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上越だより (てらこや新聞30号 下西さんのコーナーより)

昨年の秋は、両親の入院騒ぎで再三松阪に帰った。11月初旬に松阪駅周辺で、ちょうど氏郷祭に出くわした。初めてその祭に参加した。縁日のような露店が並び、フリーマーケットやパフォーマンスのテントがあった。また、幼児を交えた武者行列もあり、ほのぼのとした祭であった。蒲生氏郷は、在任期間は短かったが、松阪城を築き今の松阪の町造りを行った人として、400年後の郷土の人々に讃えられ親しまれて、この祭が存在する。

ところで、私の住む上越市は、氏郷と同時代に活躍した上杉謙信の故郷である。謙信のゆかりの地は、山形県の米沢や新潟でも栃尾などほかにもいろいろあるが、上越市は謙信が幼年期から過ごした土地であり、勉学修行した林泉寺(りんせんじ)、そして居城である春日山城(かすがやまじょう)などゆかりの場所がある。林泉寺には謙信の墓所もあり、宝物館にはゆかりの品々もある。春日山城は山城だったので今はもちろんその形はないが、史跡として、検証され保存されている。

そして、謙信公祭(けんしんこうさい)である。

今年の謙信公祭は8月25日にあった。私は、上越在住19年目で初めて参加した。NHKの大上越だより (てらこや新聞30号 下西さんのコーナーより)_c0115560_20313749.jpg河ドラマに出演のGackt(ガクト)が、謙信役で武者行列に参加するからだ。Gacktは、500人の武者行列の最後尾に自身の楽曲をバックにさっそうと白馬に乗って登場。「いさ、出陣!」と川中島の戦いに出陣を呼びかけるパフォーマンスもあれば、震災にめげず「我と立ち上がろう!」のメッセージもあった。また、彼は、義に生きた謙信を尊敬し、上越を武士道発祥の地とまで言ったのである。

ビジュアル系のロック歌手のGacktについてはよく知らなかったが、確かにこの日のGacktは老若男女数万人のハートをがっちりつかんだ。彼の持つオーラというかカリスマ性というか、そんなものが、50歳代の私にも伝わってきた。マスコミの力も借りて、またイベントとはいえ、一人の若者の出現でかくも人々の心を揺さぶるとは。

上杉謙信の地元・上越の人たちは、謙信役には厳しい見解を持っていた。「謙信はやはり謙さんだろう」(謙さんとは、新潟出身で上越にも住んでいた渡辺謙)といっていた古老もこの度のGacktの出現で評価が変わると思う。

いつも静かな上越で、この日ばかりは熱く燃えた。いつもはシャイな上越市民も心を奮わせたのであった。

【参考】謙信公祭は二日間行われる。武者行列のほかに、みこし巡行や近くの砦からの狼煙上げや民謡流しなど30近くのプログラムがある。武者行列は春日山城趾に近い4車線の道路の一部を通行止めにして行われた。武者の仮装は例年150人のところ今年は500人となる。沿道に詰めかけた観客8万人は、市外県外からも駆けつけた。すべての祭の参加のべ人数は20万人になるとの報道もある。この数字は82回目になる祭始まって以来の新記録らしい(地元紙「上越タイムス」による)。
上越タイムス http://www.j-times.jp/news.php、
上越観光ネット http://www.city.joetsu.niigata.jp/kankou/
by terakoya21 | 2007-09-23 20:32 | 上越だより

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