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不思議な宣長さん(てらこや新聞75号 吉田館長のコーナーより)

第四話 宣長、カラスを見て考える

和歌子 らんさん、何を見ているの。

らん  たくさんのカラスだね。冬になって寒くなるから、もう家に帰るんだ。

和歌子 ねえ、なんでカラスって言うのか、考えたことある?

らん  そんなこと考えたことないよ。

和歌子 そうよね、普通は考えないよね。ところで、らんさんは本居宣長(もとおり・のりなが)って知ってる?

らん  社会の時間に習ったよ。たしか「国学」だったよね。

和歌子 そう、宣長は松阪の人なんだよ。宣長はね、何でカラスって言うのか考えているのよ。

らん  えっ、宣長はカラスの研究家なの!

和歌子 違う違う。らんさんの言うように、日本の古典を研究して、国学と言う新しい学問を始めた人だけど、でもね、何にでも興味を持った人なの。どうして地球は何もない空間に浮んでいるのかとか、お味噌汁の「味噌」っていつからある言葉かとか。

らん  けっこうお暇だったのね、宣長さん。

和歌子 お医者さんやって古典を研究してとても忙しい人だから、そのこと だけを一生懸命調べるわけではないけど、今のらんさんみたいに、カラスがねぐらに帰って行くのを見た時、ふと、どうしてカラスっていうのだろうと疑問に思うわけ。するとね、頭の中のデータベースが動き出して、サンスクリットでは「迦迦【去引】迦」(カカーカ)って言うがこれはカラスという言葉と関係ないか。そういえば屋根の上の瓦は、サンスクリットで「キャハラ」と言うから、ひょっとすると外来語かな。それとも鳴き声から来た名前かな、なんて考えたみたい。

らん でも何でそんなこと考えるのだろう。

和歌子 きっと楽しかったのだと思うわ。でもそんな人だから新しい学問の扉を開くことが出来たのよ。
by terakoya21 | 2011-07-13 13:49 | 不思議な宣長さん

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