人気ブログランキング |

寺子屋の日々 Days in Terakoya (てらこや新聞64号 亀井先生のコーナーより)

~ 私が結婚できないわけ 1 ~

4月から週に1度、高校3年生とともに「世界史」の勉強会をしている。毎週、生徒たちが差し入れしてくれるおいしいお菓子をほお張りながら、私にとっては、かなり楽しいひとときとなっている。生徒たちといろいろな話をしながら、歴史だけではなく、彼女たちの心に触れられているようで、本当に楽しんでいる。

そして、6月のある日、ふと、自分の歴史を振り返ってみた。歴史―特に世界史―は私の得意科目でもあり、大好きな科目でもあった。ちょっとキザに言うと、幼い頃から私は歴史に「ロマン」を感じていた。アレキサンダー大王、ジュリアス・シーザー、スレイマン1世、チェーザレ・ボルジア、大海人皇子、織田信長、徳川吉宗(というより松平健?)、トマス・ジェファソン、リンカーン・・・憧れの男性を見つけては、その人のことを調べてみたり・・・ 漫画や小説を読んだり、時代劇を見たりと・・・小学生の頃から私は、歴史が好きだった。・・・今も好きである。

幼い頃から高校時代までの私は、野心家だった。田中真紀子氏や野田聖子氏が「初めての女性の内閣総理大臣」になるのではないかと言われると、彼女たちが大嫌いになるほど、その席を狙いたくなり、どうせ女に生まれてくるなら、アレキサンダーや織田信長の側室でいいから、その時代に生まれてくることを願ったり・・・。とにかく、世の中を引っ張っていくことに憧れていた。

一方、高校時代、おそらく両親以外の誰も、私が第一志望の大学に合格するとは思っていなかった。実際、成績は悪くはなかったけれど、私は、おそらく先生たちにとってはどうしょうもない生徒で、「一流国立大学」に入ると予想できる生徒ではなかった。高校3年生の前期中間テスト後に担任に呼ばれ、以前よりグッと下がったテスト結果に、「受験勉強はきちんとしているのか」と尋ねられた。12月に、担任は「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」から、滑り止めは受けないと決めていた私に、できるだけ受験学科を増やせと言い、国語の先生は「漢文と英語だけで受かる大学があればいいのにね」とぼやく始末。

それでも、私は、先生たちに言われるままに、自分のペースを乱したり、睡眠時間を削ったりしてまで勉強する気にはなれなかった。一方で、目標はしっかり定めていた。高校3年生の1年間は、おそらく今まで以上に先生たちにとってはやっかいな生徒になっていたはずだ。受験に必要のない科目は、人並みで十分、受験科目も、自分のペースを守ることに決めていた。成績は、若干下がり気味・・・それでも全く気にかけていない様子・・・1日1時間半の勉強、問題集の繰り返し学習、宿題、9時就寝。私は第一志望を小学6年生のときから変えていなかったし、留年しても変わらなかった・・・浪人は許されない。それでも、落ちたらどうするかは考えたが、落ちる気はしなかった。全力を尽くしたのである、自分のできる範囲で・・・そして、自分の信じる方法で・・・悔いはなかった。

外交官に憧れたこともあった。世界の一流と言われる人々の中に身をおいてみたいと感じたこともあった。一方で専業主婦に憧れ、地元に最後には帰ってくることを信じて疑わなかった。大学院留学では、アメリカ人を好きになり、彼との結婚を真剣にずっと考えていた時期もあった。

そして、今がある。このアンバランスな私は今も続いている。そして、後悔はない。

私は、伝統と社会を守りたい。歴史上の人物までさかのぼらなくても、目の前にいる両親が、そして周囲の年長者たちが、私のために、私たちのために残そうとしてくれている生活と社会を・・・守りたい、次の世代にしっかりと引き渡したいと心から願い続けている。

そんな思いを、私は、学校の先生たちだけではなく、周囲の年長者から学んだ歴史から培ってきた。そして、そのことに感謝をしている。私は、歴史の先生ではないけれど、知りうる知識を、できる限り、生徒たちに伝えられたらと思っている。

(Y.K)
by terakoya21 | 2010-08-17 15:10 | 寺子屋の日々

英語塾の寺子屋かめいの元気を発信します


by terakoya21
プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る