Bonjour! (てらこや新聞55号 谷先生のコーナーより)
2009年 11月 11日
10月はラジオやテレビの新番組が始まる時期だ。その一方、9月には「この番組は今月いっぱいで終了します。」という告知を見聞きすることが多い。生活の一部と化していた番組の終了は、行きつけの店が閉店を迎える感覚にも似ている。いっそうの物悲しさを覚えるのは、秋という時節柄だろうか。
9月の大型連休に訪れた東京、そこは変わり続ける都市だということを再認識した。私が見た東京には、エネルギーが満ちていた。御上りさんの私は、目の前を人やモノが絶え間なく流れ行くのを眺めるだけで一日が過ごせただろう。開店したてのお店、工事中のビル……二度目の場所も、数年前のそれとはずいぶん異なっている。昨日までなかったものが今日誕生し、明日は成長するかたわらで、今日あるものが明日は姿を消している。
「始まり」と 「続き」と「終わり」があることで、社会は成り立っている。決して東京に限ったことではない。私の地元でも、幼少期と比べれば、様変わりをしている。そうした社会や時代の変化を「進化」と呼ぶのか「衰退」と呼ぶのか、あるいはもっと別の言葉で表わすのか……それはまた別の話。