てらこや日誌
2012年 09月 14日
先日の高校3年生の授業で、センター入試の過去問の文法問題の答え合わせをしているとき・・・
I want to make a phone call but only have a five-dollar bill. I need some ( ).
① change② small cash③ little money④ return
(2002年センター入試本試験より)
この問題の意味は:
私は、電話をかけたいけれど、5ドル札しか持っていません。私は( )が必要です。
ということで…答えは、「小銭」という意味の①が入るのですが・・・
答え合わせの後、3人のうちの2人の男の子が・・・
「電話するのに、5ドルでは足りないのですか?」と質問してきた・・・
「違う、違う…5ドル紙幣しか持っていないからかけられないから…小銭が必要なのよ」と応えると
「あ、なるほど」と1人…でももう1人が一言「携帯でかければ?」
…携帯をこの人が持っていたら、そもそもこの設定の文章は成り立たないだろう・・・(-_-;)
そして、しばらくしてこの問題・・・
“I like this photograph. Your children look really cute.”
“Thanks. I had ( ) at a studio.”
① done it② it does③ it done④ it to do (1998年センター入試本試験より)
意味は…「私は、この写真が好きだ。あなたの子どもたちはかわいく映っている(見える)」
「ありがとう。スタジオで撮ってもらったんだ」
…それを訳した男の子が、「先生、「見える」って失礼ですよね」・・・というので、「そうだね…かわいいでいいよね」と受けようとしたら…もう一人の男の子が・・・
「犯罪の臭いがしますよね」・・・
私と、訳をした男の子が「え?」と大きく驚いて、聞き返すと・・・
そばにいた女の子が・・・「ああ、最近、多いものね、そういう事件」・・・となんとも冷静に・・・受けて口をはさんだ。
・・・その発言で意味を解した私は・・・「あ、そういう意味・・・でも、ここから、そこまで考える?」
もう一人の男の子は、そこまでの話に全くついていけないらしく…「ど―いうこと?何?」
…で、説明をすると・・・
「ええぇ?ここからそこまで考える?俺は、ただ、「look」じゃなくて、「are」でいいって言いたかったんだけれど…」
…そうだよね・・・(-_-;)
その後、このところ続けて起こった事件についての意見交換をすることになったのだけれど・・・訳をした男の子…この文章から、そこまで話が及んだことがショックで立ち直れない様子・・・
「先生、次に行きましょう」
・・・そうね、次に行きましょうか・・・と、彼の一声で次の問題へ、ようやく進むことになったのですが・・・
私は、英文一つ一つが運ぶイメージや、言葉の深み、含みを読み取ることをしてほしいので、訳してくれた少年のコメントのようなコメント大歓迎。そして、自分の考えを持つことが英語を上達させていく上でも大切なことだと思うので、それから発展させていく話には、いろいろと付き合います。
が、後半の脱線には、子どもたちを取り巻く環境の悪化、その後の議論から社会の「不寛容」を感じ、
前半の話には…文明の利器の急速な発達…と子どもたちの生活の過去との分離(?)が顕著なことに…少々不安になりました。
「Intercultural Communication」・「異文化交流」
私と学生の間の交流も最近は、多くの場合「異文化交流」となっています。
(Y.K)