I LOVE BOOKS! (てらこや新聞105号 竹川のコーナーより)
2014年 01月 09日
バージニア・リー・バートン 文・絵
石井桃子 訳
「ちいさいおうち」
今回ご紹介するのは、先月ご紹介した本と同名の、名作絵本です。
アメリカで出版されたのが1942年、1943年にはアメリカ最優秀絵本としてコールデット賞を受賞しています。日本での出版は1954年、絵本の古典と言える一冊です。
主人公は煙突のある「ちいさいおうち」。四季折々の自然の美しい静かなところに建てられていたおうちでしたが、周りの景色が時とともに少しずつ変わっていきます。どんどん変化する周りの様子に、いつしか縮こまるようにすわっているだけのおうちに転機が訪れ…。
四季折々の美しさがやさしい色彩で描かれ、幸福な雰囲気に満ちています。とにかく絵がとても丁寧で温かいのです。
絵本の古典ともいえる古い作品ですが、読後には深くやさしい余韻を残し、まったく古さを感じさせない一冊、お勧めです。
(K.T)