てらこや日誌
2009年 08月 13日
7月中、「家で全く勉強しない上に、
髪の毛の色を変えたり、眉毛がなくなったりするし、
クラブ以外ではだらけていて困っている」と、
この春中学3年生で寺子屋を卒業した高校1年生のお父さんから聞きました。
そこで、「一度寺子屋に顔を見せて」とお伝えしていました。
が、なかなか来ず・・・月末に
・・・お父さんが「そのうち、電話かかってくるぞ」っておどしておいた・・・
とおっしゃったので・・・
思い切って8月に入って彼の携帯に電話をしてみました。
「クラブが忙しくて・・・」
「だって、毎日、朝から晩まで24時間クラブをしているわけじゃないでしょう?」
「それは・・・そうやけど・・・」
「じゃ、一回ぐらい顔見せに来てくれてもいいやろ?」
「や、今度、合宿があって・・・」
「合宿はいつ?」
「5日から9日までです。」
「じゃ、4日の火曜日に来られるやん?」
「はぁ・・・わかりました。」
「待ってるから~来るまで電話するよ~!」
と電話を切ったのですが・・・
・・・4日の日に来ると言っていたのに、
お父さんはそんなことを聞いていないとおっしゃるので・・
当日に・・・
「今日、何時頃来る?」と再度電話してみました。
「明日から合宿なんで・・・準備が・・・」
「日曜日にできたやろ~・・・じゃ、いつ来るの?」
「来週の火曜日には絶対・・・」
「絶対言ったな?絶対は100%やでな~!!!!」
「は・・・い。」
・・・と11日に彼は、ようやく姿を見せてくれました。
1時間ほど話をして、30分でも、1時間でも少しずつでいいから、勉強に来るという約束をとりつけました。
彼は、もともと中学1年生のときに、1学期の成績から、自分で危機感を感じ、寺子屋にやってきた生徒です。
根は真面目で、優しい男の子だとわかっていたので、
おそらく来てくれるだろうと思っていました。
だけれど、本人にも伝えました・・・
根は水に長い間つけられすぎると腐る場合もある・・・
だから、腐らないように気にかける必要があると・・・。
だから、自分の生活の建て直しは、徐々に、慌てなくていいし、ムリもしなくていいから、少しずつしておいた方がいいと話をしました。
もともと、彼も、夏休み前の自分の成績に、「まずい」と感じていた様子で・・・
今日も勉強に来てくれました。
とりあえず、8月はお試し期間ですが、
30分のつもりで来たのに、気がついたら1時間以上・・・
黙々と勉強していました。
「時間忘れとった・・・」
来週も火曜日から来る約束をして、帰っていきましたが・・・
昨日、私と彼が話している様子を見ていた高専生アシスタントが、「明日来ます」と結局約束して帰った彼を送り出したあと、私に一言・・・
「ここ、なんか、最近、塾って言うより、更生施設ですね。」
・・・おいおい・・・
思い当たる節がないわけではないですが・・・
子どもたちが、楽しく学ぶことが彼らの将来のため・・・
そして、子どもたちが成長する過程において、
家族の決め事や、社会のルールを守ることを学ぶことも大切です。
そして、私は、大人が子どもの健全な成長のために、子どもたちのことを心から思い、考えることはもちろん当たり前で大切ですが・・・
子どもが、大人たちの思いを知り、その気持ちを大切にすることも重要だと思っています。
でも、とかく親の意見は聞きたくない年頃・・・
第三者の意見なら、同じ意見でも聞ける場合があります。
今日、お父さんにお会いしたとき
「どうやって説得したの?」
と聞かれましたが・・・私は私の思いや、考えを率直に話しただけで
その話に呼応してくれる彼の心がもともとそこにあっただけ・・・
「いや、ちょっと話を聞いて、話をしただけ・・・とっても彼はいい子だから・・・」
と返事をしたら、お父さん、嬉しそうな笑顔を返してくださいました。
彼のお父さんは、私の通う整骨院の先生です。そして、彼が中学生のとき、私を信頼して息子さんを預けて下さいました。私は、このお父さんも大好きです。
ご両親の私たちへの信頼と、私たちのご両親への信頼があれば・・・
子どもたちは、それなりに勝手なことも言いながら・・・
良い子に成長していくと私は信じています。
成績が良いことよりも、何かをわかりたいと思い、わかったと喜ぶ気持ちが、子どもたちを成長させていくのだと思います。
そんな成長をいくつも見られるのが、私たちの楽しみです。
私たちも経験済みですが、親に言われるとやはり、素直に聞けない部分がありますが、第三者に言われると結構素直に聞ける・・・そんな単純なことから、「更生施設」のようになっている感のある寺子屋ですが・・・
今日は、子どもたちが成長する過程で、必要ならば・・・そういう存在でもいいかな・・・なんて思える・・・
気分の良い、お盆前、最後の授業日でした。
寺子屋は、17日までお休みをいただきます。
18日に、上述の高校生を含め、みんなの元気な顔を見ることを楽しみしながら、今日から少しのんびりしたいと思います。
(Y.K)