今頃なのか…
2012年 10月 09日
経済学で、「他の条件がすべて同じだとすると…」という条件を付けて、「コーヒーの値段が上がると、紅茶の需要が増えます」なんてことを学んだけれど・・・
「コーヒーが値上がりするにはそれなりの理由があるから、『ほかの条件がすべて同じ』なわけないやん!」
っていつも思っていながら…
大学、大学院時代、それなりに経済学を理解しようと、一生懸命勉強をした。
理論的に、正しいことが、必ずしも現実で、いつも正しいとは限らない。
子どもたちの育て方だって同じで…
「ゆとり」だって、理屈としては正しい部分が多いのだと思う…でも、現実は、理屈通りには動かなかったし、急ぎすぎたのかもしれない。
アメリカの大学院で、私は「公共政策」について学んだ。その中で、アメリカの人々の日本の教育制度への評価を聞いて驚いたことがある。
「どうすれば日本の教育のように、画一的に、皆が基礎的な知識をしっかり身に付けられるようになるのか」
高校留学のとき、ただ当たり前のことを当たり前に、たどたどしい英語で答えると
「日本人の頭にはコンピューターが入っているようだ」と言われて、びっくりした。
日本では「詰め込み学習」、「受験戦争」で、ろくでもない奴らが育っているかのように言われて、また最初の留学で、「戦争」について、しっかりと意見を出し合い議論できる14歳の少年たちに圧倒された経験のある私は、自分の学力に自信がなかったからだ。
それでも、今、私は、自分が受けてきた日本の教育に誇りを持っている。
けれど、私は、アメリカの教育の良いところも知っていると思う。
そして、私は、日本の教育の変な部分も、悪い部分もわかっているけれど、アメリカの教育の良い部分ですら、日本の社会の在り方から考えたら、簡単に輸入できるとは思わない。
家庭環境や地域社会、伝統って教育の大切な部分をしめる場所である。
学校の制度を、他の国のよさそうな部分を見つけては切り貼りするような形で、いじくりまわして良い結果が生まれると思う方がおかしいと思う。
長い間に培われてきた私たちの社会をこれ以上、壊さないでほしいと、毎日、子どもたちに接しながら、願わずにはいられない。もう少し、自分たちのできることを身近なところから、探してほしいと思う。
(Y.K)