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あとがき (てらこや新聞41号 亀井先生のコーナーより)

生徒たちに「鬼」だとか「魔性の女」だとか「魔女」だとか好き勝手言われる私ですが・・・夏休みも後半、8月の半ばになると少しずつワクワクしてきます。そして、生徒たちに・・・「もうじき、夏休み終わるな~!うれしいなぁ~!」と声をかけます。

なぜ、「魔女」や「鬼」と呼ばれるか、もうお分かりだと思います。私が夏休み後半に入ると嬉しくなるのは事実ですが、それを口に出して生徒に伝えるのは、楽しい時間はあっという間に過ぎ、現実がもう目の前にあることを8月半ばには生徒たちには自覚してほしいと思うからです。

・・・「宿題は終わっていますか?」

・・・「生活のリズムは整っていますか?」

私は、夏休みの宿題を最後に残す子どもではありませんでした。生活のリズムを大きく崩すこともありませんでした。そして、それが「普通」である社会の方が、健全だと考えています。だから、早め早めに何もかも声をかけ、子どもたちに行動を促したいと思います。

今年度入学の高校2年生の生徒に、中学卒業まで夏休みの宿題をもらっても、すぐ捨ててし まったから宿題をしたことがなかったという生徒がいます。「なぜ捨てたのか」という私の質問に、彼はさらっと「いらんかったから」と答えました。 私は、爆笑をして・・・「夏休みの宿題を「いらん」と思わない人はいないでしょう。いらんから捨ててしなくていいなら、みんな捨てるじゃない!」と言うと彼は、「あ、そうか」と今気がついたように笑っていました。その話を高専生の数学アシスタントにしたところ「僕は、夏休みの宿題、いりますよ。卒業できないと困るから・・・」との思いがけない返事がありました。

・・・上述の夏休みの宿題を中学時代したことがないという生徒・・・現在、私が鬼のように出す大量の宿題を毎週+αまでやってくる勤勉さを持っているだけではなく、学校の科目の中で2番目に苦手だという英語の飲み込みは寺子屋生の中でもピカイチだと私には思えます。

寺子屋開講以来の「模範生」の代名詞である高専生アシスタントも、この高校2年生の生徒も結局、勉強が自分のため、それに費やす時間は、将来の自分への投資だと知ったときから、「宿題」を含め勉強することが自分には必要であることに気がつき、将来の自分のために費やす時間、労力を自分で考えられるようになってきたのだと思います。そして、彼らの成長の過程には、いろいろな大人との出会いがあったはずです。 高校2年生の彼には、すてきな担任の先生の存在が、高専生にはすばらしいご両親の影がいつも感じられます。そんな存在の先生やご両親が、私にとっても憧れの人となりつつあります。

「厳しい」けれど「やさしい」大人は、やはり子どもたちには大切な存在です。私が、夏休みが後半に入ると嬉しくなる1番の理由は、平日の昼間の街から子どもたちの姿が消える日が近づくからです。平日の昼間の街で出会う子どもたちに、「厳しい」けれど「やさしい」大人の存在を感じられなくなって久しく、私は、学校の夏休みが始まると外に出るのが億劫になって10年が経ちます。これは、私が米国留学から帰国してからの年数と同じです。

子どもたちに、いろいろなことを伝える・・・それは、ときに彼らにとっては不愉快なことかもしません。それでも、長期的に見て、彼らのためになるのなら、大人は伝えるべきことを伝える勇気を持ってほしい、自分は持っていたい・・・その思いは毎年、夏になると強くなっていきます。

さて、いつものように最後になりましたが・・・連載の皆さんに、今回も無事「てらこや新聞」が発行できたことを感謝したいと思います。いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。まだまだ暑い日は続くようです。皆さん、水分補給、体調管理をしっかりして、体には十分気をつけて下さい。

(Y.K)

PS:8月15日発行のてらこや新聞のあとがきです。
by terakoya21 | 2008-09-25 17:26 | あとがき

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