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2019年 04月 22日 ( 1 )

寺子屋の日々 ~Days in Terakoya~ (てらこや新聞164-167号 亀井のコーナーより)

~ Spring is around the corner. ~

~ 春がやってくる ~

今年も、高校3年生の正規授業のすべての過程が終了した。春がやってくるのだ。きっと毎年言っているのだろうけれど、今年の高校3年生は格別だった。自分たちの意見を持った素敵な女子、そして考える力を持った優しい男子がそろっていた。

中でも、印象的だったお話を1つ。

英検にも英作文が採り入れられ、大学入試の英作文の課題にも短くても自由英作文が増えている。そんな中、1人の男子生徒が持ってきた英作文の課題―

「エレベーターに閉じ込められることになって、1人だけ一緒に閉じ込められる人を選べるとすれば、あなたは誰を選びますか。その理由2つとともに書きなさい。」

私が真っ先に思いついたのは、その時間を一緒に過ごして、不安をかき消してくれる人だった。

けれど、彼の同級生女子は違っていた。

「自衛隊員」か「大物の権力者」

―理由は、私のようにいつかは誰かが助けてくれることを前提とし、閉じ込められる時間の不安の払しょくではなく、自衛隊なら自力で脱出する方法を知っているだろうから、そして、大物の権力者が一緒に閉じ込められたら周りの動きが迅速になって早く出られるはずだから・・・だった。 笑

授業後、谷さんにも同じ質問をしてみたところ、彼女も女子生徒と同じ発想をしたことに、私は衝撃を受けた。

そして、谷さんはこう分析するー

「先生は、まず誰でも信じて受け入れることから始めるけれど、私はそうではないから。」と。

私は、実際に「エレベーターに閉じ込められる」経験をしたことがあるけれど、そのときも、そのうち誰かが助けてくれることを信じて疑わなかった。高校生で、仲間が大勢いたからということも大きいけれど、自力で脱出しようなどという考えは微塵も思い浮かばなかった。

そして、谷さんの言っていることはおそらく正しいー私は、とにかく誰でも、まず信じることから始める。自分を信じてほしければ、相手を信じることから始める。自分を愛してほしければ、相手を愛することから始めるのが、私の処世術である。

一方で、私は、女性であることを渋々でも受け入れて、折り合いをつけて生きてきた。そして、自分のできることを知っている。それは、同時に自分のできないこともわかっている。だから、今、自分のあるべき姿に何も感じないわけではないけれど、飽き足らずも納得して生きていくことを知っている。自分の分相応―を基準として生きていくことを教えられている。

「自立する」ことを、私は、人に頼り頼られる人になることだと信じている。頼るばかりではダメなのは当たり前だけれど、人に頼られるばかりでもダメなのだ。頼り、頼られる「お互い様」であることが「自立」の第一歩だ。一方で、頼らないし、頼られない人を自立しているとは思わない。それは「孤立している」というのだ。

だから、私は、おそらく時代の差が大きくて、考え方の差があるけれど、谷さんも高3女子も、自分の分相応を知りながら、自立した女性たちだと感心した。彼女らは、自分たちなりに外に出ることを考えながら、自分に足りない力は人の力を借りることを考えられる人だと思う。

思いがけず、「英作文の課題」は、心理テストになってしまっていた。

Y.K


*てらこや新聞164-167号は2019年3月15日に発行されています。


by terakoya21 | 2019-04-22 08:30 | 新聞164-167号

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