。さらに、英語の発音以前に発声そのものにも注意を払わなければならないこと、初めて使うレコーダーでの録音には結構な時間を要しそうなことがわかった。そこで初めて、大きな宿題をもらってしまったことに気づいた。作業としては、掲載されている英単語や英文とそれに対応している日本語を交互に読み上げていくのだが、そもそも、留守番電話にメッセージを残すことすら苦手な私にとって、音声録音はかなり難しいことに思えた。

それ以来、会話集はすぐ手の届くところに置いていても、提出期限が定められていなかったのをいいことに、レコーダーにはなかなか手を伸ばせずにいた。今日こそは終わらせるぞ!と、気合いを入れて臨んだ録音当日、一人で部屋にこもって作業を始めると、使い慣れない器械と言葉のせいか、手にじんわりと汗をかいた。作業自体は、意外と順調に進み、後半になると緊張がゆるみ集中力が切れ始め前に何とか終わらせることができた。

その後お会いした際には、早速に毎日聞いて 勉強していて、外国人旅行者との会話で実践してみたとの報告をいただいた。その姿に、相手に伝えたいことがあり、それを持つ人こそ道具として英語を使えるのだと教えられた。


by terakoya21 | 2019-01-13 08:30 | Bonjour

Bonjour! (てらこや新聞159-163号 秋・冬号 谷のコーナーより)





月三


寺子屋かめいのブログ『てらこや新聞』は、毎日更新されている。私は、2013年には日付に  3のつく日、2014年には4のつく日、というぐあいで月に三回だけ書き込みをしている。そして、20181228日の更新を無事に終えれば、その担当を六年間務めたことになる。


2012年のある日、私もブログ更新ができるようになれば、授業以外の仕事を少しでも分担できるのではないかと思いついた。しかし、思いついてみたものの、実行に移したところで、私には毎日の更新などとても務められそうになかった。毎日どころか週1回でも難しそうだ……そう考えていたときに私の耳へ入ってきたのが「3のつく日はラッキーデー」という趣旨のパチンコ屋のラジオCMだった。そのお気楽なCMソングのせいか、月に三日ならできそうな気分になった私は、1228日の大掃除後に申し出て、翌年の13日かにブログデビューを果たした。


しかし、新しい習慣が定着するまでには、思っていたよりも時間がかかった。始めた当初には、手帳の更新予定日にマークをつけても、そのマークの意味すら思い出せないことがたびたびあった。今もなお、更新日から更新日予定日までの九日間は気づかぬうちに過ぎる。すっかり失念していて翌日の更新になっているのは、ブログを閲覧してくださっている方ならご存知の通りだろう。


月三回ということは、一年間では36回、六年間では216回になる。このコーナー以上に、とりとめのない内容ばかりだとは思いつつ、更新回数を見るとそれなりの達成感を覚える。この「継続」もきっと何かしらの力になっていると信じている。






by terakoya21 | 2019-01-07 08:30 | Bonjour

Bonjour! (てらこや新聞159-163号 谷のコーナーより)

サッカー解説

この夏、2018FIFAワールドカップロシア大会が開催された。オリンピックもワールドカップも、テレビで放送されていればそれなりに観戦する。時差の都合上、深夜のライブ放送が続いたため、特別番組やスポーツ番組で試合結果とハイライトを見ることが多かった。唯一、キックオフから終了のホイッスルが鳴るまで通して見たのは、 1次リーグ日本対セネガル戦の前半だ。副音声でも放送されるとの宣伝を見て興味を持ち、試しに聞いてみた。すると、主音声のときとは全く別の試合を見ているかのような不思議な感覚に陥った。

元球児キャスターと元日本代表監督の二人が、試合を見ながら楽しそうに話をしていた。元代表監督ならではの選手たちのエピソード、対戦チームについての分析、サッカー界の現状……その話題は多岐にわたっていたが、その雰囲気はまるで小さな居酒屋の常連客2人がお酒を片手にテレビを見ながらお喋りしていて、自分はその傍らにそっと聞き耳を立てている気分になった。

画面に映し出されている試合は淡々と進んでいる印象を受けた。そうは言っても、試合の行方を左右するような要所は逃すことなくコメントが入る。二人のトークは決して語りすぎることも熱くなりすぎることもなかったが、その静かな語り口からサッカーがどれほど面白い競技であるか、また代表チームの力を信頼し期待を寄せているかは十分伝わってきた。

