旅日記(てらこや新聞145-146号 海住さんのコーナーより)

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ベニス・ミラノ(イタリア)からアムステルダム(オランダ)へ

1月の阪神大震災、3月の地下鉄サリン事件が続き、日本の「安定」をぐらつかせる契機となった   1995年も晩秋を迎えている。秋の入り口のほうではチェコのユースのロビーのテレビで、ユニフォームの袖に「がんばろうkobe」のロゴを入れたイチローらオリックスの戦士たちがリーグ優勝に歓喜する姿を見た。頑張れば復活することができる。まだまだ日本は大丈夫であるとだれもが信じていた。

当時、独身で30代半ばだったわたしは、かねてよりの海外への夢を実現させるのはこの時期しかないと、読売新聞記者の「安定」と「夢」を等価交換できる余裕を保つことができていた。30歳にして夏冬それぞれに90万円ずつあったボーナスを米ドル預金にし、世界どこでもキャッシングできるようにして多額現金を持ち歩かずに、自由な旅ができた。この旅を終えたら、松阪に帰ると決め、成田を   出て3か月がたとうとしていた。

11月になっても豊熟の秋に彩られたイタリアだったが、さすがに11月も下旬に入れば、ここベニスのサン・マルコ広場の午後のたっぷりな日差しも長い影を感じるようになった。が、キラキラと日差しを照らす海面高い海に面した広場の陽だまりは心地よく、広場とサン・マルコ寺院との間の回廊の日陰ではホームレスが一人、ベンチにゆったりと腰かけたまま快適な午睡の中にあった。ホームレスという暗さは感じず、その様子が、あまりに絵になる美しさを感じた。

大変失礼ながら、本人に断りもなく、こっそりとカメラのシャッターを切り続けた。困ったのは、わたしを真似して写真を撮る観光客の人だかりが出来たことだった。しかし、わたしが狙った構図は、寺院の回廊のシルエットと陽だまりとの対比、そして、その陽だまりの恵みを満喫する睡眠だった。世界的に見れば、ジャーナリストの多くが不安定なフリーランスという中にあって、たいへん恵まれた「スタッフ・ライター」という記者の地位を捨てこの旅に出た私自身がその後出くわすであろう未知の怖さを描いたわけではなかったが、それを感じた一枚だったのかもしれない。百聞は一見にしかず、ここに、その写真をご披露させていただくことにする。

わたしのベニスの旅は、鉄道の駅とサン・マルコ広場を歩いて往復したぐらいで、この一枚の写真がすべてであった気がする。無銭飲食のホームレスのおじさんにお土産のピザさえコートのポケットにねじ込んであげた屋台のおやじの底抜けの人情を見た貧しい南のナポリの下町から、裕福な北イタリアの都会ミラノに近づきつつある。それに伴って旅は面白くなくなる。ベニスのあとはお昼にミラノに着くが、ほんの少し街を歩いただけでいいところも見つける努力もせずに、ベニスの2倍近い値段のする宿泊所に引き返し、翌朝6時には起きて、イタリアを出国することにした。

寒いところは嫌だから、鉄道で南仏を経て、スペインに向かおうと、フランスのニース行きの国際列車に乗った。もちろん、高級リゾートのニースに宿泊する“用意”は持っていないので車窓の風景だけパスをし、漁師の名物料理ブイヤーベースを当てにして港町マルセイユで下車しようと考えていた。  ところが、なんとも運の悪いことにフランス国内の鉄道は突如全面ストに入ってしまった。「鉄道のストぐらいすぐに終わるさ」と、かつての日本の国鉄のストぐらいに考えていた自分が甘かった。ストの収束まで1か月ぐらいかかるらしい。さすがは革命を起こし、一時はプロレタリアート独裁の政権を樹立したフランスだ。国境に近いジェノバで折り返し、スイスを経てベルギーのブリュッセルに向かうことにした。

しかし、フランスのストの影響で国際列車の車両のやりくりが大変なのだろう。乗り換えに次ぐ乗り換えと、動いているのか止まっているのかさえわからないようなノロノロ運転と行き先変更のアナウンスの連続。そのたびに別の列車に乗り換える。ヨーロッパの鉄道は大混乱だった。

こんなときも世界のバックパッカーたちは、フランス国内を格安バスで通り抜けるという話を聞いたが、わたしはこの年の年末まで有効のヨーロッパの鉄道乗り放題チケットである「ユーレール・パス」を持参しているのでゆっくりと身を委ねることにする。

