人気ブログランキング | 話題のタグを見る

あとがき (てらこや新聞2021年2月号より)

*てらこや新聞2021年2月号は 2021年2月10日に発行されています。


Startwhere you are. Use what you have. Do what you can. 今、いるところから始め、持っているものを使い、できることをしなさい。

アーサー・アッシュの言葉です。

2021年が始まりました。

寺子屋かめいの今年のモットーは「原点回帰Think Globally, Act Locally.」にしました。原点に立ち返り、寺子屋かめいは、「進学塾」ではなく、「英語塾」であり、「学習塾」であることを確認しながら、歩を進めたいと思っています。

成績や受験のために、傾向と対策を教える塾ではなく、私たちは、子どもたちが自分たちで傾向と対策を考えて人生の岐路に立ち向かい、一生学んでいく土台を作るお手伝いをしながら、その一方で、寺子屋という場所は彼らを支える居場所としての学び舎でありたいと願っています。

新型コロナウイルスへの対応の影響か、なかなか生徒たちから小学校の英語の授業の様子がまだ見えてこないのですが、グローバル化に対応し、世界で勝負できるようにと、英語の小学校での教科化が今年度から正式に始まりました。

それでも、私たちは、グローバル化に伴って世界で勝負できる人が、英語教育をどんどんと前倒しにすることで育つとは思っていません。英語より、先に母語、そして母国のことを知ることのほうが、世界で生きていく上で大切であることを自らの経験からも知っているからです。

そして、私は、21年ほど前「読み・書き・そろばんが英語でもできる子たちが育つ塾を」という願いを込めて「寺子屋かめい」を開校しました。

けれども、すぐに、日本語でも、きちんと読み・書き・そろばんのできない子どもたち―というか、高校生の多さに驚きました。当時、2年半弱の2度目のアメリカ留学から帰国してから1年半ほどで、日本語に不自由さを感じていた私ですら、驚くほど日本語や日本、世界に対する知識の少ない高校生に愕然としました。

母語ですらきちんと使えず、知識を蓄えていけない人が外国語を習得できるはずがないのに―

当時、松阪で一番優秀な子たちが集まるといわれていた高校の2年生たちの90分の授業で、私の板書は、英語ではなく、すべて漢字だったり、仮主語のitを「それ」と訳す3年生に、「それ」と訳すからには、「それとは何ですか」と聞いて、なかなか出てこなかったので、仮主語だと伝えると、「答えがない質問をしないでください!」と逆切れされたり・・・なかなか、そのときは、びっくりだけれど、あとからは、もう笑ってしまうしかない出来事がたくさんありました。

それが、開校12年での出来事で、寺子屋かめいの「英語塾」としての迷走の始まりです。

算数・読書のクラスが始まり、いつしか読書は国語に代わり、今では、社会・理科もご要望に合わせますし、作文講座を今年度から始めています。

次は、読解力――に手を出したい・・・なんて思うことも多々。今年は高校1年生の数学の苦手な生徒たちの冬期講習に「定義」や「定理」をノートに写し、必要なら図形なども書き、理解したら、講師に理解したことを話し、わかってもらえたら次に進む―という授業をしてみました。そして、やはり、数学が苦手だとか、英語が苦手だとか、勉強が嫌いだとかいう次元の話ではないことに気が付きました。

寺子屋かめいは36日に21歳を迎えます。2020年度が改革元年かと考えていましたが、改革準備年となってしまった感が大きいので、2021年度を改革元年として、様々な取り組みをしていきたいと考えています。今いるところから、持っているものを使いできることをしたいと思っています。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

最後になりましたが、連載の皆さん、今回も 原稿をお送りいただきありがとうございます。高校生の課題作文を書いてくれたHくんありがとうそして、読者の皆さん、最後までお読みいただいてありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

(Y.K)



by terakoya21 | 2021-04-26 08:30 | あとがき

英語塾の寺子屋かめいの元気を発信します


by terakoya21