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あとがき (てらこや新聞39号 亀井先生のコーナーより)

先日、高校時代の友人と昼食に出かけました。それぞれ、2人か3人の子を持つ友人3人と独身の私での食事・・・思いがけず楽しいものでした。

こういう言い方は、非難を受けるのかもしれませんが、女性には、男性と違い「賞味期限」のような期限があります。そのことに30歳になった頃に気がついた私は、殊に33歳を越えてから子どもを持つ友人と会うのが内心億劫になっていました。35歳を越えてからは苦痛にも思えるほどでした。子どもと毎日のように接して、子どもたちの将来を案じ、できることをコツコツと続けてきたつもりでしたが、やはり、子どもを持つ女性たちは、二言目には「あなたには子どもがいないから」という・・・。私が日本社会で仕事をしたくないと思うとしたら、男性による差別より、女性による差別が原因だとこの仕事を始めてから痛感しています。

以前、参加した松阪市の「女性議会」というイベントの反省会で、ある代表の女性がおっしゃったことが今でも私の胸を痛めます。「女性は、結婚し、子どもを産み、子育てをする。だから、男性とは違う貴重な意見を持っている」。この言葉が、「男女共同参画」のプロジェクトを推進している方から出たということに、当時30歳になったばかりの私は衝撃を受けました。そして、私は「これからの結婚、出産、子育てを否定してはいないものの、結婚はともかくも、女性であれば誰でも出産ができるわけではないことを忘れないで下さい。女性の意見は、結婚、出産、子育てを経験するから貴重であるという意見なら、私の意見は男性の意見です。そのような考えで行われる女性の集まりに、私は意義を見出せません。」と意見を述べました。その後、松阪市の女性の集まりに、私が呼ばれることはなくなりました。

そして、最近、私はいろいろな事情から、結婚も出産も9割がた諦めました(9割です(~_~;) まだ1割は諦めていません(~_~;))。そうしたら・・・今まで以上に子どもたちがいとおしく、自分の進むべき道が少しはっきりと見えるようになったと思います。そして、この友人たちとの再会が、とても楽しいものとなったのも、自分の肩の荷をおろしたからではないかと思いました。彼女たちの目の前の子どもたちへの悩みが前より理解できる気がする、そして、昔から私が得意だった、階段を一段、一段昇るように、目標を定めていくことを・・・これからも続けたいと思いを新たにしました。

さて、上述の「賞味期限」ですが、私は、女性それぞれが、自分の子どもを産むだけではなく、健全に育てる自信が持てる期間は限られていると思っています。そして、その自信がなくなれば、その期限は過ぎたものだと思います。私はおそらく、その期日をもう越えようとしているのだとも。「男女共同参画」やら「男女平等」と言いますが・・・男性でも女性でもその人がそのときできることを精一杯できる社会が平等であり、その中に男女の区切りはありません。少子化は確かに問題ですが、だからと言って、子どもの世話ができない人まで子どもを産むことも問題です。そして、学校の先生や近所の人の中に、子どもを産むことが無理でも、育てる努力や協力を惜しまずできる人々もいるのです。子どもは社会の鏡であり、宝です。社会で産み、育てる・・・それが健全に行われる社会なら・・・少子化はおのずと改善されていくと思います。

温暖化と私たちの職種の影響で・・・季節の移り変わりを、毎朝ジョニーとの散歩で触れる自然の彩りよりも、子どもたちとの出会いや、彼らの学校行事で感じるようになって久しいのですが、今月は、特にそんな思いを漠然と持っているときに出会った高校生はもちろん、今回久々に会った高校時代の友人たちに・・・今までの人と環境との出会いに私は本当に恵まれて育ったことを思い知らされる1ヶ月となりました。

少しずつ、自分のできることをコツコツと・・・これからも続けていこうと思っています。

さて、いつものように最後になりましたが、連載の皆さん、今回も期日に間に合わせていただき、ありがとうございました。月末か月初めに必ず届くようになった下西さんからのお手紙に1ヶ月の長さと速さを感じさせられています。そして、なんだかんだと遅れながらも「やめる」とは言わない山岸君と、急遽海外出張でバタバタしても原稿を送ってくれる小野君の友情に感謝したいと思います。もちろん、寺子屋の皆さんにも(^_^)。これからもよろしくお願いします。

(Y.K)
by terakoya21 | 2008-07-22 22:26 | あとがき

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