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寺子屋の日々 ~Days in Terakoya~ (てらこや新聞119号 亀井のコーナーより)

~ Today is a Gift. ~
~ 一寸の光陰 軽んずべからず ~


1月の半ば、東京で大学の同級生たちと再会した。数年ぶりの再会という友人もいれば、卒業以来20年ぶりの再会という友人もいた。

私はつくづく良い学校に通い、学友に恵まれていたんだなぁ~と改めて感じるひとときだった。そして、いつも他人と社会に興味を持ち、気配りをし、話ができる友人たちに、自らを省みる機会も与えてもらった。

私は、外国語学部に通っていた。今はあまり人気のない学部である。少なくとも、寺子屋を開設した当初に比べると、「外国語」やら「国際文化」やら「文学」やらを専攻に選ぶ生徒たちは激減している。

実学重視の傾向が強まっている。「薬学」、「看護」などが人気で、多くの生徒が「理系学部」を目指している。それはそれでかまわない。けれど、私がいつも疑問に思い、危惧するのは・・・その実学重視の学部を選択する生徒たちに、実学ではないとされる学部への蔑視が見え隠れすること、また、自分の特性に関わらず、「資格」にこだわる生徒も増えていること、そして、言うこと、目指すものは立派でも、自分の選択にかける熱意というのか、意気込みがイマイチ感じられない生徒が多いことである。

私は、どちらかというと、理系科目の方が得意だった。費用対効果を考えれば、断然数学や理科の方が成績は優れていたと言っていいと思う。けれど、私は、今でこそ楽しく数学を教えているし、小学生時代は算数大好きっ子だったけれど、中学、高校時代、理科の先生が好きだったから、理科の勉強はまじめにした方だけれど、理科や数学には、まったく魅力を感じなかった。そして、私は英語が得意で、英語が広げてくれる世界に魅了されていた。だから、私は父の背中を追っていた。また、大学は本来、教養をつけ、社会に出る準備をするために行く場所だ。私は、迷わず「外国語学部」を目指していた。

大学は、「資格」をとる場所ではない。実学も社会には必要で、それは大学で学ぶものだけれど・・・「資格がとれる大学」を志望校に勧める、また、選ぶ傾向には、ときどき辟易する。

今は、就職に不利だと敬遠される「外国語学部」出身の私の友人たち・・・就職氷河期と言われる期間の始まりを告げる年の就職組だけれど、42,3歳になって、しっかりと地に足を付けて仕事をし、また子育てをして生活をしている。

結局は…周囲の環境に与えられるものに甘んじる自分ではなく、周囲から吸収できるものを吸収しようとする心意気を持った自分であれば…社会で生きていく資格は、どんな学校を出ていようが、出ていなくても得られるものであること、逆に言えば、どんな資格を持っていようと、その心を持っていない人は、社会で生きていくことが難しくなることを 大人たちが忘れかけているように思えてならない。

大学は、入学時の偏差値で評価されるものではなく、卒業後の卒業生の活躍で評価されるべきものだ。もちろん、卒業後の卒業生の活躍度が高い学校に、偏差値の高い大学が多いけれど・・・ 果たして、卒業後の卒業生の活躍度の高い大学に、「資格」を売り物にする大学はどれくらいあるのだろうか。

また、資格や名門校のレッテルは、時に足かせになることもあることも忘れないでほしいと思う。

大学の4年間は、私にとって神様から与えられた最高の贈り物の1つだったと思う。その贈り物は、自分のそれまでの努力だけではなく、多くの周囲の方々の良い導きのおかげで手に入れたものだったと思う。それは、今、目の前にあるすべきこととできることをしっかりすることによって得られた贈り物であった。

我が生徒たちにも、そんな贈り物があることを 心から願っている。
(Y.K)
by terakoya21 | 2015-03-27 14:32 | 寺子屋の日々

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