人気ブログランキング |

Bonjour! (てらこや新聞131号 谷のコーナーより)

PHOTOGRAPHY

カメラ機能付きのケータイやスマホが当たり前となったためか、旅行先でさえカメラを持ち歩くことはめっきり減った。しかし、10代の頃は一眼レフのフィルム式カメラで写真を撮るのが好きだった。父からしぼりや半押しの技術を教えてもらった時には、すぐに試したい衝動に駆られて、庭の草花や近所の風景をいろいろと試しながら撮っていたのを覚えている。重量感のあるカメラを構えレンズをのぞきこむ感覚は、軽量化と大画面化の進んだデジカメでは味わえないものかもしれない。

私のような素人にとって、フィルム式とデジタル式との決定的な違いは、その場ですぐに見られるか否かだ。フィルム式を使っていた頃、まずはフィルムの枚数がいっぱいになるまで、そして写真屋へ現像に出して受け取るまで、どんな写真になっているのかという期待と不安が入り混じった気持ちになっていたものだが、それも今では懐かしく思える。ときには、現像されてくるまでどこで何を撮ったのかもすっかり忘れてしまい、できあがった写真で話に花を咲かせたことも少なくなかったように思う。

その上、人物写真には、風景写真とは異なる趣がある。人物が満面の笑みを浮かべているもの、恥ずかしそうにうつむいているもの、涙を流しているもの……中には撮られていることに気づいていないものもある。当時はわずらわしく思えた集合写真、肩も顔も硬直したままの証明写真、 何気ない日常のスナップ写真、どれもが、二度とは戻ってこないその瞬間を切り取っている。それがなければとっくに忘れていたような出来事の回想やどんなに願ってももう会えなくなった人との再会さえ、一枚の写真は可能にしてしまう。

だれでも気軽にカメラ撮影できるようになったからこそ、レンズを向ける先をしっかりと見つめてシャッターを切りたい。
by terakoya21 | 2016-04-24 08:30 | Bonjour

英語塾の寺子屋かめいの元気を発信します


by terakoya21
プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る