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読書の春?! 春の読書?! (てらこや新聞120-121号 かめいのコーナーより)

今回は、重松清さんの小説を2冊ご紹介します。「いじめ」や「少年犯罪」をとりあげているのに、読み終わりの感想は、少し前向きになれる、重松氏特有の「おしつけない」「やんわりと考えさせる」小説たちです。

「エイジ」 
重松 清 著 新潮文庫

自分たちの住む地域を舞台に何件も起こった通り魔事件の犯人がなんと・・・クラスメートだった。そのことがわかるまでとわかってから・・・そして、そのクラスメートが学校に帰ってくるときまでの、人間模様や、同級生たちの心の動き、大人たちの反応などを中学2年生の主人公の目を通して描いています。中学2年生の心の動きや言動に、共感を覚え、読み進めている自分が、ちょっとおかしいかも?!?!と思いつつ…のめり込んで読んでしまいました。

重松氏の本は、いつも、いろいろと考えさせるのに、「優しい」ところが好きです。

「ナイフ」  
重松 清 著 新潮文庫


おもに「いじめ」をとりあげた短編集です。やはり、人間模様や心の動き、人々の言動を淡々と語りながら、目を背けたくなるような言動や出来事があるのに、読後には、かすかな希望が見える・・・お話たちです。
とくに子どもたちの周囲にいる大人たちに読んでほしい作品です。

時代は、私たちが20代だったころの、舞台は中学校…その時代から、日本社会は、同じ問題に振り回され、その度、何もできていないことを思い知りながら・・・自分たちの今できることを考えるきっかけになればいいなと思います。

(Y.K)
by terakoya21 | 2015-05-17 08:00 | 本紹介 Kamei

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