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あとがき (てらこや新聞48号 亀井先生のコーナーより)

早いもので3月「てらこや新聞」も48号・・・発行から4年目の終わりとなりました。4周年記念特大号のトップ記事には「食のあいうえお」という新コーナーを立ち上げることができました。寺子屋生のお母様で調理師兼管理栄養士の川口さんにお願いした原稿ですが、この1年間、高校生の食事を作りながら、食生活の大切さと食から学ぶことの大きさを再認識する私にとって「食育」に関する記事が載せられることは念願叶ったとも言え、とても嬉しく思います。川口さん、ありがとうございます。そして、連載の皆さん、いつもながらの興味深い記事をありがとうございました。4月には5年目が始まります。また寺子屋は3月開校10年目に突入しました。「寺子屋かめい」も「てらこや新聞」も、いろいろなことに精力的にチャレンジしながら、今まで通り努力を続けていきたいと思っています。皆さん、これからもどうぞよろしくお願いします。

さて、2月の私の友人からの手紙について、私が大学院留学前に教えていた生徒から先日メールが届きました。新米ママとして仕事をしながら子育てをする彼女には、考えさせられるものがあったそうです。このところ、年に1・2度彼女に会いますが、子どもが生まれて数ヶ月で職場に戻ったものの子育てとの両立にいつも試行錯誤、自問自答を繰り返しているようで・・・毎回長男君に会うのも彼女の近況を聞くのも私は楽しみにしていますが・・・確かに彼女にはあの手紙は悩ましいものだったのでしょう。

私は、結婚とともに幼少時代から続けていた民踊やお琴の師範も、数学の先生としてのキャリアも捨て、家に入った専業主婦に育てられた・・・といっても、我が家は自営業・・・母は「専業主婦」ではなく、社会的には「専従者」と言われる父の経営する塾の従業員の1人でした。それでも、彼女は帳簿をつけたり、従業員の世話をしたりしながら、家事も5人の子育ても任され、6人の介護までしたスーパーウーマンで、私が人生で唯一人憧れ、目標としている女性です。そのため、幼い頃からそれほどまでに好きになれる人が現れない限り、結婚はしないと決めていた私は、おのずとall or nothing・・・専業主婦でなければ結婚しないと考えるようになりました。だから、私がまず「専業主婦」に憧れたのは、「子育て」のためではなかったのです。

そして、周囲を見回してみて下さい。母親が専業主婦だから、共働きの「かぎっ子」だから、母子家庭や父子家庭だからと言って子どもたちに問題があるわけではありません。そして、子どもたちに向けられたプレッシャーは、どんな家庭にも多かれ少なかれあるものです。また、子どもたちの問題は、どんな家族にも多かれ少なかれあるものです。

それでも、現代の日本が抱える子どもたちの問題は大人たちの考え方に大きな影響を受けているように私には思えます。人生は大なり小なり「取捨選択」の繰り返しです。そして、多くの場合、その取捨選択は白か黒かというような明らかな選択肢ではないはずです。また、その選択肢には必ずしも自分の望むものが入っているとは限りません。どちらの方がましかという比較的な選択肢の方が人生では多いはずです。

また、「自由」であることは、必ず「責任」を伴うのと同じように、その選択肢には多くの場合、いいことばかりではなく、嫌なこともたくさん伴ってくるものです。

私が先々月のあとがきで触れた専業主婦の友人も、私の人生の目標であり続ける母も共通して持っているものが、その人生における取捨選択の良いものも嫌なものも受け入れる「潔さ」です。そして、その潔さは、彼女らの家庭での幸せを作り出し、家族の理解を引き出し、結果的にみんなの幸せをひきつけていると私には思えるのです。

結局、家庭の円満も、子どもたちの幸せも、お母さん、お父さんの満足と笑顔から・・・だと感じます。人間誰しも迷うもの、悩むもの・・・そして、人生における「正解」などない-そのときの自分の精一杯を生きることが大切なのだと思います。けれど、なにより家庭で大人が笑っていれば・・・大人が幸せそうであれば・・・何もかもが上手くいくような、何もかもが上手くいっているような・・・そんな幸せな気分が子どもたちにも伝わっていき・・・問題はあっても、いつか必ず解決していくのではないかと・・・能天気な私は思うのです。

そして、お母さんの満足と笑顔は、お父さんの努力なしには・・・また、職場や周囲の男性陣の協力なしには・・・生まれないものです。その逆もしかりです。1人で悩まないで・・・そして、子どもの・・・いや、自分の人生の中にいる全ての人々の幸せは、まずは自らの幸せから始まるということを忘れないで下さい。先述の私の教え子ですが、メールの締めくくりに「子どもが元気であれば、働いていても、専業主婦でもどちらでもよいのではないか」と自分なりの結論を出し、「いつも新聞を読んでは考えさせられています」と付け加えてくれました。「子どもが元気である」と同時に、彼女自身が「元気で幸せであれば」おのずと道は開けていくものだと思います。・・・そして、自らを振り返り・・・毎日職場で子どもたちに囲まれ、家ではジョニーと暮らしながらかなり幸せな日々を送っているな・・・と感じる今日この頃・・(#^.^#)・。日本の息苦しさは、大人がすぐ白黒の議論になり、行き詰まり、子どもたちはいつも白や善でなければならないというプレッシャーに押しつぶされそうになっているからのように感じます。深呼吸して、小さいけれど確実に身近にある幸せを探してみませんか。

「冬の冷たい雪の遥か下にある種が、太陽の愛を受けると春に、芽を出しバラになる。」なんて歌がありましたが・・・花粉や黄砂に悩まされる季節でありながらも・・・すでに、芽生えの季節です。(#^.^#)小さな幸せを周囲の大切な人々と分かち合うにはもってこいの季節ではないでしょうか。

(Y.K)
by terakoya21 | 2009-04-22 15:01 | あとがき

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