人気ブログランキング |

Bonjour! (てらこや新聞87号 谷のコーナーより)

かげぼうし

春から夏にかけて、運動部に所属している学生を筆頭に、寺子屋生たちは日増しにこんがり焼けていく。そして、運転席に乗り込んだときの熱気と、差し込む日ざしの強さが、私にとって夏始まりの合図だ。

「かげおくり」を知ったのは、小学生の頃だった。教科書の中の「ちいちゃん」が親しんでいたこの遊びは、影のはっきり映る場所と空さえあれば、だれにでもすぐにできる。地面に映る影を10秒ほどじっと見つめた後に空を見上げると、影と同じ形が空に浮かんで見えるというものだ。国語の授業で新しい遊びを覚えた私たちは、休み時間の校庭や下校途中の道端で立ち止まっては空を見上げて楽しんでいた。

当時、しゃがんでも跳ねても走ってもいつも自分のそばから離れない影ぼうしは、面白くて、不思議で、ときに疎ましい存在にさえ思えた。髪型や服装が変われば、影ぼうしの形も変わる。改めて鏡を見たときよりも、ふと見慣れない影ぼうしを見たときほうが、自分の変化を実感できたことをよく覚えている。

室内や日かげで過ごす時間が長くなったのは いつからだろう。今では自分の影ぼうしを意識することなどほとんどない。目には見えない上や下ばかりを考えていないで、たまには自分の足元と頭上を見つめてみるのが必要なのかもしれない。

♪かげぼうし / いきものがかり / 詞 山下穂尊 / 曲 山下穂尊 / 2008.12.24
「ちいちゃんのかげおくり」/ 作 あまんきみこ / 絵 上野紀子 / 出版 あかね書房 / 1982.8

(Y.T)
by terakoya21 | 2012-07-09 18:40 | Bonjour

英語塾の寺子屋かめいの元気を発信します


by terakoya21
プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る