人気ブログランキング | 話題のタグを見る

上越だより (てらこや新聞37号 下西さんのコーナーより)

食便り
 
私は結婚してから、転勤などでたびたび引っ越しをし、四つの地方で生活しました。その中で、上越市が最長の20年になります。

引っ越しは、なかなかしんどいものです。引っ越しをする者の心理は、荷造り・掃除などの肉体的なしんどさのほかに、友と別れる辛さや、次の場所で対応できるかの心配もあります。自分だけでなく、子供がいれば、子供のしんどさも親として、引き受けなければなりません。私の場合は、深く考えないで、次の場所がどんな所か、楽しみにすることで、引っ越しの原動力を得ていたように思います。

新潟には、全く地縁血縁がありませんでした。しかし、いろいろの人脈ができ、友達の輪ができ、いつのまにかネットワークにがんじがらめになって、今に至っています。また、不思議なことに、この地で、同郷のイトウさん夫妻(松阪・波瀬出身)と知り合えるとは。

新潟に住んで、この地がおいしい食材の宝庫だと思うことがしばしばあります。四季の変化に富んでいることもありましょう。豊かな農地にも恵まれていることも事実です。日本海にも面しています。食文化という点では、ハナマルの土地です。

気になる春の食材を挙げてみましょう。春は、なんと言っても山菜。


【ふきのとう】
雪が解けると「ふきのとう」が顔を出します。実家にある「ミズブキ」より小振りなので、「やま蕗」でしょうか。この蕗はちょっと郊外に行けば、よく見かけますが、私の住むアパートの隅にもだれが持ち込んだのか、生えてきます。この「やま蕗」の赤ちゃんが「ふきのとう」です。雪が解けると同時に顔を出した「ふきのとう」を、そそくさと採ります。日が当たってないほど、苦みが少ないから、そして、同じアパートの住人に、この「ふきのとう」を待ちかまえている人がいるから。

もちろん、天ぷらにして食べます。ふきみそもいいですね。


【たけのこ】
山菜のたけのこは、「根曲がりたけ」とか、「姫たけ」という名前で、ちょうどグリーンアスパラの形状で、孟宗竹(もうそうちく)よりもあっさりした味でしょうか。食べ方は、採れたて新鮮なものは、縦に切れ目を入れてオーブントースター(あれば七輪)で焼きます。塩かマヨネーズをつけるだけでおいしいものです。また、通常は皮をむいてゆでて料理します。地元の人は、たくさん採ってきて、瓶詰めにし保存食にもします。

このたけのこ採りは、山の雪が消えた4月下旬から5月頃のお楽しみで、山を登りながらたけのこを探します。地をはうようにして上るので、しかも、採るのに夢中になるので、しばしば迷子になるらしい!

今年は、たけのこ汁の作り方を聞いて、作ってみようかと思っています。元祖たけのこ汁には、なんとサバ缶を入れるのですって。


わらび・うど・こごみ・たらのめ・アケビの芽……。山菜はまさに季節限定のもので、食べる楽しみだけでなく、採る楽しみもありそうです。私は、食べる専門ですが。


松阪の郷土料理は何か聞かれると、困ってしまいます。牛肉の細切れを入れた炊き込みご飯は、その資格がありそうです。でも、他には?そんな時には、同郷のイトウさんに聞いてみます。彼女も、私と同じ答えで、私と同じ思いを持っていたのでホッとしました。

伊勢の地は、海の幸も山の幸も豊富で、その上「松阪牛」という有名なブランドの食材があります。しかし、これぞ庶民の郷土料理というものは少ないのかなぁと、思います。
by terakoya21 | 2008-04-30 16:36 | 上越だより

英語塾の寺子屋かめいの元気を発信します


by terakoya21