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あとがき (てらこや新聞118号より)

*てらこや新聞118号は、2015年1月20日に発行されました。

今年も、大学入試センター試験が終わりました。このところ毎年、大学、高校の両方の受験生への対応をしながら、思うことがあります。

子どもたちが、高校、大学、そして学校に、何のために行くのであろうか・・・大人は何のために子どもたちを学校に送り出しているのだろうか・・・と。

今年度は特に、それを考えさせられる1年となっています。

私の好きな映画である “Good Will Hunting” (グッド・ウィル・ハンティング)で、数学の天才として生まれてきたけれど、家庭環境などの理由から同じような境遇の親友以外の人をうまく信じることができなくて、その才能を持て余しているウィルに、親友のチャッキーが言います。

“You’re sittin’ on a winning lottery ticket and you’re too much of a pussy to cash it in. And that’s bullshit ‘cause I’d do anything to have what you got! And so would any of these guys. It’d be a fuckin’ insult to us if you’re still here in twenty years.”


「お前は宝くじの当選券の上に座っていて、それを現金にする勇気がない腰抜けなんだ。あほらしいのは、お前が持っているもののためなら、オレは何だってやるってことだよ!他の奴らもみんなそうさ。20年たってまだお前がここにいたら、お前はオレたちを完璧に侮辱してるってことだ。」(愛育社 シナリオ対訳 グッド*ウィル*ハンティング 旅立ち 参照)

チャッキーは、ウィルの親友です。そして、彼の環境を理解し、彼との時間を楽しみ、大切にしながらも、この言葉を発します。ウィルが、自分の才能を持て余していることを知っています。

自分の位置を知り、その上で、自分のするべきことを考え、自分の特性を生かし、それを社会に還元する―それが1人1人の社会での役割であることをチャッキーは知っているのでしょう。

そして、ウィルはカウンセラーでもあり、いつしか心を許す数少ない人の1人になっていたショーンにも同じようなことを言われます。そして、自分の才能を受け入れ、自らの道を歩んでいきます。

今、子どもたちと彼らを取り巻く環境を見ていると・・・人は、自分の今いる位置や立場、特性を知らずして、次の道を見つけ、切り開いていくことは難しいのに、それを子どもたちが強いられ、また大人は子どもたちにそれを要求している・・・、そして、学校にも、高校にも、大学にもそれぞれの役割があり、そのときの風潮や気分に流されてはいけない土台があるはずなのに、社会はそれを求めようとしている・・・と感じます。そして、それが閉塞感、息苦しさにつながっています。

勉強は、一生続くものです。その「学び」の土台を中学、もしくは高校卒業までに築かないと、困るのは子どもたちです。子どもたちを愛する人々の導きが大切だとつくづく感じる今日この頃です。

さて、最後になりましたが、連載の皆さん、そして小野君、新春特大号への寄稿をありがとうございました。この3月に発行10周年を迎える「てらこや新聞」をこれからもどうぞよろしくお願いいたします。

(Y.K)
by terakoya21 | 2015-02-24 13:57 | あとがき

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