2017年 05月 03日 ( 1 )

I LOVE BOOKS! (てらこや新聞143-144号 竹川のコーナーより

BOOK80柏井 壽 「鴨川食堂 おまかせ」
(小学館文庫)

BOOK81近藤史恵「マカロンはマカロン」
(創元クライム・クラブ)

今回ご紹介する本は2冊とも、以前ご紹介したことのある本の続編です。

まず「鴨川食堂 おまかせ」の方から・・・。以前にご紹介したのは「鴨川食堂」という本だったのですが、今回ご紹介する  「おまかせ」の間に、「鴨川食堂 おかわり」と 「鴨川食堂 いつもの」という2冊が刊行されています。どの本も全て同じ展開になっているので、順番に読んでいかなくても楽しめると思います。

京都の東本願寺近くにある、看板もないため一見すると食堂とはわかりづらい鴨川食堂には、いつも人生に迷いを持った人がやってきます。鴨川食堂には板前をする鴨川流と、思い出の食を探すという探偵事務所の所長である流の娘こいしがいます。探してほしいという食はおにぎりや味噌汁、マカロニグラタン、豚の生姜焼きなど、特別な料理ではなく日常よく口にする食ばかり・・・しかも、かなり断片的なキーワードしかなく、見つけ出すのは難しいのでは…と思われるのですが、どれも見事に見つけ出されます。思い出の味とともに 訪れるのは、苦い思いや今は叶わぬ思いなど、懐かしさと切なさが混在します。流の語る言葉がじんわり心にしみる一冊です。

もう一冊「マカロンはマカロン」の方は以前ご紹介した「タルト・タタンの夢」「ヴァン・ショーをあなたに」の続編です。

お話の舞台になるのは商店街にあるビストロ・パ・マルという小さなフレンチレストランです。事件といえるほど大げさなものではないけれど、日常のちょっとした疑問や謎を、ぶっきらぼうな三船シェフが、訪れる客の表情や仕草、会話の端々からヒントを得て謎解きをしていくというお話です。

どちらの作品も、人生のほろ苦さを美味しい料理で包み込むやさしさが味わえます。

( K.T.)



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by terakoya21 | 2017-05-03 08:30 | 新聞143-144号

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