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BROADアイ (てらこや新聞70号 小野さんのコーナーより)

スター選手は「イッちゃってる」

先日、あるプロゴルファーと一緒にプレーした。体格の良さといい、オーラを放つキャディバッグといい、さすがにプロは違う!実際にプレーすると、打つ球打つ球、僕らアマチュアとはスピードも弾道も別次元。驚異的なスコアでプロのスゴさを見せつけられた。

いったいどのぐらい活躍している選手なんだろう…家に帰ってネットで調べて驚いた。検索しても名前がほとんど登場しないのだ。プロゴルフ連盟の公式HPにかろうじて顔写真と名前が載っていたが、去年の戦績の記録がない。つまりは、ことごとく予選落ちなのである。高校時代からゴルフを始めてもう36歳…。アマチュアにゴルフを教えるアルバイトなどで食っているのだろう。

「プロの世界は厳しい」というが、プロの中でもガッポガッポ稼ぐほどになるには、いくら努力して練習を積んでも乗り越えられない壁があるようだ。

それはただひとつ精神力である。練習では、プロテニス選手は狙った通りのポイントに球を運べて当たり前、プロサッカー選手は鋭いシュートを決めて当たり前である。ところが試合となると状況はガラリと変わる。生活がかかった「生きるか死ぬかの戦い」となる上、大勢の観客の視線が注がれる。普通の人には想像できないプレッシャーがのしかかる。プロでも大半はプレッシャーに負けてミスを連発するのである。プロとして生き残るには神経質では ダメで、ある意味で「無神経な人」が強いらしい。

スター選手となると、さらに人種が違う。数々のスター選手を間近で見てきた僕の知り合いのスポーツディレクターはこう言う。「あの人たちは、頭がイッちゃってる」。横綱・白鵬は、ここでそんな無謀な腕の回し方するか!というような動きを瞬時に見せる。タイガーウッズや石川遼は、普通のプロならグリーンまでの距離を2回に刻んで打つところを、ムチャ振りで一気に攻めてしまう。あらゆるスポーツの中継で、解説者がスター選手のプレーに思わず「エッ!?」と声をあげているが、予想できない、常識では考えられない、無謀とも思える手をポンと繰り出してしまうのがスター選手。それが見事に決まるから、間近で見せつけられた他の選手は萎縮してしまって勝てない。極度の興奮状態の中で、理屈ではない、天から降ってくるものが彼らにはあるんだろう。
by terakoya21 | 2011-02-15 16:03 | Broadアイ

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