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アメリカ研修日誌 (てらこや新聞103号より 大学生のコーナーより)

056.gif2012年8月9日から9月10日まで、寺子屋アシスタントの大学生がアメリカ研修に行きました。056.gif

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No. 9

7日目 続き

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part 3
昼食に呼ばれたので、エイミーたちの輪投げの店を離れ、Mrs.クベンカの店に戻った。ここで店番をしている人は、ヤナチェック家やそのいとこの方々、つまりテキサスで私が知り合いと呼べる人たちだ。顔を見ると少しほっとする。店の裏に荷物置き場兼休憩スペース用のテーブルがあり、そこでランチプレートをいただいた。

発泡スチロール容器のふたを開けると、どーんとお肉が山盛りになっている。仕切られた容器の中で最も広い面積のところを肉が陣取り、その他マッシュポテト、コールスロー、いんげん豆の煮物が肩を寄せ合っている。食パン二枚は居場所がなくて、それらに被さるようにして入っていた。ひとまず食パンを容器のふたに避難させ、ボリュームたっぷりのランチに取りかかった。しっかりした肉だが柔らかく煮てあり、味がしみ込んでいておいしい。テキサス(アメリカ?)では、肉が出てくると必ず、煮豆かじゃがいもがついてくる。じゃがいもは、フライド  ポテトやマッシュポテト、ベークドポテトなど様々に形を変えるが、付け合わせとしてはマッシュポテトになって出てくることが多かった。朝食の卵を、生卵か目玉焼きか温泉卵かと聞かれるような感じで、ポテトはどうしますか?と聞かれる店もあるようだ。

私はテキサスで出されたいんげん煮が気に入った。肉などと一緒に煮てあるのだろうか、塩味でこくがあっておいしかった。日本ではいんげんは胡麻和えくらいでしか食べたことがなく、キュッとした歯触りがあまり好きではなかったのだが、ここで食べたものは歯触りも気にならず私好みの味付けだった。

コールスローは、チェイスとシャーロットそれぞれに「これ、好き?」と時間差で聞かれた。「好きではないけど、食べられるよ。」と答えると、「うえ~」という反応。ふたりとも嫌いなのだそうだ。このランチに関して言えば、肉で重たくなってくる胃にはあの酸味があって助かったと思う。

午後からは、先生とオークション会場へ。バンド演奏の広場からさらに奥へ進むと、ドームを半分に切ったようなかたちの屋根付きステージがあり、それを囲むようにして段々と高くなっている客席がある。席はほぼ満席で、自分で持ってきた折り畳みいすやその辺の芝生に座っている人たちもいる。私たちは、ダーリーン さんとシェリルさんの姿を見つけ、彼女らの隣に座らせてもらった。

ステージの上には司会者と出品者がいて、品物を会場のお客さんに見せている。パスタやジャムなどの食品から、キルトのタペストリー、郵便受けやベンチまで、どれも手作りの品ばかりだ。このオークションは、*4fund-raising(ファンドレイジング)つまりは教会の活動資金を集めることを目的としているため、ジャム一瓶が  何千円、タペストリーが何万円でほいほい売れていく。オークションだけでなく、  このピクニックというお祭り自体がそのために開かれている。楽しみながらしかも 寄付になる、というところがいい。私は見物させてもらっていただけだが、壇上に 現れる商品に次から次へと声が上がり、新たな持ち主が決まっていく様子を見ているのはスカッとした。それに、会場にいるほとんどの人は知り合いといえそうな この行事だ。出品しているのがお隣の奥さんだったり、落札者が友人だったりするわけで。終始なごやかなムードの中、笑いや歓声、拍手が沸いてくる、そんなオークションだった。

ステージや客席をわくわく眺めていると、見覚えのある女性が私たちに声をかけてきた。昨日シェリルさんのところに滞在したときにお世話になった、プールの豪邸の奥様だった。(たしか奥様のお母様のお気に入りだったかの)「ロシアのお酒があるから飲んでみない?」ということで、大人たちに交じって私もご相伴にあずかることになった。手渡されたショットグラスに、ほのかに白濁したお酒を注いでもらって、いざ!5人で一気にグラスを傾けた。

うぉー、のどが焼けるように熱い!見るみる間に体が火照っていき、鏡を見なくても顔が赤くなっているのがわかる。初ショットグラス、初ウォッカ。そんな私をみて、大人たちは笑った。ベンチの前の通路を通る見知らぬおじさんやお姉さんにも笑われた。このまま立つと酔いが回りそうだと感じたので、先生が水を買いに行ってくれる間も、私は その場を動かずじっとしていることにした。お酒でふらふらといい気分になりながら、オークション会場の雰囲気を楽しんだ。

夕飯は屋台の手作りハンバーガーをいただいた。これまで食事はごちそうしてもらってばかりだったので、自分でお金を払って買ったのはこのときが初めてだった(その後も、その時々にお世話になる方々のご厚意に甘え、ほとんどお金を払うことはなかった)。お釣りと一緒に小さな用紙を渡された。レジの隣を見ると、横一列にお母さん方が並んでいて、それぞれの前にはトマトやレタス、ピクルスなどが並んでいる。なるほど。トッピングしてほしいものにチェックを入れて店の人に渡すと、流れ作業で皿が横へと運ばれていき、それぞれ担当の人が自分の担当の具にチェックがあればのせ、なければそのまま隣へ皿を回していく。あっという間に、私好みのハンバーガーの完成だ。時々青い缶ビールに持ちかえたりしながら、ずっしり重たいハンバーガーを両手で持ち、かぶりついて食べた。テキサスに来てから、私の中のハンバーガーの株はぐんぐん上昇している。ファストフードとしてではなく、食事としておいしいと思う。日本でいうところのおにぎりのような食べ物なのかもしれない。

バンド演奏の広場では、シャーロットやいとこの子どもたちも踊りに参加している。ペアで踊っていた昼間とは違い、このときは広場のみんなで輪になって踊っている様子だった。見知った顔、見知らぬ顔。みんなコミュニティの人たち。子どもも大人もそれぞれに、また共に楽しみながら、ピクニックの一日は過ぎていった。あの日を思い出すと、おじさんたちの演奏をBGMに、人々の笑顔や笑い声が一緒に浮かんでくる。

*4 fund-raising:資金調達参考:ウィズダム英和辞典、新明解国語辞典
by terakoya21 | 2013-11-09 07:00 | アメリカ研修日誌

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