Howdy?! (てらこや新聞136号 竹川のコーナーより)
2016年 08月 28日
これと言って特に必要というわけではないけれど、なぜか集めたり大切にとっておいたりするものがありませんか。
子どもだった頃、母が見せてくれた箱には、綺麗なハンカチがたくさん入っていました。和服が入っている箪笥の中に仕舞われていたその箱は、少し樟脳の匂いがして、箱の中のハンカチはとても綺麗で、幼心にも大人の気分を味わえる気がしました。
大人になって自由にお金が使えるようになってからしばらくの間、私もお気に入りのハンカチを集めていたことがありました。私自身が子を持つ母となってからは、ハンカチの出番はめっきり減って、代わりにタオルハンカチばかりを持ち歩いたり使ったりするようになっています。けれど、今でもハンカチを見ると、母のハンカチの納まっていた箱を思い出して、樟脳の匂いまで思い出されるような気がします。
先日、母に用事を頼まれて車を出した時、タオルハンカチを別のカバンに仕舞っていて持ってくるのを忘れ、母からタオルハンカチを借りて、思い出した母のハンカチの記憶。なんだかとても懐かしい気持ちになって、借りたタオルハンカチはそんな匂いは全くしないのに、樟脳の匂いがするかも…と匂いを嗅いでみたくなりました。決して良い匂いとは言い難いですが、懐かしさを運んでくれる匂いです。
(K.T.)