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アメリカ研修日誌 No.4 part 2 (てらこや新聞97号 大学生のコーナーより)

4日目 part 2

彼らがリビングルームで遊んでいたときのことだ。チェイスが小さな亀の甲羅のようなもの(キルト製か?)に紐がついたのを、甲羅が背中にくるように胴体にくくり付け、床に両手と両膝をついて四つん這いの恰好になった。何が始まるのかと思ってみていると、背中の甲羅の部分にこの家の次男くんが乗っかった。そして長男くんが、弟の肩や背中を軽く支えて落ちないようにする。「準備できた?」という感じでチェイスが背中を見遣り、ゆっくりと前進し始めた。あぁ、あの遊びか!私も幼い頃に乗せてもらったり、馬役をやったことがあるある!と思うも束の間、チェイスが急に肩やお尻を突き上げるようにしてピョコピョコと跳ね始めた。

・・・。わたしの知っている馬乗り遊びでは、馬役が上に乗っている子を落とさないようにそーっと歩き回り、乗っている子が喜ぶと少し揺らしたりする程度だったはずだ。だが、今目の前で行われている馬乗り遊びは、馬が跳ねている・・・そうか、これはただの馬乗りではない!ロデオなんだ!!この発見は私にとってかなりの驚きだった。(この驚きについては、また後の回で詳しく書くことになると思います。)

ロデオは牛や馬を使った北アメリカ発祥の伝統的なスポーツで、有名な大会の開催地でもあるテキサスでは盛んに行われているらしい。だから、ここの子どもたちにとってロデオは身近なもので、今までに何度か見に行ったことが あるのだろう。彼らはそれを自分たちの遊びに取り入れていたのだ。

チェイスは4、5回次男くんを乗せて暴れまわったあと、「ちょっと休憩」と(甲羅に見えた)鞍をはずした。今度は長男くんが弟を乗せ、動き始める。弟くんは楽しそうに笑っている。落っこちそうになると周りの子どもたちが手を出し、馬役のお兄ちゃんも体勢を立て直し、またスタートする。

突然、威勢のいい声が響いてきた。声のするほうを見ると、リビングを見下ろせる階段の柵の間から、チェイスがまくし立てている。口元に近づけられた手は、マイクを持つように握られている。どうやらチェイスは、馬役から実況中継役に 転身したようだ。なるほどな、と思わず笑ってしまった。

ロデオを生で見たことのない私だったが、この時まさにロデオの会場にいるような気になっていた。リビングで遊ぶ彼らの姿が、いつかテレビで見たことのあるロデオ場の雰囲気を思い起こさせた。会場には暴れ馬や暴れ牛と、それらを乗りこなすカウボーイたちがいて、カウボーイハットをかぶったおじさんが、会場をよく見渡せるであろう高いところから、試合の状況を勢いよく伝えている。

子どもたちの観察眼(目の付け所)と、何でも遊びに変えてしまう能力に、「子どもってやっぱりすばらしい!!」と思わされた出来事だった。


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アメリカ研修日誌 No. 4 part 1
by terakoya21 | 2013-05-06 09:39 | アメリカ研修日誌

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