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上越だより ~ヨーロッパ編~ (てらこや新聞114号 下西さんのコーナーより)

「オイスターカード」

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2013年12月27日、パリ・ノルド駅(北駅)からユーロスターに乗車し(11時30分発)、ロンドンのセント・パンクラス駅(14時30分着)に向かいました。あこがれのヨーロッパに3か月近く滞在していて、この上なく贅沢な日々でしたが、いささか疲れ気味。「もう日本に帰りたい」、という気持ちを抱いたままのロンドン上陸でした。そのロンドンの第一印象は、「ロンドンって  おもしろいかも」でした。大陸との相違点は、湿気を 含んだ空気感、そして、「自動車の左側通行」の安定感だったのかもしれません。

ロンドンの駅について真っ先に行ったことは、オイスターカードを手に入れることでした。オイスターカードとは、日本のSuicaやPASMOのような公共交通機関のためのICカードです。2003年から導入されたもので、キャッシュレスを進める意図があるのか、現金よりお得な料金体系になっています。たとえば、バス代4.70 ポンド(紙の切符)が、オイスターカードを使うと2.20 ポンドで、しかも、1日の上限が8.40ポンドです。また、オイスターカードは、公共交通機関の多くをカバーしているので、私は陸・地下・水・空の移動に使いました。

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ロンドンでは珍しく晴天にめぐまれた日、グリニッジ方面行きのバス(188番系統)に乗って、グリニッジ  天文台を目指しました。ここは、ロンドンの中心部から南東に位置し、テムズ河河口にあたり、世界遺産「河港都市グリニッジ(Maritime Greenwich)」に認定されているところです。「グリニッジ・パーク」は、最古の王立公園の中にあり、「旧王立天文台」だけではなく、「旧 王立海軍学校」、「国立海事博物館」、「クィーズ・ハウス」などがあります。

「グリニッジ天文台(旧王立天文台)」は、経度0度を示すところです(現在、国立天文台はサセックス州にある)。この天文台は、スチュアート朝時代(1603~1714)の1675年に作られました。英国が盛んに海外進出をはかっていたころ、船の航海のため経線の正しく測定することが必要だったようです。1884年には、「経度0度」が世界標準時として認められました。中学生のとき、グリニッジと明石(日本の標準時、東経135度)の地名を 覚えましたっけ。「経度0度」の子午線を跨いできました。

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「グリニッジ・パーク」には、海軍関係の歴史的建造物がいくつか建っています。「旧王立海軍学校」の一部として、礼拝堂とペインテッド・ホール(水兵さんたちのダイニング)を見ることができました。両方とも、建物が堂々としていて、しかも室内装飾がきらびやかで、天井画がすばらしいものでした。

「グリニッジ・パーク」には、19世紀に建造された快速帆船「カティ―サーク号」も展示してありました。当時、中国などと主に茶葉の交易に重要な役割を果たしました。現存する唯一のティークリッパーだとか。英国が大英帝国になっていく所以は、「海軍」と「海運」だったのでしょう。そして、特に「海軍」と「ロイヤル」の結びつきの強さをこれらの建造物や展示品から感じました。そして、これらの施設がすべて無料で見学できること、「恐るべし、大英帝国」です。

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グリニッジ天文台へは、バス停「カティーサーク」前で降車しました。もちろん、赤い二階建てバスです。バスに乗り込むときに、オイスターカードを読み取り機にかざし、「ピー」。そのバスをさらに乗り継いで、188番バス終点の「ノース・グリニッジ」へ向かいました。ここには、2012年のロンドンオリンピックの会場の一つ、「ノース・グリニッジ・アリーナ」があります。平たい銀色のドームに黄色い棒がいくつも刺さっている形状は、いかにも現代的でした(2007年オープン)。先のオリンピックでは、体操競技場として使われ、内村航平選手が個人総合で金メダルを獲得した場所です。現在は「ザO(オー)2(ツー)アリーナ」の名称で、コンサートやスポーツイベントなど多目的に使われています。

「ザO2アリーナ」の近くに、エミレーツ・エア・ラインのケーブルカーが運行しています。テムズ河口の南岸から北岸へ、わずか1kmの距離ですが、空中から移動することができます。オリンピック前に、大量の観客の交通手段の一つとして作られたそうです。

私ももちろん乗ってみました。公共交通機関なので、オイスターカードを使って、読み取り機にかざし「ピー」。改札を通れました。10人乗りというゴンドラに2人でゆったり乗って、空のお散歩。約5分のフライトらしいですが、結構長く感じました。客が少なかったので、ゆっくり動かしていたのかもしれません。最高高度が100m近くなるということで、眺望もスリル(最高高度のタイミングで強風 が…)も大満足でした。

ロンドンの地下鉄は、1863年から営業していました。総延長400kmで、ロンドンの地下(一部地上)を縦横に結んでおりますが、私は沿線の風景を見たいので、移動の多くをバスにしました。歴史ある地下鉄は一度、ウインブルドン方面に行くときに乗りました。ディストリクト線で、タワー・ヒル駅からサウスフィールド駅まで。改札に入るときに、オイスターカードを読み取り機にかざし「ピー」。改札を出るとき、再び「ピー」。

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テムズ河を周航しているリバーボートにも乗りました。タワーブリッジ近くのタワー桟橋から乗船。ここでもオイスターカードを読み取り機にかざして「ピー」。チャリング・クロス駅近くのエンバンクメント桟橋まで、短い距離でしたが、船から見える景色もまた一興でした。乗り込んだ船の船尾で、一人の男性がしゃべっていて、その姿をカメラが撮影しています。どうやらテムズ河のクルージングをレポートしているロケ隊に遭遇したみたい。

オイスターカードのおかげで、個別に切符を買わなくても、気軽に乗り物に乗れました。数度のチャージを繰り返しながら、ロンドンの新旧の名所を巡ることができました。
by terakoya21 | 2014-10-18 14:50 | 上越だより

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