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あとがき (てらこや新聞69号 亀井先生のコーナーより)

今年最後の「てらこや新聞」の竹川さんのまえがきにも、私のエッセーにも大いに表れているように、今年は私たち講師たちが皆、一様に悩み、考え続けた1年でした。その一方で、多くの方々に支えられ、ここまでやってこられたのだと実感する1年でもありました。皆さんありがとうございます。そして、この新聞発行にあたっては、今年も1年間、連載の皆さん、本当にありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いします。

そして、その多くの方々のお1人が、今回、巻頭コーナーのエッセーを提供して下さった荒木先生です。私が荒木先生に、初めてお目にかかったのは、昨年の冬、体調を崩して病院に行ったときのことで、そのときに父の塾に通われていたとお聞きしたので、今年の6月末から指の骨折で毎週のように通院するようになり、「てらこや新聞」をお届けしていました。そして、11月のある日、診察室で渡された封筒の中に入っていたのが、今回のエッセーです。

私は、昔から頭痛持ちで、若い頃から生理痛もストレスも全て頭にくることが多く、33歳の春からは数ヶ月に1度、日常生活も困難になるような頭痛に悩まされるようになりました。そして、その頭痛もストレスとなり・・・悪循環という日々が続いていました。が、不思議なことに、頭痛はいまだにあるものの、日常生活が困難になるような頭痛は7月の夏休み第1週目以来起こっていません。それには、荒木先生の一言と存在が大きいように思います。私は、他の持病とともに偏頭痛のためにも、津の三重大学医学部付属病院に通っていましたが、夜仕事をし、決まった曜日の午前中に行き、長時間待たないと処方箋をもらえない病院に通うことも、今年は、ストレスとなっていました。そして、荒木先生に出会うまでの松阪の病院の先生方は、「頭痛ごときで」という反応で、鼻で笑われる先生もいらっしゃいました。確かに、誰にでも起こりうる頭痛ですが、頭痛が嘔吐を引き起こし、食事はもちろん、水すらも飲むことが困難な状況が数日続く私と、私の家族には、この偏頭痛は深刻な病気なのです。そして今年の7月の大切な夏期講習の初日、夏期講習も、正規の授業も他の先生に代役を頼まなければならない状況でした。翌日、2日間はさすがに休めないので午後からの仕事に備え、点滴を受けに堀江クリニックを訪れた私に、先生は「いろいろと試してみましょう」とやさしい笑顔で言われました。そして、おそらくこんな近くの病院に何かあったら状況を知ろうとして下さる先生がいるということで、ストレスがかなり和らいだのだと思います。このところの頭痛は、薬を飲み少し寝る時間が取れれば・・・仕事にも生活にもそれほど支障がないようになっています。

そんなこともあり、今回の先生のエッセーに、お人柄が出ていて思わず、微笑んでしまいました。整形外科医としては、「その通り!」と言ってもいられないけれど、ご友人の姿が 「かっこいい」とおっしゃっている先生の姿勢がそのまま普段のご様子に表れていると思ったからです。

一方、同時に、ご友人の姿が子どもたちの姿と重なり、少し不安にもなりました。この先生のご友人はおそらく私たち世代の方です。ご友人の自分を鍛える・・・というお話、私も同感です。私は、1日中走り続けるほど、自分に厳しくはありませんが・・・少しずつ自分の可能性を広げる、可能性を知るという努力を怠りたくないと思っていて、高校卒業まで惜しげもなく1日9時間寝ていた私が、ここにきて1日が24時間で1週間が7日というのがなんとも惜しいと思うことまであります。

が、気になるのは、高校生たち、大学生たちです。ティーンズの頃から子どもたちが、クラブに勉強に、クタクタになっている姿に、私は危機感を持っています。そして、何かをしていないと、誰かといないと落ち着かない 若者の姿に異様さを感じます。「よく遊び、よく学べ」がモットーだったのではないかと思うほど、いつも余裕を持ち、しっかりと自分の時間を楽しんで過ごしてきた私には、子どもたちの疲弊が・・・親世代の私たちの「頑張る」ことへの異常なまでのこだわりのせいではないかと思えます。人生は長いのです。そして、そのときそのときの自分たちの年齢でしか体験できないことが沢山ある-それを犠牲にしているとしか思えないような姿で、頑張り続ける子どもたち-そのうち、息切れしてしまうのではないかと・・・心配です。クラブと勉強さえ両立させていれば、「文武両道」というわけではないと思うのですが・・・。

そして、私たちが今40歳を前に、しっかりと頑張ることができるのは、若い頃に休み方、頑張り方を身に着けてきたからだと思うのです。

と・・・1つ1つの記事に感想をつけていたら、あとがきだけで新聞ができてしまいそうです。皆さんの興味深い記事に、今年は、愚痴っぽいエッセーの多かった自分が恥ずかしいと思うことも多い1年でしたが、この1年間の哲学の日々を来年は、前向きな子どもたちへの対応に生かせていけるように努力を続けたいと思っています。

来年もどうぞよろしくお願いします。

PS:私の幸せを考えて(?)、私が同世代の男性をほめると異常な反応を示してくれている生徒と友人たちのために、以前の小野君のことを書いたあとがきと同じように、断っておきます。皆さんの期待に応えられず(?)申し訳ないのですが、荒木先生は、お子様もみえる既婚者です。

(Y.K)

*2010年12月15日発行てらこや新聞の記事です*
by terakoya21 | 2011-01-27 20:30 | あとがき

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