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まえがき (てらこや新聞68号 竹川のコーナーより)

~言葉の表情~

普段何気なく使っている「言葉」が、とても気になる時があります。

例えば「やつ」や「やる」という言葉。

これらの言葉を見聞きするといつも、高校時代の国語の先生が思い出されます。配布されていたプリントのことを意味して「この前、配ったやつ…」などと言おうものなら、「今、何と、おっしゃいましたか…。」と困惑の表情を浮かべたその先生の様子が今も脳裏に焼きついていて、「やつ」という言葉を聞いたり言ってしまったりすると、今でもドキッとします。

また、「がんばって」という言葉。

私の父は、11年前に亡くなりましたが、病院に行った時には既に手の施しようがなく、短い余命をどれだけ延ばせるかという治療しかできませんでした。闘病生活中、母も私も父にはその事実を告げずに通しましたが、きっと余命が短いと分かっていたのであろう父は、お見舞いの方たちに言われる「がんばって」という言葉に、ぼそっと「頑張りたいけれど、頑張りようがないこともある」と言ったことがありました。「がんばって」という言葉はどんな状況にも使いやすくて、たやすく口にできる言葉ですが、それ以来、私は「がんばって」という言葉を簡単に使えなくなった気がします。

「同じことを経験したとしても、感じ方や受け取り方は人それぞれだから、話を聞くことしかできない、話ならいくらでも聞くから、私には何でも話して良いんだよ」と言った友人がいます。

困難な状況にいればいるほど、その人にかける言葉というのは難しい…。どんな励ましの言葉よりも、友人がかけてくれたこの言葉に、その時の私はどれほど気持ちの救われる思いがしたことでしょう。

そして生徒たちの言葉を聞くと、単語だけの会話や変に略された言葉の何と多いことか…と、日々実感させられます。

何気なく使っているけれど、言葉なくして私達の生活は成り立ちません。他の人から発せられる言葉を、伝えられる内容を受け止められる寛容さを、そして、私の言葉が他の人にどう受け止められるのか…発する前に一考できる心の余裕を持ちたいと思う今日この頃です。

皆さんの「言葉」は、どんな表情をしていますか?

(K.T.)
by terakoya21 | 2010-11-26 15:14 | まえがき

英語塾の寺子屋かめいの元気を発信します


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