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上越だより ヨーロッパ編 (てらこや新聞109号 下西さんのコーナーより)

「観光はトラムに乗って」

プラハでは、市街地を縦横に走るトラムにずいぶんお世話になりました。路面電車なので、地下鉄よりは 当然、時間がかかります。しかし、車窓から風景を見ることができ、気になる場所を見つけて、すぐに降りることもできます。

c0115560_13372219.jpg昨年10月から2ケ月滞在したプラハでの宿舎は、プラハ6区にありました。ここは、プラハの中心部からはちょっと離れていましたが、最寄りの停留所(ナトジュバーネム)から26番トラムを利用すると、繁華街まで楽に出掛けられるはずでした。しかし、現地に到着してびっくり。たよりにしていたトラムの軌道は工事中。つまり、メンテナンスのため全面作り替えで、線路も枕木も外され、道路の真ん中に大きな穴があり、中央分離帯ならぬ中央陥没帯となっておりました。軌道ができるまでの期間は、代替の交通機関として、バスが最寄りの地下鉄駅(デイビツカ駅)まで運行されていました。トラム一本で繁華街、火薬塔や市民会館に出られるという目論見は、残念ながら叶いませんでした。不便ではありましたが、 図らずも「トラムの作り方」をみることができました。そして、私たちがプラハを発つ直前の11月末、26番トラムは  みごとリニューアル発車しました。


26番トラムの「ナームニェスティ・レプブリキ」駅の近くに、市民会館(オベツニー・ドゥーム)があります。ここは、複合施設で、レストラン・カフェ・音楽ホール(スメタナホールなど)・ギャラリーがあり、いつも観光客でにぎわっておりました。

c0115560_1338510.jpg1911年完成したアールヌーヴォー様式のこの建物は、

「高尚な社交界を育成し、音楽造形芸術を支え、はたまた威厳に満ち、なおかつ瞠目すべき公演にふさわしい場をチェコの大衆に供するためつくる」

というコンセプトでコンペティション(設計競技)が行われたそうです。当時のチェコの一流芸術家が総動員されたもので、チェコの国民的画家、パリで大成功を収めて故郷に錦を飾ったミュシャ(チェコ語ではムハと発音する)も、室内装飾に参加しました。〈田中充子著『プラハを歩く』岩波新書 参照〉アールヌーヴォー様式で仕上げられた館内は、照明も、階段の手すりも、壁のタイルも、足元のモザイク画も目を見張るものでした。

11月1日、市民会館の中にあるスメタナホールにて、ピアノと小編成のオーケストラの演奏を聴きました。プラハ交響楽団の本拠地であるスメタナホールは、「プラハの音楽の聖地」のような場所です。正面にパイプオルガンがあり、天井画やステンドグラスなどもあり、ゴージャスな居心地のよい空間でした。

この日の演目は、ショパンの「ノックターン」・「マズルカ」、モーツァルトの「ディベルティメント」・「ピアノコンツェルト」などでした。演奏はすばらしかったのですが、演奏の途中で観客が出入りしたり、写真を撮ったり、拍手のタイミングがふさわしくなかったり、興をそがれた場面もありました。これは、観光客用のプログラムだったのです。

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プラハの人々の名誉にかけていうと、後日「ドボルザーク・ホール」のコンサート(チェコ交響楽団)では、ドレスアップした観客の粛々とした態度と熱気に驚かされました。

この日(11月1日)は、演奏会の前に、市民会館の地下のレストラン「プレゼニェスカ・レスタウラツェ」で夕食を摂りました。スープ・豚膝肉のロースト・ビールを注文しました。私にとってチェコ料理は、全般的にボリュームがありすぎ、「口にはよくても、胃腸がついていかない」というのが本音でした。ビール(ピルスナービール)は別。これは、安くておいしかった!!

同じく市民会館の一階には、「カヴァールナ・ オベツニー・ドゥーム」というカフェがあります。ここでは、コーヒーとケーキをいただきました。テラス席もありましたが、室内で「しつらい」を鑑賞しました。ピアノとトロンボーンの生演奏のおまけつきでした。


プラハ市内の公共交通機関は、主に地下鉄・トラム・バスですが、乗車券はすべて共通です。そして、  その切符には、1回券やフリーパス券(1日券・3日券・1ヶ月券など)が何種類もあります。日本のシステムと 違う点は、昇降口が複数ありますので、乗客が自分で改札をする点です。切符を改札機に差し込み、日時や時刻を印字します。

c0115560_1340899.jpg私は長期滞在だったので、1ヶ月券(定期券)を買いました。値段は670コルナ(約4000円)です。1回券(30分有効)で  24コルナ、1日券(24時間有効)110コルナですので、それがいかに安いか明白です。 また、この定期券を持っていれば、改札も フリーパスで乗り放題、便利この上ないものでした。

トラムの車両は、低床仕様のものが多く、ベビーカーも車椅子もたやすく乗り込めます。出入り口近くに、ベビーカーや車椅子利用者のスペースが作ってあります。プラハのベビーカーは大型のものが多かったですが、肩身の狭い思いをする様子も、非難される事態もありませんでした。日本では、最近、バスや地下鉄車内へのベビーカーの持ち 込みの是非が議論されています。人口密度の違う東京とプラハでは、いちがいに比べることはできませんが、バリアフリーの理想の形をプラハで見ることができました。

バリアフリーといえるかどうか、プラハは犬にとっても優しい街です。「犬の天国」と言われるプラハでは、人々は、小型犬はバッグに入れて、大型犬も当たり前のように連れ歩きます(散歩ではなく)。もちろん、公共交通機関にも乗れます。犬は、車内では、飼い主の足元で大人しく座っています。まれに口に網状のマスクをしている犬もいましたが。

c0115560_13402691.jpgトラムの中でしばしば若者から席を譲られました。プラハの青少年は、「年配の人に席を譲るのは当たり前」という教育をうけていて、譲る側も譲られる側も至極「普通」の行為として行われます。(ときおり、譲られるのを拒否する老人もいましたが…。)風景も素晴らしいプラハでしたが、まず思い出すのは、プラハの青少年の、このような振る舞いのかっこよさです。

プラハの街を散策するのにいろいろな路線のトラムに乗りました。プラハ城へは、22番トラムに乗りました。 17番トラムはモルダウ川に沿って走るので、街並みと川の両方の景色を楽しみました。20番トラムに乗って、教会や歴史的建造物を見ることができました。「プラハのシャンゼリゼ」バーツラフ広場を横切る24番トラムも面白かった……
by terakoya21 | 2014-05-02 13:41 | 上越だより

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