どうやらスイスに向かっているようだ。車窓は雪一色に覆われた山々で、谷も深い。客車は窓が大きく、おしゃれなものに替っていた。夏の観光シーズンには大勢のリゾート客の歓声が聞かれることだろう。乗り換えを待つ間、一度はスイスの空気を吸っておきたいと外に出たが、雪ばかりでその風景の良さなどわからない。しかも、物価がべらぼうに高い。イタリアの通貨リラの桁がいくつもゼロが削り取られていく感触だ。スイスのチョコレート一箱が、イタリアの宿一泊分のような気がして、すぐにこの国は発つことにした。よって、わたしのスイス滞在はほんの20分足らずとなった。

ミラノを午前7時10分発のニース行きの列車に乗り、一応の目的地に着いたのは翌朝9時40分だった。26時間半も列車に乗っていたことになる。この旅でヨーロッパに着いたとき、記念すべき第一歩を記したアムステルダムに到着した。疲れているときは知らない街であくせくと宿を探すより、頭に街の輪郭が入っているところのほうがよい。東京駅の丸の内口とデザインが似たアムステルダム中央駅を背に、小さな懐かしいホテルに向かって歩いた。さっぱりとした空気感漂うアムステルダムの街は疲れた身に心地よい。

(1995年11月23日~27日)


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# by terakoya21 | 2017-07-30 08:30 | 新聞145-146号

てらこや日誌

July 29, 2017

今週最後の授業日です。

168.pngMy best friend is the one who brings out the best in me.


最高の友だちは、一番良い自分を引き出してくれる人である。168.png

ヘンリー・フォードの言葉です。

この夏、中学に入学して最初の先の中間テストで数学の点数が
・・・という昨年からの寺子屋生が数学講座に参加しています。
そして、彼の学校の友人がこの夏から入塾してくれて
数学クラスでは、一緒に勉強をしていますが

この2人が わからん、もういや、数学嫌い!なんて元気よく文句を言いながら

目の前の「しなければいけないこと」を投げ出すことのない姿に

いろいろと考えさせられています。

子どもたちにとって「学ぶこと」がいつから「めんどうな」、「いやなこと」に分類されるようになるのか、、、

私も、たしかに宿題などはめんどうな いやなこと に分類していたけれど

長い間学生であったのに

「学ぶこと」ー勉強全般が「めんどう」で「いやなこと」であったことはあまりありません。

それは、ちょっとした発見に「すなおに驚く瞬間」や「達成感」が 随所にあったから
そのとき、苦しく そのとき 大変で ちょっと面倒でも それで
帳消しになったからではないかと思うのです。

その楽しさを知っているから、私は今、この仕事が楽しくて
少しでも多くの子どもたちがその楽しさを見出してくれたらいいな と願って続けているように思います。

昨日は、3時からの数学の授業を少し延長して 4時半過ぎまで受けて
その後部活動のけがのために病院に行き
また5時20分くらいに戻ってきて 8時まで英語の授業を受けていった中学1年生君

最後に

「あぁぁ、めっちゃ疲れた。 でも、先生 楽しかった。 たぶん月曜日も来るわ」
(月曜日は自分の授業日ではなく、友人の振替授業のときに一緒に勉強するつもりだそうです)

と帰って行く姿に

本来子どもたちって、こういうものじゃないかなぁと思うのです。

学ぶために 脳を動かすことは、スポーツ後の爽快感と同じものがある―

そのことを忘れているというか、知らないのは大人たちではないかと 思う今日この頃です。

さぁ、今週最後の授業日 
持病のために若干の体調不良ある私ですが

気を引き締めて 心を込めて臨みます。

本日もどうぞよろしくお願いいたします。

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ご案内していた夏期講習の申込み期間は締切ました。 ご了承ください。
なお、昨年度より入塾受け入れ態勢を変更しておりますので
中学生以上の途中入学には、夏期講習の受講が必要な場合がございます。
入塾ご希望の方は、お問合せください。
ただし、公立中学3年生、および高校3年生のこれ以降の受け入れはいたしませんので
ご理解、ご協力をお願いいたします。

177.png177.png177.png177.png177.png

寺子屋かめい
松阪市内五曲町31-4
tel/fax 0598-21-0148
email: terakoya@poppy.ocn.ne.jp

通年、日曜日と月曜日にお休みをいただいています。
お電話でのお問い合わせは、火曜日~土曜日の14時以降21時ごろまでにお願いいたします。

169.png169.png169.png169.png169.png
寺子屋かめいでは、昨年度より入学受け入れ態勢を変更しています。
詳しくは、カテゴリ「寺子屋かめい」内の
「てらこや日誌・寺子屋の目標」・「寺子屋の目標①~③」をお読みください。

(Y.K)









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# by terakoya21 | 2017-07-29 10:28 | 日記

てらこや日誌

July 28, 2017

169.pngIt’s not the years in your life that count. It’s the life in your years.

