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英文法の底力 (てらこや新聞105号 卒業生のコーナーより)

~進行形のはたらき~

まずは問題から始めましょう!次の文を見てください。

The train is stopping.

さて、このとき電車は止まっていますか?それとも止まっていないですか?

正解は、止まっていません。

ではなぜ止まっていないのか。これを理解するには「進行形(be-ing)」がどういうものなのかを理解する必要があります。

☆ 現在形の考え方
進行形の本質は「途中」です。
「人 / ものが何かをしている途中」を表すのが進行形のはたらきです。

では次の2つの文を比較してみましょう。
A. John plays baseball.
B. John is playing baseball.


Aの文は前回取り上げた現在(単純)形の文ですから、「Johnは(昨日も今日も明日も)野球をしている」つまり「Johnは習慣的に野球をしている」ということを表しています。

一方Bは進行形の文です。進行形の本質は何でしたっけ?そう「途中」です。です からBの文は「Johnは(今まさに)野球をしている途中だ」ということを表しています。

つまりAは「現在の事実」を、Bは「今まさに進行中の出来事」を表しています。

*ちなみに過去進行形の文なら「過去のある時点で途中」だった出来事を語るときに使われます。

では冒頭のクイズの文をもう一度考えてみましょう!
The train is stopping.
もうおわかりですね。進行形は「途中」ですから、この文は「電車が止まる途中」つまり「電車が止まろうとして  いる」ということを表しています。

☆ 進行形にできない動詞
高校生が使う文法の本に、必ず載っているのが「進行形にできない動詞リスト」です。
実は動詞の中には、以下のように基本的に進行形にできない動詞があります。

(状態など)
be, belong「所属している」, resemble「似ている」, consist「構成されている」, など

(知覚や心理など)
hear「聞こえる」, smell「においがする」, taste「味がする」,
like「好きである」, love「愛している」, know「知っている」, など


ここでもう一度確認します。進行形の本質って何でしたか?
「途中」ですよね。ですから基本的に進行形にできない動詞ってどんな動詞かというと「途中」って考えると違和感がある動詞です。
例えば、I’m knowing him. としてしまうと「私は彼を知っている途中です」となって何かヘンですよね。

☆ I’m lovin’ it
マクドナルドのキャッチフレーズに “i’m lovin’ it” という表現がありますよね。
この表現を正確に表記すると、“I’m loving it” となります。

この表現を改めて見てみると違和感を覚えませんか?
そうなんです。loveというのは上の表にも載せてありますが、基本的に進行形にできない動詞です。にもかかわらずここでは進行形の文が使われているのです。

このような表現はキャッチフレーズなどに時々見られる表現なのですが、あえて進行形を使うことによって強いインパクトを与えているのです。

つまり “i’m lovin’ it” と表現することで、(マクドナルドの商品を食べるたびに)好きになってしまうという断続的なニュアンスが出て、「何度食べてもおいしい」といった感じで、単にI love it.と言うよりも動的で生き生きした印象を与えているのです。

<今日のまとめ>

進行形は、『途中』

最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考文献 『イメージで捉える感覚英文法』 今井隆夫 / 開拓社 / 2010
『謎解きの英文法 時の表現』 久野 暲, 高見健一 / くろしお出版 /2013
『世界一わかりやすい英文法の授業』 関正生 / 中経出版 / 2008

前回までの「英文法の底力」はコチラ↓から

056.gif第2回 英文法の底力

056.gif第1回 英文法の底力
by terakoya21 | 2014-01-17 09:38 | 英文法の底力

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