BROADアイ (てらこや新聞143-144号 小野さんのコーナーより)
2017年 05月 04日
フェイクニュース
今年の流行語になりそうなこの言葉「フェイクニュース」(偽のニュース)。
火をつけたのはアメリカのトランプ大統領です。CNNやニューヨークタイムズなどのメディアはウソばかり流していると批判する時の決まり文句です。自分もウソをついているのに平然としたものです。振り回されるのは新聞読者やテレビ視聴者。もう何を信じていいかわからないですね。
かつてニュースは、新聞社やテレビ局のプロの記者がお伝えするものとして一定の信頼を得ていました。誤りも多いですが誤った場合は訂正します。そのニュースの舞台がインターネットに移りました。多くの人がネットでニュースを見るため、新聞社やテレビ局は自社ニュースをネットにも掲載します。ところがネットは誰もが情報を発信できる場でもあるので、出所不明な情報や間違っていても訂正されることのない有象無象のニュースも出回り、ウソとホントが混在するようになりました。
皮肉なことに、テレビ局自身が情報収集をネットに頼るようにもなりました。もはや現場に行ってカメラに収めたものだけがニュースでなく、一般の人がスマホで撮りネットに掲載したものをテレビ局が許可を得て放送に使うのです。映像が本物かどうかを判断するのが大変です。例えばテロ事件が起きて、あたかもその場にいた人が「爆発の瞬間」として掲載したかのような映像が、じつは関係ない過去の事件の映像だったとか、合成画像だったとかいうこともあります。まんまと騙されるケースも…。
インターネット時代の「ウソかホントか」論争。トランプ大統領はいいところ突いているんです。