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BROADアイ (てらこや新聞83号 小野さんのコーナーより)

話を引き出す

著名人が語り合う対談番組や、政治家などが激論を戦わせる討論番組。

こうした「対話の面白さ」がウリのテレビ番組は、じつは制作がとても難しい。

番組の狙いは、話が弾んだ勢いでその人となりをにじませたり真意を引き出したりすることだが、出演者を座らせておけば勝手に面白いトークが始まるなんて思ったら大間違い。話を引き出すための入念な準備が必要だ。

先日、某局の番組で、大御所俳優の役所広司さんと「平清盛」の松山ケンイチさんという“旬なふたり”が対談するというので興味津々で見たところ、イマイチ会話が発展せず肩すかしを食らった。役所さんは息子のような年齢の松山さんに気づかいながらも本気になれず、松山さんは大先輩を前に一生懸命しゃべるのだけどぎこちない印象だった。年齢差があるからこそ、番組制作者は対談を面白くする“仕込み”をちゃんとしていたのだろうか。

2人の芸人が出てきてステージ上でトークを繰り広げる深夜番組が様々あるが、ある番組のプロデューサーにかつて聞いたところ、その番組は一見フリートークだが、じつはボケとツッコミまで書かれた台本が存在すると言っていた。それでいて本番では台本とは無関係のアドリブで別展開を見せるという。台本上の仕掛けがあるから出演者に火がつくのだろう。火がつけば、プロだからトークは俄然面白くなる。

一方、政治家などの討論番組となると台本は作れない。すると本番ではそれぞれが言いたいことを言うだけで討論にならないことがある。最近、アメリカ大統領選挙の共和党候補者のテレビ討論をニュースで見るが、 こちらは面白い言葉の応酬があって引き込まれる。将棋のように先を読みながら対話を進めていくゲーム感覚が身に付いているのだろう。

人から話を引き出すって、結構、大変なんです。

(T.O)
by terakoya21 | 2012-03-10 14:26 | Broadアイ

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