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あとがき (てらこや新聞86号より)

考える日々が続いています。

「まえがき」にもありますが、先日「てらこや新聞」についての取材を松阪のローカル新聞「夕刊三重」の方から受けました。大学生に編集を託してから今月で10部目の発行となったのですが、私には7年前この新聞を発行し始めたときとは違う、大きな構想が生まれつつあったので、それを夕刊三重の広告担当の方にお話したところ、経済部の記者の方が取材に来て下さいました。

私は、行動する前にそれはもう、人が見れば、気が狂ったのではないかと思うであろうほど考えるタイプですが、人生のモットーは「明日死んでも後悔のない今を過ごし、それでも、10年後の計画はいつも立てる」なので、考えを口に出した瞬間から行動をし、直面する問題を一つ一つ解決しながら、考え、目標に向かってひた走りー気がつけば40年が過ぎていました。そんな私には、現代の若者の臆病に見えるほどの行動力の無さが歯がゆい・・・一方で、若者だけではなく、いい大人のはずである私たちの世代にも、行動力だけしか備わっていないのかと思えるような言動を見聞きすることも多く、苛立ちを感じることが増えています。そして、それはすべて、世の中では必ず意識しなければならない他人や社会とのつながりや、過去とのつながりが、見えない、もしくは 信じられない人が増えていることから始まっているように 感じます。

私は、「自分にできること」がそれほど特別なことではなく、また、人は、他人に頼るべきことは頼り、自分のできることには全力を尽くすものだと信じて、ここまで突っ走ってきました。しかし、ここ数年、その考え方に修正を迫られることが多々あります。立ち止まり、話を聞くこと・・・そして、私がしてきたことやできることを必ずしも、皆がしてきたわけではなく、できるわけでもなく、人に頼みごとができない人や、全力を尽くす前に考え込み、いろいろな言い訳(本人にとっては正当な理由)を考えて、立ち尽くすという人のほうがはるかに多いーということをここ数年で学んだように思います。そして、立ち止まり話を聞く中で、自分への自信と他人への信頼がー全力を尽くし、人を頼るためには必要なのだと教えられ、私は、周囲の年長者たちにそれを与えられて育った、だから、今があるのだと実感し、感謝する毎日です。

一方、竹川さんも始めたというfacebookですが、私にとってfacebookは、このところ、過去とのつながり、社会とのつながりを実感する場となっています。これだけの人々となんらかの接点を持ってきた私の人生は、捨てたものじゃないなんて感じさせてもらっています。そんな中、先日、この「実名主義」といわれるfacebookで、多くの日本人が、ハンドルネーム、偽名、ニックネームなどで登録していて、世界中でも日本人の偽名率が高いと聞きました。グローバルスタンダード・・・といいますが、世界基準の常識から日本人が取り残されつつあること、また、これほどまでに「英語」「英語」と躍起になっている割には、その言語についてくる「文化」やその言語を学ぶ意義をないがしろにしてきた結果だと感じました。

先日、取材を受けたことをきっかけに、編集を頼んでいる大学生の「編集に携わる」ことに対して今感じていることを聞く ことができました。 そして、やはり、「自信と信頼」が若者を育てるキーワードだと実感しました。「私はあまり人を頼れない」という言葉は、「私は人を信頼していない」という言葉より、謙虚に聞こえます。でも結局、同じことを言っています。人を頼れないのは、他人を信頼できないから・・・。そして、人を信頼できない人は、自分をも信じられない人です。

「人に頼むべきことは頼み、自分ができる ことから始めよう」-改めて、大学生に声をかけました。その後、彼女は、今までは私に声をかけられていたものの、イマイチ何を求められているかわからなかった他の大学生に、自分のしている作業について、説明をしていました。追い込まれたり、悩んだり、前の道が見えないとき・・・他の人と話をしてみる・・・それが直接助けを求めたものでなくても、前に見えるはずのかすかな光や細い道、思わぬきっかけを示してくれることがあります。

そんな光、道、きっかけ、希望、夢を私に与え続けてくれているこの「てらこや新聞」を続けさせて下さっている方々-連載の皆さん、読者の皆さんはもちろんー全ての方々に感謝したいと思います。ありがとうございます。発行から8年目の今年、少しずつ修正を加えながら、新たなる発展へとつなげていきたいと思っています。これからもどうぞよろしくお願い致します。

(Y.K)
by terakoya21 | 2012-06-14 13:57 | あとがき

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