あとがき (てらこや新聞120-121号より)
2015年 05月 26日
この記念号を、「少年よ、大志を抱け!」のまえがきで始めましたが、15年前、今も昔も私の良き理解者でありつづけてくれる「Broadアイ」でおなじみの小野君が、私が塾を新設することを聞いて、原稿用紙に「『志』を持って、『志』を伝える塾に」とメッセージをくれ、私は、開設当初から「『志』と『絆』を大切にできる学び舎」という言葉を使ってきました。近代の日本を支えた地域教育の場であった、寺子屋などから始まる日本の塾は、そういう場所であったと信じていたからです。
一方、最近、「大志」とまではいかなくても、「志」や「信念」、「向上心」を持った子どもたちをあまり見かけなくなり、「寺子屋かめい」の15年目の2014年度は、「継続」の困難を感じる1年でもありました。
そんな中、友人のブログで、「志」と「夢」の違いを改めて教えてもらい、また、昨年度は、そんな私の苦悩を知ってか知らずか、とにかく、例年以上に教え子や卒業生との再会の1年となりました。
「志」の意味には、「相手を思いやる気持ち」というものがあります。「夢」は自分のために持つもので、「志」は人のことも考えた目標のことなのです。そして、再会した教え子たちが、皆、「志」を持って、人生のチャレンジを続けている―終わってみれば、そう感じられる、この上ない幸せを与えてもらった1年でもありました。
God doesn’t require us to succeed; he only requires that you try. (Mother Teresa)
神は、私たちに成功することを求めはしない。彼はただ、挑戦することを求めている。(マザー・テレサ)
16年目をスタートした 「寺子屋かめい」は、今年度、受け入れ態勢を強化して、次の15年に備えます。そして、10周年記念号と11年目の開始を合併号とした「てらこや新聞」も、次の10年に向けて、地道な努力を続けたいと思っております。
3月に、大学を卒業し、4月から大学院進学を決めた報告に来てくれた卒業生や、同じく地元の大学を卒業して、地元企業に就職を決めて 報告に来てくれた卒業生の訪問がありました。彼と彼女は、いろいろな意味で、私が大変多くの時間を過ごした生徒たちです。彼とは出会いから7年、彼女とは、出会いから12年となりました。
節目、節目に、忘れずに報告にきてくれる彼らのような教え子たちの姿に「継続の力」を与えられ、また、「志」のなんたるかを教えられます。
今回、メッセージを寄せてくれた卒業生も、しょっちゅう寺子屋に顔を出しては、私たちを救ってくれます。10年後、20年後も、気軽によってもらえる場所として存在できるように精進したいと思います。
皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。
(Y.K)