My Flower Arrangement (てらこや新聞第63号 竹川先生のコーナーより)
2010年 07月 22日
今回は土色の素朴な雰囲気の舟形の花器を使って「サンダーソニアをいける」というテーマにアレンジしました。
サンダーソニアは、一つの茎にいくつもオレンジ色の小さなベル状の花を咲かせる可愛らしい雰囲気の花です。ベル状の花は下向きにつき、また茎も葉も細いので、楚々とした雰囲気が 特長の初夏の花です。茎のすらりとした長さを生かしたくて、今回は「パラレル」という手法-花材をまっすぐ立ててアレンジする方法を用いました。
中央部にサンダーソニアを2本、高さを出してあしらい、低い位置にもちらしました。左側の 足元にはギボウシの葉を2枚、右側の足元には白い斑模様が爽やかなナルコユリをあしらいました。
サンダーソニアは可愛らしい花ですが、これ だけでは物足りないので、右側には朱色のカーネーションを2輪、高さを変えて添え、左側には爽やかなグリーン系のカーネーションを3輪あしらいました。
野の雰囲気を出したくて、アイビーを底部と中央部に絡ませました。
最後にドライ状態になっているエルサレムセージを左側にあしらってみました。瑞々しい雰囲気のアレンジの中にドライ状態のちょっと異質なこの花が入ることで、雰囲気がぐっと締まり、良い味付けになってくれています。
サンダーソニアは可憐で楚々としている可愛らしい雰囲気の花なのですが、私が今回アレンジしたサンダーソニアは、初夏の太陽に向けてぐんぐんと背丈を伸ばすかのような雰囲気…。野趣あふれる初夏の、サンダーソニアの持つ雰囲気を打破するような、ちょっと力強いイメージのアレンジになりました。花で涼しさを感じたい季節になりますね。
(K.T.)