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不思議な宣長さん(てらこや新聞76号 吉田館長のコーナーより)

第五話 「本を読んだら暑さを忘れるって、ほんとうかな?」

和歌子 ずいぶん暑くなりましたね。

らん 本居宣長さんは痩せているから、暑さは平気ですか。

和歌子 寒さは苦手だったようだけど、でもやっぱり暑いと汗を拭っていては集中できないでしょうね。こんな歌があります。

六月(みなづき)の 風にあつとて 取りいづれば やがて読ままく ほしき書(ふみ)ども

六月は今の7月か8月初め位、一番暑い季節ですが、あまりに暑いので本を扇子がわりにしようと手に取ったら、読まなきゃいけない本だった。昔の本は大きくて薄くて表紙も柔らかいから扇子や団扇がわりになるんですね。

らん あらら、それで宣長さんどうしたんですか。

和歌子 次の歌。

暑けれど 書(ふみ)読むほどは 忘られて 夏は扇を 取らむともせず 歌の意味はね・・

らん  この歌くらいなら意味が何とかわかります。本を読んだら夢中になって、扇なんかいらないよ。宣長さん、無理してませんか。

和歌子 宣長さんが『古事記伝』全巻を書き終えたのは、寛政10年6月13日、今の暦だと7月25日です。

らん  一番暑い時期だ。それに宣長さんの部屋って狭いからそうでなくても暑そうですね。そんな暑さの中で書かれたなんて、ちょっと感動しますね。

和歌子 窓が大きい分、西日が入ってきたでしょうしね。完成しましたよって友だちに手紙を書いていますが、その最初に「酷暑の節」とあるから、ものすごく暑かったはずですよ。

らん  ちょっと暑いから冷たいものというわけにもいかないでしょう。

和歌子 冷たいものは井戸水で冷やしたスイカ位かな。

らん  スイカなんかあったんですか。

和歌子 実が赤いのはなかったけど、黄色ならありました。愛宕町の菅相寺で歌会があった時にフキの葉っぱにスイカを盛りつけて食べています。

らん  風流ですね。

和歌子 その上、スイカとかフキを詠み込んだ歌まで作っています。余裕があるんですよ。気持ちの余裕があると暑さも少しはしのげるかな。今年の夏は節電が叫ばれています。らんさんも、少し宣長さんを見習ってみませんか。

らん スイカをフキの葉っぱに盛るのならすぐにでも真似するけど、暑いのは苦手だな。
ますます勉強しなくなっちゃいそうです。

(Y.Y)
by terakoya21 | 2011-07-22 14:14 | 不思議な宣長さん

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