ボールを持っていない選手の動きを見れば、 それぞれのチームの戦略や選手の巧みさがわかるのだという。サッカーに疎い私はついボールの行き先を追いかけてしまい、主音声ならゴール際のプレーに一喜一憂していたのかもしれない。 今まで気づかなかったサッカーという競技のおもしろさを知ることができた。結果的に私自身は睡魔に負けて、前半終了とともにリタイアしてしまったが、できることなら今度は、あの二人の副音声を聞きながら試合終了のホイッスルまでしっかり見届けたい。




by terakoya21 | 2018-12-31 08:30 | Bonjour

Bonjour!(てらこや新聞159-163号 秋・冬号 谷のコーナーより)

ながら○○

ながらスマホ――この言葉をよく聞くようになり、その光景をよく目にするようになった。 その時その場でスマホを使う理由がそれぞれにあるのだろう。今のうちに済ませておきたい連絡があるのかもしれないし、騒がしい喧騒から逃れたいのかもしれない。はたまた、仕事や勉強の 時間を過ごしているのかもしれない。

例えば電車での移動中、近くで交わされる会話や目に映る光景は、なんとなく見聞きしながら時には見えないふり聞こえないふりをする。昔も今も変わらず、それがマナーだと思っている。だからこそ、公共の場で過ごすときは、お互いに気持ち良く過ごすために配慮が必要なのだと思う。それは自分と他人が同じ空間を共有している意識を失わないことでもある。自分の世界に入り込んで周囲の気配を感じないのと同じとは思えない。

「ながら○○」は、 スマホに限ったことではない。「女性には同時に二つ以上のことができる人が多い」とどこかで耳にしたことがあるが、私自身は一つのことですらきちんとこなせない時がある。もし、片方に気を取られ、もう一方がおろそかにならないならば、なんと効率的だろう。ときどき、「ながら添削」や「ながらエッセイ」できるほどの技量や思考力を備えていたら……などと妄想しながら、今日も問題集やパソコン画面と向き合っている。



by terakoya21 | 2018-12-23 08:30 | Bonjour

Bonjour!(てらこや新聞159-163号 秋・冬号 谷のコーナーより)

日焼け

この夏も、日に焼けてしまった。旅行やレジャーに出かけたのなら、日焼けもお土産の一つに入るだろう。皮がむけるほどなら、それも夏の思い出になる。しかし、残念ながらそうではない。日々の対策を怠って、肌色がワントーン濃くなったのだ。

世の中には日焼けが似合う人と似合わない人がいて、私は後者だ。色白というわけではないが、強い日差しや汗の影響で肌荒れが起こりやすい。そのせいか、日焼け止めクリームを持ち始めたのは同級生より早かったのかもしれない。全身真っ黒になっていたのは、小学六年生の夏までだ。それ以降はインドアスポーツに励んでいたこともあり、 ヒリヒリと赤くなった後に黒くなる日焼けは避けられなかった場合に限られている。

夏の終わりのお風呂上り、あまり日焼けしないももの内側に、年中日焼けしている右手をあてて、その色の差をまじまじと見つめる時がある。二十代の頃はこまめに日焼け止めを塗り直していたが、今はあの頃のようなストイックさはない。だからしかたがないと開き直りたい気持ちと、だからといって開き直ってはいけないという気持ちがせめぎ合いをする。日焼けなど気にせず夏を満喫したとは言いがたい感じを、私の肌色はよく表している。


by terakoya21 | 2018-12-10 08:30 | Bonjour

Bonjour! (てらこや新聞147-149号 谷のコーナーより)

夏休みの宿題

小学生の頃、夏休みの宿題といえば『夏休みの友』だった。同郷の同世代なら 「何が『友』やねん……」とつぶやいた経験のない人のほうが少ないだろう。しかし、この話が通じる世代と通じない世代、通じる地域と通じない地域があると知ったのは、この仕事を始めてから数年後のことだ。現役寺子屋生の話によれば、今は『なつっこ』や『サマースキル』という名の問題集が渡されているそうだ。

寺子屋では、夏休みが近づくとどんな宿題が出されているのかを、八月に入るとどれくらい進んでいるかを、そしてお盆明けにはすべて終わらせたかを、生徒たちは毎回のように尋ねられる。早々と終わらせて暇を持て余している生徒もいれば、読書感想文や自由研究に頭を悩ませている生徒、今年も計画倒れに終わりそうな生徒もいる。

私はというと、当時は真面目な生徒だったはずだが、今はどうだろう。『てらこや新聞』の創刊以来、エッセイ原稿は毎月の提出課題となっている。締切り前に余裕を持って仕上げられていたのは、いったい何号前のことだろうか。お盆休みの最終日に課題が進まないことさえもエッセイのネタにする荒業を使うようになったのは、果たして成長と呼べるのだろうか。



by terakoya21 | 2017-11-06 08:30 | Bonjour

英語塾の寺子屋かめいの元気を発信します


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