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不思議な宣長さん (てらこや新聞83号 吉田館長のコーナーより)

『古事記』が出来て1300年

和歌子 覚えていますか。今年は『古事記』が出来て1300年です。

らん 2012年から1300年を引くと712年。平城京が出来たのが710年だから、奈良時代の最初ですね。

和歌子 現在残っている一番古い、これを「現存最古」と言いますが、   歴史書です。

らん ヤマタノオロチや、いなばの白兎が出てきても「歴史」ですか?

和歌子 「歴史」についての考え方の違いです。私たちが「歴史」だと言って勉強したりするのも、現在の歴史観でまとめられたもので、時代や民族によって、「歴史」と言ってもずいぶん違います。

らん 私も奈良時代に生まれてきたら、年号なんか覚えなくても済んだのに。

和歌子 そのかわりとても長い、たとえばマサカアカツカチハヤビアメノオシホミミノミコトなんて神様の名前があったりして、とても大変よ。

らん でも『古事記』は稗田阿礼が覚えていたんでしょ。

和歌子 天武天皇が、若くて聡明、つまり賢い人を探してきて覚えさせたのよ。

らん 文字がなかったから覚えるしか仕方なかったのですね。

和歌子 中国から伝わってきていた漢字はあっても、ひらがなやカタカナがないからね。漢字だけ書くと漢文になるでしょ。

らん 漢文ではだめなんですか。

和歌子 天武天皇は、漢文は中国の言葉だから翻訳になることを心配されたのよ。私たちの祖先の語り伝えてきたことを、中国語に翻訳してしまうと、微妙な気持ちとか、失われるものがあるじゃないかってね。

らん 長い神様の名前がでてくるのによく覚えられましたね。その記憶力分けて欲しいな。

和歌子 らんさんが言ったように、覚えるしかなかったことと、リズムを付けたり、またさっきの神様の名前でも、「マサカ」、本当に勝ったんだ、「アカツ」私が勝ったんだなどと、具体的なことをイメージして覚えたんでしょうね。

らん 奈良時代になったら、ひらがなやカタカナが出来たのですか。

和歌子 ひらがなやカタカナが出来たのは平安時代初期までずれ込むかもしれませんね。

らん じゃあ『古事記』は漢文ですか?

和歌子 漢文をベースにして、万葉仮名と呼ばれるような漢字表記の日本語で書かれています。「しお、コヲロコヲロにかきなして」と稗田阿礼が言うと、書き手の太安万侶が、「しお」は「塩」と言う漢字と意味が同じだから、いいよな。「コヲロコヲロ」は、「コロコロ」の意味かな。どうも漢字に訳せないけど、この表現は大事だから、じゃあ「許袁呂許袁呂」としよう。「かきなして」はかき回して音がするという感じだから、「画鳴」と書いてみよう。あ、「鳴」の字では読み間違うといけないから下に「那志」と振り仮名をつけようと考えて、やっと出来たのが「塩許袁呂許袁呂邇画鳴而」という文章です。

らん 一回聴いただけでは分からないのに、これを書くのは大変ですね。

和歌子 書くのも大変。で、読むのも大変だったのよ。

らん それを宣長さんが解読したのですか。

和歌子 そう、「『古事記』を読むぞ」、それが宣長さんの立てた「志」だったのよ。

らん 聴いてるだけで、疲れちゃった。

(Y.Y)
by terakoya21 | 2012-02-29 16:23 | 不思議な宣長さん

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