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あとがき (てらこや新聞125号 より)

*てらこや新聞125号は2015年8月20日に発行されました。

「てらこや新聞」125号です。2015年8月号です。

お盆休みに、「日本のいちばん長い日」という映画を見に行ってきました。今年は、戦後70年の節目の年で、また、集団的自衛権についての法案の話題など、「戦争」について考える機会が多くあるように思いますが、幼いころから日本での戦争のとりあげられ方に違和感を持ってきた私にとって、この映画は、とてもしっくり来る、また考えさせられる映画でした。

私は、高校留学時に、「真珠湾攻撃」について、アメリカ人のクラスメートに責められたことがあります。また、高校時代のクラスメートの夫が、第一次湾岸戦争に行き、帰国後精神を病んだことをしばらくして知りました。そして、わが父は、戦争に青春を奪われ、「価値観」を下の世代に伝えることのむずかしさに死ぬまで苦しんでいました。

It is far easier to make war than to make peace.
平和を作り出すより、戦争をする方が、ずっと簡単である。(フランスの元首相クレマンソー)

本当にそうだと思います。また、このところ、人々が「戦争」の方ばかりを見ているなと感じることが増えています。今の私たちがするべきは、「戦争をさせない努力」ではなくて、「平和を続ける努力」だと思うのです。

そして、多くの人々に鼻で笑われることを覚悟で言いますが・・・
「言葉に気を配ること」が、「平和」な世の中を持続させるためには大切なことだと・・・映画を観て、改めて思いました。

1945年8月15日正午の玉音放送の文言を決める閣議の様子、そのときの陸軍相の部下を思いやる言葉へのこだわりや、天皇陛下への配慮・・・また、天皇陛下が臣下や国民を思いやり、発する言葉に、相手を慮る心と言葉が尽くされていて・・・今、私たちが謳歌している日本の平和が、こんな形で、多くの人々の犠牲と努力、そして、その犠牲と努力を思いやる人々の言葉を土台としているとしたら・・・今、その基盤が崩れてきているのも、言葉を尽くし、心を込めることをないがしろにしすぎているからではないかと私は考えるのです。

言葉の乱れだけではなく、言葉を失いつつあると感じる現代人。「怒り」や「憂い」、「哀しみ」や「喜び」そして、「楽しさ」を表す言葉の語彙があまりにも乏しいことは、自分たちの心にたまる葛藤や鬱憤に、自らも気がつかず、突然、行動に現れ、収拾がつかない事態を引き起こしているように思うことがあります。

平和を求めて行われている行進や、間違ったことを正そうとしている演説に使われる言葉が、上滑りで、心が尽くされていないと感じるとき・・・平和の土台が崩れていることを私は実感してしまいます。

子どもたちには少しでも自分の思いの丈を、存分に、でも、相手の思いの幅も慮りながら、言葉が選べる大人に成長してほしいと願っています。

外国語を学ぶことがその一助となればと願います。

さて、また最後に なりましたが、連載の皆さん、いつも原稿をありがとうございます。仲間内だけでは、いつしか怠けてしまいそうになる私たちをしっかり支えていただいていると感謝しております。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

さぁ、夏休みも残り少なくなりました。皆さん、宿題をしっかり終わらせて、新学期を気持ちよく迎えてください!!
(Y.K)
by terakoya21 | 2015-09-17 10:22 | あとがき

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