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あとがき (てらこや新聞 2020年10月号より)

*てらこや新聞2020年10月号は2020年10月15日に発行されています。


Do what you feel in your heart to be right - for you'll be criticized anyway.

あなたが心で正しいと感じることをしなさい、どのみち批判をされるのだから

エレノア・ルーズベルトの言葉です。

 私は、高校2年生だった19888月末から翌年の6月末までアメリカのテキサス州シュレンバーグという当時人口2,400人ほどの村で交換留学生として過ごしました。

 この10か月の経験は「将来父の塾を継ぎ、塾の英語の先生になる」という、とても単純な私の夢を「松阪をアメリカの小さな村のように外国人の少女を温かく迎え入れ、その少女が一生好きでいてくれるような街にするために父の塾を継ぎたい」というあまり多くの人には理解してもらえないかもしれない少し複雑な夢に変えました。

 アメリカのテキサス州というところは、全米で人口ではカリフォルニア州に次いで、面積はアラスカ州に次いで2位という大きな州ですが、メキシコから独立後、自らの意志でアメリカ合衆国に加入したという歴史から、かなり独立心の強い人々が住んでいる州です。そして、大きな州には、牛の数のほうが人口より多いと思われる町や村がたくさんあります。

 私にとってのアメリカは、そんな場所から始まりました。

いろいろと話題というか問題の多い2020年ですが―11月にはそのアメリカの大統領選が行われる予定です。その選挙についての報道を日本のニュースで見ていると、私のテキサスの友人たちのFBなどで見聞きしている印象と、かなり違うことに、2016年同様、少し戸惑いがあります。多くのメディアや都会の…というか都市生活が文明社会の基本だと思っているようである人々の学ばない姿勢が浮き彫りになっているように感じるからです。

私は、4年前、トランプ氏の当選は、都市部の人々の地方への不理解と軽視、そして、地方の人々のプライドの表れのような気がして、アメリカ人でなくてよかったと強く思いながらも(笑)、アメリカ人たち-地方のアメリカの基盤を作っていると自負している人々の叫びを聞いているように思い、やっぱり「アメリカはすごいな」と感心したのを覚えています。同時に、日本で他人事のように語られ、深く考えず3億人以上が住む国の大統領を鼻で笑う人の多さに、恐ろしさを感じています。

私は、国は大きな都市ではなく、地方で成り立っていることを16歳に初めて訪れた「テキサス」の地で、地に足をつけて生活をする人々の強さと優しさから改めて教えられたように思っています。そして、東京に住み、東京の住民もほとんどが地方出身であり、生粋の江戸っ子になんてほとんど出会わないことに、学生時代4年間住んでみて、そこは私の安住の地ではないことを思い知りました。

私は、アメリカの大学院では、公共政策学部の「都市・地域計画」学科で学びました。講義で、世界化は地域化とともにあることに言及されたとき、にんまりとした私は、自らの進む道に改めて確信をもちました。

 現在、新型コロナウィルス対策をしながら、そんなことを思い出し、考えることが増えています。

原点に戻ろう! 初心に帰ろう!

 もともと、20周年に向けて、ここ何年か、寺子屋では、いろいろな改革を実行していました。50歳を目前に、いつまでも若いころのように私が動き回り、私が考える体制を、次の世代にバトンを渡すためにも変えていかなければならないと考え、2016年、2018年、2回に分けて入塾受け入れ態勢を変更し、2019年、複数人の理系アシスタントが加わり、それと同時に谷さんの結婚話が動き始めました。私がアメリカで初めてのONE OK ROCKのライブに現を抜かしている間に()。そして、彼女は年末には結婚、この春から新生活が始まっています。

 

 私は、この塾を始めるとき、竹川さんと「女性がどんなライフステージでも気持ちよく働ける環境を作ること」を目標の1つに掲げています。そして、「女は思い込みと思い切りが大切」を合言葉()20年走り続けてきました。21年目に入ったとたんに、未知のウィルスに思いがけない形で、振り回されていますが、やはり、私はこの塾をどのような思いで作りたかったのか、そして、これからどのような塾にしていきたいのかをじっくりと考えたうえで、今できることを続けたいと思っています。

 さて、長いあとがきの最後になってしまいましたが、原稿を送ってくださった皆さん、ありがとうございます。今回は、川戸さんにお願いして、現在の私のイチオシ講座である「作文講座」について書いていただきました。また、下西さんが「宇治だより」を送ってくださり、前回とは内容がガラッと変わっていますが、大学生のエッセーも続いています。本当に感謝しています。

 そして、最後までお読みいただいた読者の皆さんも、本当にありがとうございます。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。


by terakoya21 | 2020-12-31 08:30 | あとがき

英語塾の寺子屋かめいの元気を発信します


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