Bonjour! (てらこや新聞63号 谷先生のコーナーより)
2010年 07月 12日
高校二年生の夏、初めての海外で私をなぐさめてくれたのはアクション映画だった。音楽と同様に、アクションにも国境はなかった。会話の場面ではそのスピードにまるでついていけなかったが、ジャッキー・チェンを知っていた おかげで、話の大筋は なんとなく理解できた。なかでも、アクションシーンは日本で見るのと同じ感覚で見られたように思う。
子どもの頃の私にとれば、世の中は「?」で溢れかえっていた。わからないことだらけで、想像すら及ばないことの方が多かった。知らない曲ばかりの音楽番組、少しおめかしして電車で出かける都会のデパート、おかずがなくなってもお酒を片手に続く夕食。幼い私には、その魅力がさっぱりわからなかったが、今はそれなりに楽しさを知っている。
大人になった今でさえ、どんなに周囲が盛り上がっていても、その話題やノリについていけずに戸惑うことがある。それは、まだまだ知識や興味が足りていない自分自身にも原因があると 思う。その一方で、社会の 常識や様々な情報をいくら手に入れても「?」の数は減らない。それどころか、最近はあの頃にも増して世の中が「?」に満ちている気がしてならない。
(Y.T)