何年生きたかではなくて、どのように生きたかが大切である。169.png


リンカーンの言葉です。

先日、大学受験生が

「6時間以上寝たら、落ちる」と先生に言われた

と言っていました。

よく聞くお話ですが、聞くたびに首を傾げ

私は、最後まで9時間睡眠だったけど、第一志望に受かってますが(笑)
と言ってしまいます。

学習も時間ではなく、内容です。
人それぞれの勉強方法 時間があっていいはずです。

その勉強方法や時間を高校3年生になるまでに見つけられず
そんな言葉に惑わされることが失敗の原因だと私は思います。

自分の得手不得手を知ること
自分のやり方を見つけること

高校2年生が終わるまでにしっかりと考えてほしいことです。

私は、若いときには8時間は寝てほしいです。
そして、学校の授業をしっかり聞いてほしい―

それが基本です。

受験勉強と学校の勉強を分けて語る人が多くいますが
受験勉強の基礎は学校の勉強のはず

そこからどうやって発展させていくか
どこまで幅を広げるかは、自分の進路次第ですが・・・

よく寝て、しっかり授業を聞く

しっかり授業を聞くために しっかり寝てほしいと思います。

勉強は時間で測るものではありません。
内容とどれだけ学べているかです。

そう伝え続けたいと思っています。

さて、金曜日

今日も気を引き締めて臨みます。

どうぞよろしくお願いいたします。


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ご案内していた夏期講習の申込み期間は締切ました。 ご了承ください。
なお、昨年度より入塾受け入れ態勢を変更しておりますので
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# by terakoya21 | 2017-07-28 08:30 | 日記

7の日

July, 27th, 2017

2017年7月27日です。

みなさんいかがお過ごしでしょうか?

 

 夏休みが始まりました。174.png

そして、寺子屋の夏期講習も本格的にスタートしました。

この夏から寺子屋へ通いだす生徒もあり、

1週目は様子を見ながら進める授業が続きます。

 

 さらに、今年のスケジュールは振替えや急な欠席連絡なども重なって、

ほぼ日替わり状態のため、週間のタイムスケジュールが手放せません。116.png

 

 104.png空き時間には、夏期講習の進め方も考えつつ、

通常授業の予習と生徒へ出す課題の構想&作成を進め、

夏休み中もクラブ活動へ頻繁に参加する生徒も、やはり、普段よりも元気な気がします。

166.png日々、日焼けの度合いが増していく様子を観察するのは、夏の楽しみ()の一つです。

 

 みなさんは、いかがでしょうか。

では、次回をお楽しみに!!


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# by terakoya21 | 2017-07-27 09:27 | 〇の日

てらこや日誌

July 26, 2017

169.pngThe future starts today, not tomorrow.


未来は明日ではなくて、今日始まる。169.png

ヨハネ・パウロ2世の言葉です。


夏休みが始まって1週間足らず
毎日、生徒たちの顔を見ながら そう思います。

今、彼らがしておくことが
そして、今、私たちが言っておくことが  次へつながる

昨日は・・・夏休みが始まって初めての火曜日でした。
公立中学生対象だった中学3年生講座ですが

私立中学に通う寺子屋生君が

中3の分野で 数学躓いている気がするから受けていいですか?と相談してもらったので

特別に受講をしてもらっています。

昨日は、公立中学校に通う受講生が
水泳の中体連の大会でお休みだったので
彼と将来の進路なども聞きながらの授業

楽しくさせてもらいました。

夏休みのスケジュール調整をするたび
大手塾の「この時間」と決めたスケジュールに皆が合わせてくれるという環境が
若干うらやましいと思うのですが

夏休み―夏期講習は・・・

個人塾だからできることがたくさんあって 
だから この仕事がいつまでも続けていたいと思えるのだということを

改めて実感する時間でもあります。

本日もどうぞよろしくお願いいたします。

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(昨年の今ごろ遊びに行った東京で撮った写真です)

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# by terakoya21 | 2017-07-26 08:30 | 日記

英語塾の寺子屋かめいの元気を発信します


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