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不思議な宣長さん (てらこや新聞106号 吉田館長のコーナーより)

第二十九話 アイデアは読書の中から生まれる? 前編

和歌子 おめでとうございます。

らん 先生、おめでとうございます。

和歌子 お正月はいかがでしたか?

らん 退屈と思っている内に、いつの間にか終わってしまいました。

和歌子 退屈しちゃダメよ。
らんさんのお家の雑煮のお餅の形は丸かな四角かな。おすましかな、お味噌汁かな。
何でも面白いことを探していかなきゃ。
映画監督でね黒澤明という人がいるの。「七人の侍」とか、「羅生門」なんかで高く評価されているけどね。

らん 「羅生門」って芥川龍之介だ。

和歌子 そうそう、「羅生門」は芥川の作品をいくつか、たとえば「薮の中」とかを、アレンジして作った作品なのよ。その黒澤監督がね、「アイデアは記憶力だ」と言っているの。

らん そうなんだ。ぱっとひらめくものかと思った。

和歌子 自分の考えやアイデアは、実はまったくゼロから作ったり、無から生まれてくるのじゃなくて、材料を組み合わせたりして、自分なりの、また全く新しい関係を見つけることで生み出すのよ。

らん お風呂で発見した人もいるよ。

和歌子 セレンディピティーということもあるけど、考え続けるから発見があるのよ。でもまず、しっかりその材料を仕込んでおかないと、たとえばらんさんが新しいお店を開いても、すぐに売る商品が無くなってしまうと困るでしょ。本を読んだり、いろんなものを見るのは、材料を仕込むためでもあるのよ。

らん 独創的なアイデアでも、素材があるのですか。

和歌子 「編集」ですね。面白い組み合わせを見つけることの方が、ゼロからの発見より効率的だし、実は 役に立つのよ。そんな「編集」による小発見の積み重ねが、大発見につながるのです。

らん 初めてバットを持って打席に立ち、代打逆転満塁サヨナラホームランなんて無いですよね。

和歌子 宣長さんだけど、江戸のお店で一年を過ごして帰ってきました。きっとおじさんから、お前さんには商人は無理だね、というところでしょうか。

らん 商人失格の烙印を押されたみたいなものですね。

和歌子 松坂に帰ってきて宣長さん(17歳)は家に閉じこもります。

らん 引きこもりですか。

和歌子 お母さんや親戚の人から、「江戸から一年で戻されるなんてかっこわるいわね。外を歩かないで頂戴!」なんて言われたのかもしれませんね。

らん かわいそうだなあ。

和歌子 でもそこは宣長さん、それを奇禍として、自分の世界の構築に踏み出します。

らん なんて前向きなんだ。

和歌子 落胆しない、あきらめないのが宣長さんの流儀。何とかなりますよ。

らん すばらしい・・

和歌子 まず、幅が2メートル、高さ1・2メートルの日本地図を作成し、それからは京都のことを調べて百科 事典を作ったり、和歌に関心を持ったりと、材料の仕込みに奔走します。

らん 奔走、走り回る。家の中で走り回るのですか。

和歌子 もののたとえです。旧宅の奥の間、八畳がおそらく宣長のお城ですね、その中でぐるぐる廻る。

らん 「気になるあの娘の想いは廻る ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる」

和歌子 歌?

らん 相対性理論です。アインシュタインじゃありません。

和歌子 ?

らん どれ位の期間、部屋に閉じこもっていたのですか。

和歌子 19歳の秋まで。2年半位ね。

らん 長いのかな、短いのかな?

和歌子 15歳までにもいろんな勉強をしているけど、特にこの期間の蓄積は、国学者としての活動と直結していきますね。

らん レベルが高いのですか。

和歌子 この2年半で重要なことは、まず最初に、「日本」という国のレベルで考えるという態度が芽生えた ことね。次に、「和歌」と「京都」に興味を持って深めていくと・・・

つづく…

つづきは明日掲載の予定です。
by terakoya21 | 2014-01-28 14:44 | 不思議な宣長さん

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